やっぱり生保のFP相談窓口なんて使っちゃいけない
「家計の見直しや資産運用の相談に」
そんなキャッチコピーで我々の前に現れる、生命保険会社に所属するファイナンシャルプランナー(FP)。
が、結局のところ相手は「生保の社員」。有用なアドバイスは得られず、結局生命保険を紹介する方向に誘導されるだけ。
そうだろうなぁ、そうだろうなぁ….、と思いつつも、私は自分の資産運用に少し自信が持てなくなっていました。
住宅ローンの借り入れ、為替の乱高下、マイナス金利政策の解除。私の周りの様々なお金イベント・出来事に一喜一憂するべきではないと思いつつも、気になっている自分もいました。
そこで私は、ダメもとで生命保険会社のFPに資産運用を相談してみました。
結論:ダメだこりゃ、生保のFP相談窓口なんて使っちゃいけない
ファイナンシャルプランナーとは
ファイナンシャルプランナー(FP)とは、個人や企業の資産管理や保険、税金対策などに関するアドバイスを行う専門家です。
では、ファイナンシャルプランナーは公正中立に、資産に関するアドバイスを行ってくれるかというと…、必ずしもそうとは限りません。
多くのファイナンシャルプランナーは、生命保険の販売代理店・銀行などの金融機関に所属しています。
販売代理店も金融機関なども〈商売〉なので、〈FPによる資産運用相談〉をキッカケに自社の生命保険などの金融商品を販売したい、と考えるのは自然な流れです。
なぜ生保のFP相談窓口に?
生保のファイナンシャルプランナーは、必ずしも校正中立に私の金融資産に関するアドバイスをしてくれるわけではありません。
では、なぜ今回生保のFP相談窓口に相談を投げかけたかというと
自分自身は金融の専門家ではないので、専門家の意見を聞きたい
住宅ローンの借り入れという、大きなキャッシュイベントがあったので、一度資産状況を見直してみたい
自分自身の資産運用やキャッシュフローについては、概ね納得しているが、どこか落とし穴がないか確認したい
というのが主な理由です。
実際生保のFP相談窓口を利用してどうだったのか?
私の相談内容としては、「大きな負債として住宅ローン、資産として変動型個人向け国債とNISA(投資信託)がある。家計の資産・負債バランスの落とし穴について、見落としがないか知りたい」ということです。
噛み合わない会話
FPさんとの相談を進めていく中で、会話がちょくちょく噛み合わないことがありました。
「変動型個人向け国債」が伝わらない (しきりに購入時の金利は何%か聞かれる)
住宅ローンの金利について、全く聞かれない (家計のキャッシュフロー上大きな金額なので、考慮する必要あると思うんですが)
住宅ローンの繰上げ返済を頑張る前提で話が進められる (こちらは繰上げ返済は一切考えていないと伝えたのに)
初めは私のコミュニケーション能力のなさだったり、説明スキルが無いからなのかと思っていましたが、相談を進めるうちに噛み合わない原因はもっと別のところにあることに気づきました。
FPさんの販売したい商品を紹介するだけ
FPさんは私の相談内容に対応したいわけではなく、あらかじめ販売したい商品があって、どうにかしてその商品の勧誘へ持って行きたいだけだった、というのが実際のところです。
FPさんの狙い所としては
個人向け国債より高利回りの商品であること
毎年給付金があるので、住宅ローンの繰上げ返済に使えること
この2点をPRポイントに「豪ドル建一時払養老保険」というアレすぎる商品を紹介したい、なんとかしてこのストーリーに持っていこうと、会話を進めているのでした。
ざっくり「豪ドル建一時払養老保険」について説明すると
日本国債より高利回りが期待できるオーストラリア連邦国債で運用
満期保険金(5~15年)・1年ごとの給付金を受けられる
給付金は雑所得なので、所得税が非課税になることも
という商品です。一見よさそうに見えるのですが、
豪ドルと日本円の為替リスクがある
5~15年間、生命保険会社に資金を拘束される
給付金には、大概の場合に住民税が課税対象に
国債での運用なので、長期で見れば株式ほどのリターンは期待できない
自分でオーストラリア連邦国債を購入する場合と比べて、生命保険会社に対する手数料が発生
ということで、個人向け国債でディフェンシブに、NISAの投資信託でアクティブに運用している自分にとっては、正直全くメリットが見出せない商品です。
が、生命保険会社サイドからすれば手数料的に非常にオイシイ商品です。なんとかこの商品を売ろうと話を進めていることに気づき、正直だいぶガッカリしてしまいました。
結局は自分で考えることに
FPがアテにならない以上、結局は自分で考えていくしかありません。
サラリーマンの資産運用としては色々な方法がありますが、私は各種制度を以下の優先順位で活用しています。
現預金
(制度があれば) 財形貯蓄
(制度があれば) 企業型確定拠出年金
新NISA
× 持株会
給与天引きできる・奨励金などの上乗せがある「財形貯蓄」「企業型確定拠出年金」をまずは積極的に活用して、「自動で」「お得に」運用していきたいところです。
逆に、1社に集中投資することになるので、持株会はリスク分散が全く効いていないので、私はオススメしないです。
財形貯蓄でディフェンシブに、企業型確定拠出年金でアクティブに運用、リスクを取れる程度に両者へ拠出する金額を割り振れば、ほとんど放ったらかしで良いのではないかと思います
新社会人の方は、勉強することが本当に多いと思いますが、お金の勉強も少しずつしていくと、資産の不安も少なく本業に集中できるかなと思います。
私はいくつかお金に関する書籍を読みましたが、コチラの「お金の超基本」は比較的フラットな目線で書かれていて、NISA・ideco・保険を検討する最初の一冊に良いかなと思います。「何から始めていいかわからない」方は是非ご一読を。