カネと音楽の本当にあった怖い話
地獄の沙汰もカネ次第
音大受験もカネ次第
壮大な重課金ゲームのご紹介!
カネと音楽
音大に入るまでに1千万円かかると
さらっと書いたけれど
これは結構な金額だ
年収1千万プレイヤーには
街で石を投げてもそうそう当たらない
ちなみに音大の学費は高く
初年度納入金は200万をゆうに超える
ところで私が受給している
私が今受給している障害者年金は
年額100万弱だ
まるで落武者…
卒業するまでには2千万
ちょうど老後資金として必要な額と
奇しくも同額である
カネがなければ受験はままならない
音大受験は超高額の重課金ゲームと言っていいだろう
最近親ガチャという言葉をよく耳にするが
世間でいう親ガチャは
音大受験に比べればかなりのヌルゲーだ
SSRの親ガチャを引いた上で才能がないと
ゲームクリアつまり合格はできない
ここで最低限の装備購入にかかる経費を
紹介しよう
これは私の場合だが
志望音大の先生のレッスンを月2回
30分につき18,000円
そのほかに必要な準備がある
ソルフェージュとピアノだ
これは月に2,5000円
地元の先生の声楽のレッスンは月に20,000円
これは最低限でありかつ平均的な値だ
むしろピアノの先生にソルフェージュも習っていたので
比較的安価かもしれない
ちなみに交通費もバカにならない
私のように地方からレッスンに通う場合は
新幹線や飛行機も使う
主科の先生のホームレッスンは
任意ではあるが
全員通う事になっている
音大生になると30分12,000円だ
努力も才能もあって当然
みんな精一杯の努力をしている
いかに親がじゃぶじゃぶと課金してくれるか
ここで合否がわかれる
ところで
私の家は中流だと前述しているが
節約が趣味の母がおり
教育は最高の財産をモットーとしている
両親のもとに育ったため
無事SSRを引いた
中流階級に生まれたわりに
かなりラッキーな例だ
音大には受験生向けの
夏期講習と冬季講習がある
費用は大体30,000円ほどだったと記憶している
1週間ほどの期間中
大学の先生から
主科の専攻楽器や声楽のレッスンを受ける
そのほか入試に絶対必要なソルフェージュや
副科ピアノのレッスンもある
講習会参加は重要な課金アイテムだ
レッスンを受けて
自分の実力が音大側からの
生の声の評価がきけるのだ
「あなたなら大丈夫ね」とか
「もう少し頑張らないと厳しい」と
自分が合否ラインのどこにいるか分かる
講習会の最大の目的はここにある
ところで
志望大の先生を師事する事も簡単ではない
ツテやコネがないと無理だ
私の場合は
祖父と親交があった声楽の先生を師事する事ができた
志望大の先生を師事する
これは重課金ゲームで
もっとも重要なアイテムになる
恐ろしい事実だが
志望大の先生に師事していないと
飛び抜けて演奏技術が優れていないと
合格は難しい
介護認定を受けていないと
デイサービスを受けられないみたいな感覚だ
コネやツテがない大学は
受験生は目もくれない
私の門下のほかの学生も
高校時代から先生に師事していたか
そうでなくても指導を受けていた先生と
先生同士の繋がりがある人達だった
ちなみに私の滑り止めは
師事している先生の
お弟子さんが指導している大学だった
クラシックの世界は
カネ・コネ・体力
そして顔だ
音大はのだめのように
華やかで明るい世界ではない
むしろ山村美紗サスペンスに近い
カネとコネがある学生が
オペラの役が欲しい
ソロが欲しいと
躍起になり
常に周りはライバルになる
山村美紗サスペンスと違うのは
殺人が起きないことくらいで
みんな上昇志向とプライドが強く
いつもピリピリとした空気が
レッスン室に張り詰めている
ほかの門下生に負けぬよう
ホームレッスンの回数を増やしたり
発音を良くするために
受け口であれば歯列矯正をし
留学するなど
重課金はどこまでも無限に続く…
こぼれ話になるが
劇団四季のスター達は
皆東京藝術大学や難易度の高い音大の出身者だ
私の周りにもミュージカル俳優志望者は多く
上記の最低限の武器のほかに
皆ジャズダンスとバレエをある程度踊れていた
劇団四季
オペラの二期会や藤原歌劇団
そこで役をもらえるまでになるのは
ほぼ一握の砂である
ここまで課金しても
医学部のように
卒業後に学費分を回収するのも
かなり厳しい
まさに金持ちの花嫁修行だ
YAMAHAでピアノ講師か音楽の教師をし
グランドピアノを携え嫁に行き
月にひとり5,000円のお月謝をもらう
小さなピアノ教室を開くのが
平均的な音大卒女子である
この重課金ゲームの課金者は
課金額が回収されなくても
文句も言わず娘の成長を喜ぶ
まるで中世ヨーロッパの貴族の世界だ
貴族ではないが
音大生は医者の娘か
手広くやっている経営者の娘が多い
まあ現代の貴族達の世界なのだ