博士課程での研究生活💭
こんにちは♫
お久しぶりです。Queenish Thoughts です。
博士課程に進学してからあっという間に半期が過ぎました。
1セメスターが経過して感じたあらゆる変化や日々の奮闘、これからの計画などについてお話ししてみたいと思います。
文学研究科の博士課程での様子や、ひしひしと感じる文系院生ならではの悩みなども紹介してみます!
環境の変化
私は学部と修士課程は同じ学校を出て、博士課程から別の大学に進学しました。
※学部・修士の大学をA、博士の大学をBと呼びます。
修士課程で学部と同じ学校に進学した理由はいくつかあります。(また別の記事でお話しします。)
博士課程でB大学に進学した最大の理由は、「資料の数」と「コンペティティブな環境」です。
資料の数
保有するデータベースや中世〜初期近代に関する書物の数と原物資料の数がB大学は圧倒的に豊富です。
研究にあたり、多種多様な資料を参照することは必要不可欠です。
オンライン記事よりも書物を多く参照した方が良いとされているので、学校の図書館にさまざまな分野の書物が貯蔵されている環境は研究に最適です。
コンペティティブな環境
B大学はその規模が大きいので、学生数も多いです。したがって、競争相手も必然的に増えます。
同じ国や時代の研究をしている院生が複数人いることで、いい意味で焦りを感じ、良い刺激をもらうことができます。
自分の研究の進捗を客観視することができるので、私は競争相手は多い方が相乗効果で自分の能力を発揮できます。
ちなみに情報共有はなかなかシビアな世界です(笑)
奨学金や授業の履修、留学や業績のための論文執筆などに関する詳細情報は、自分で取りに行かないと誰も教えてくれません。
研究指導の内容
A大学では、研究指導が授業として1コマ毎週ありました。
しかし、B大学では一切ありません。
日々の授業の傍、自力で研究を進めます。困ったことや相談がある場合は、自分からコンタクトを取りに行かなければなりません。
研究の近況報告も自らタイミングを見計らって行います。
自立して研究を進める力や資料を集める力、一言で言えば自主性が非常に伸びます。
A大学のいいところは、本当に面倒見が良くて研究の基礎を身につけるにはもってこいの環境でした。
ですので、A大学で研究の手取り足取りを学んだのちに博士課程で自主性が求められるB大学に進学したことは、英断だったと思っています。
授業に必死
この春学期は日々の授業の準備が大変で、なかなか自分の研究に手が回りませんでした。
新しい環境だったのもありますが、授業のレベルがまた一段とUPした上に、課題のボリュームも結構あったためとても大変でした。
中世文学を講読することは初めてだったので、予習にとても時間を割きました。
散文は慣れてくると比較的楽に読めたのですが、韻文がMEの辞書をひいても構文がうまく取れないということがありました。
それでもなんとか食らい付いて、最終授業を先日迎えましたが、最後の最後で大恥をかいてしまいました…
予習をした箇所が間違えてしまっていたのです。
即興で訳すこととなったのですが、全く手に負えず・・・
多少頑張った末、「すみません、どうしてもわかりません。」と頭を下げました。
幸いZOOMだったので、自分の番が終わってから悔し泣きをしたことは誰にも知られませんでした。笑
こういう恥ずかしい、悔しいという気持ちもコンペティティブな環境だからこそより強く感じたのかもしれません。
留学したい
博士課程を受験した際に面接で留学の計画について聞かれるくらい、イギリス文学研究者の道を歩む者にとって博士課程で留学に行くことは重要と言えます。
実際、大学専任講師の公募に、条件として博士課程での留学経験の有無を問う大学も多いです。
そして、私はイギリス文学専攻なのだから、当然イギリスの大学に行くものとして話が進みます。
ですが・・・私はどうしてもアメリカに行きたいのです・・・
アメリカの某大学に留学をして、その間にイギリスやヨーロッパ諸国にも滞在したいと考えています。
絶対にイギリスでなければならないと決めつけずに、あらゆる可能性に対応できるように準備していたいと思います。
とはいえ現段階の最短目標である大学専任講師になることに対して、アメリカへの留学が不適切、あるいは不可能な選択なのだとしたら、あるいは、イギリス留学の方が自分のキャリアパスに圧倒的に必要なら、イギリス留学に決めざるを得ません。
指導教授としっかり相談して決めていきたいと考えています。
拭えない不安感
ついに先日誕生日を迎えまして、30歳により近づきました。
歳を重ねるごとに、新たな可能性や成熟することの魅力を感じ嬉しく思う反面、焦りも感じています。
周りは社会人数年目で、経済的にも私生活的にも自立し始めています。
私も早く自らの力でお金を稼いで生活に余裕を持ちたいなという欲が年々増していくのです。
ただ、研究者という専門性の高いキャリアを選択したことに誇りを思っているのも確かです。
英語も、初期近代のイギリス文学も、研究すること自体も大好きです。
「あともう少しの辛抱。」
そう思って日々研鑽していますが、やっぱり定期的になんとも言えない不安感や焦りは感じるものです。
日本の大学院進学率が相対的に低いことで、院生に対するイメージに偏りがあることもたまに不安に感じる要素です。
▼以下の資料は人文・社会科学分野における学位取得者数の国際比較です。
修士・博士課程進学率とは多少異なりますが、ご参考までに。
ともかく、「文学研究科で博士課程まで行ったら将来は何になれるんだろう?」と疑問に思う人が多いと思います。
企業への就職をイメージしている方は、博士まで行って文学を勉強して就活にどう役に立つんだろうと考えるかもしれません。
私はこれらの観点にモヤモヤしていましたが、「博士まで行って文学研究を極めたら有利になる就職先があるのではなく、自分の描いた将来のビジョンに博士課程進学が必要だから進学するものだ」と表現したら博士課程進学の意義が伝わるんじゃないかと思いました♪
ちなみに私は研究者になりたいと考えた時に、博士課程進学が必須だったので進学しました。
あとは単純に自分の研究分野がとても好きで続けたいと思ったからです。
文学研究科であれば、研究者(大学の教授)や翻訳家、大学の言語研究センター研究員/職員、非常勤講師など実はさまざまな可能性があります。
まとめ
ごちゃごちゃ書きましたが、①私は目的と将来のビジョンがあって博士課程に進学していること、②そもそも博士課程修了後の就職先は意外と色々あること、③そしてその専門性の高い場合が多いことを伝えたいです!
だから、修士でも博士でも、大学院に行ってどうするの?と周りから言われたり、自分で考えている人は、〇〇になりたいから/をしたいから大学院に行くんだと思えたらそれは正しい選択だと思います!
ちなみに修士課程進学の際はここまで自分のキャリアに関するビジョンは明確ではなかったです!!
やりたいこと、好きなこと、もう少し時間をかけて突き詰めてみたいもののために、それからより多くの機会を得るために時間を自分らしく使うために修士課程進学を決めました。※詳しくは私の別の記事をご参照ください。
書物の紹介
博士課程の先輩から貸していただいて、一気に読み終えたこちらの本を紹介します。
▼ ティファンヌ・リヴィエール、『博論日記』
カフカ研究を博士課程で試みるジャンヌの悲痛な院生生活が生々しくも面白おかしく描写されているフランスのコメディ漫画。
「院生あるある」が多数散りばめられていて、わかる!!の連続でした。
院生の生活や辛辣な気持ちがものすごくよくわかる本です。
院生ってどんな感じか気になる方は覗いてみてください!
(進学することが怖くならないことを願いています(笑))
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
博士課程に進学してからの様子をシェアできていなかったので今回はざっと春学期のまとめをしてみました。
皆さんの院生生活はいかがでしょうか?
院生の方もそうでない方も、ぜひこれからの私の奮闘を見守っていていただければと思います^^
Thank you for reading!
Hope you enjoy my essay :)
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