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【詩】くつした


そいつは、いつも踏まれてしまって、使っている私も、ときたま申し訳ない気持ちになる。

そいつはなかなか喋らないから、私たちはそいつをよくよく忘れてしまう。


そいつがいつも守ってくれる「あし」は、よくよく考えるとすごく優しく脆く出来ている。

「あし」は、柔らかく、固く、どんなものにでも歩幅を合わせて付き合ってくれる。

体に溜まった嫌なエネルギーも、実は「あし」から出ているんじゃないかなとも思う。


そいつは、優しく脆い「あし」をそれ以上に優しく脆く包み込み、「あし」から出ている嫌なエネルギーも吸い取ってくれる。

そいつがいなかったら、私たちは今よりずっと不機嫌なんじゃないかな。



そんな大仕事をしているのに黙っているなんて、なかなかクールで頼りになるやつだよな。


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