見出し画像

【詩】Lighthouse


最高の夜は
苦し紛れのくりかえしであった。

笑っていることに疲れ
泣くことにも疲れ
その場にいることに疲れ
私でいることに疲れ

気づくと
私はからっぽで
無表情で
ただ、そこにたっていた。

大事なものにお金を使い
好きなだけ本を読み
好きなだけ映画を観て
健やかに笑っているあなた

惜しいところまではいっているのだけれど
わたしはあなたにとどかない。

でも
あなたもわたしにとどかない。


私はあなたのことを何も知らない。

しかし、あなたも、誰も、私のことを何も知らない。



不思議なこともあるもので
その瞬間私は少し軽くなった。

私はひとつ息を吐き
CDを回し
ソファでゆっくり瞼を閉じた。






いいなと思ったら応援しよう!