私が食品会社を辞めたワケ
私が食品会社を辞めたワケは給料が安いからです。皮肉なことに食べていくために、食品会社を辞めた形になりました。
私は新卒から10年以上、ある食品メーカーで研究職として働いてきました。人事評価はいつも「まずまず」でしたが、会社業績の上下に関係なく給料が上がることはありませんでした。
独身の頃はまあまあの生活ができましたが、結婚して子供が二人生まれ、生活費が明らかに不足するようになりました。
転職の不安もありましたが、幸いなことに全く別業界の新天地でも何とか仕事できています。新天地では収入面がだいぶ改善し、将来に向けて金銭的な希望は見えてきました。
食品会社の仕事は確かにやりがいはありました。一方で、やりがいだけでは食べていけないのも事実です。一部の超巨大企業でもない限り、そこそこ名のとおった食品企業であっても、賃金面では厳しいこともありうる、というのは知っておいていい事だと思います。
おまけ:腰掛け社長は良くないね
思えば今の職場では、たくさんの社長さんのもと仕事をしてきましたが、
みんなみんな「腰掛け社長」でした。
自分の現職の終わりが見えてきた中で、やはり「腰掛け社長」はよくないなと思うんです。
なんといっても、今の仕事の終わりが見えてくると「どうにでもなれ〜」という気持ちがどうしても出てきてしまうんです。
いくら一生懸命社長業をしたところで「腰掛け社長」も「どうにでもなれ〜」という気持ちになる瞬間というのが、きっとあるんだなあと、自分が近い立場になった今思うんです。
「未来への責任」って、どうしても腰掛け社長だと持てないんですねぇ。
おまけ:上司に退職を告げた日
10数年勤めた会社を退職する事にした。
転職エージェントさんには「引き留めには屈しないで!」と言われたのに。
今日上司に退職を告げたところ、特に引き留めはなかった。
「手書きの退職届を出してね」
伝えられたのは、引き留めではなく、事務連絡だった。
引き留められないさみしさもあるが、やはり自分はそんなもんだったのかとも思い、吹っ切れた思いになる。
さあ、退職届を書こう。
相当久しぶりに、便箋で文字を書いた。義理の両親への手紙以来だろうか。
無地の白封筒が無いことに気づき、風呂上がりに上着をかぶって、夜の街に封筒を探し回る。
結局見つからず。普通の白封筒に入れた。
よくよく考えれば、退職届に神経をすり減らすのも本末転倒である。
カバンへ退職届を放り込む。何度も寸前まできた「退職」という一線を、今越えようとしている。