間も無く50歳になる、桜井貴哉。1人の女性の出会いから、心を無くしていた自分に気がつき、心を取り戻していく。愛するほど、憎悪も味わうことを初めて知る。切なく優しい愛のカタチ。
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#家庭
【恋愛小説】これを愛と言うのか、忘れたいと思うのか(4)
それから、3ヶ月。俺たちは、一緒にいる時間が増えていった。
俺の家に来ることも少なくない。一緒にお酒を飲んだり、2人でご飯を作ったり、寄り添いながらテレビを見たり。
でも、体の関係になることは、なんとなく避けていた。
SEXまではしていないけれど、手を繋いだり抱きしめたり…。
唇から伝わる柔らかい感覚とか。それだけで、とても満たされた気持ちになる。
世間でいう“普通”の価値観