大企業からスタートアップの広報へ転職
今回は広報PRの大西さんのキャリアを紹介します。スタートアップの一人広報が語るベンチャー経営にPRが貢献する方法とは?
新卒で教師になるのを辞めて営業に
小学生の頃は、日が暮れるまで友達と近所を走り回って遊んでいるような少年でした。バク転をよくしていたのでケガも多かったです(笑)
学生時代を今振り返ると、あまり自分に自信がなかったと思います。高校は進学校に進みましたがその中では落ちこぼれのように感じていたし、大学も第一志望に合格できなかったりと挫折感を抱いていました。
一方で、当時から教えることが好きで、大学時代はずっと塾講師のアルバイトをしていました。そのため、大学では英語の中高の教員免許も取得し、教師になろうと思って教員採用試験も受けていました。
しかし、短期の留学経験しかなく社会人経験もない状態で英語教師になっても子どもたちに教えられることがほとんどないではないのかと考え直し、最終面接の前に教員の道を辞めました。
その後、民間就職をすると決めてからの企業選びの軸としては、もし仕事が合わなくなっても社内の異動で解決できるような規模の大きめの企業で、飛び込み営業ではなく提案型の営業ができる会社に絞っていました。営業職にすごくこだわりがあったというよりは、学生時代に少し自信をなくしていたこともあり、文系でかつ採用人数が多く自分でもできそうな職種を選んだ結果が営業でした。
最終的にオムロン株式会社の法人営業としてキャリアをスタートしました。
一般的に知られている体温計とかの営業ではなく、工場で使うセンサーやモーターなどの電子部品関係を売り歩くセールスマンとしてのスタートでした。
社内公募制度で、営業から広報に
営業をして5年ほど経つと製品知識も身につき商品を売れるようになってきました。大きめの仕事を任せてもらえたり、マネジメントのポジションも任せてもらっていましたが、当時、営業はずっと同じ製品を売ることが多く今後もずっとキャリアが続く中で営業一本で行くことに違和感を感じ、社内募集に応募する形で広報のポジションに異動することにしました。
広報を選んだ理由は「カッコ良さそう」という単純な理由と、今までは最前線で営業をやっていたけど、一旦お客様と直接関わる仕事から離れた方がインパクトの大きな仕事ができるかと思ったからです。
営業を後ろでサポートする仕事も色々あると思うのですが、その中では経営に近い仕事である広報が面白そうだと感じました。
広報の部門は外部から転職してきた人も多く、営業にいた頃の雰囲気と全く違ったので違う会社に来たような印象を受けました。
横文字が多くて、広報の用語を全て覚えるのに1年くらいかかりました。
大企業から30人のスタートアップへ
オムロンで広報になって5年が経った頃、なんとなく登録していた転職エージェントにLAPRASからスカウトが来ているのに目が留まりました。
学生の頃から「型にはまるのが成功」だと思って生きてきたけど、「自分だけの経験とか自分だけのものを作りたい」と考えが変わってきていたタイミングと、たまたまスカウトがきた時期が重なり、転職を考えました。
最初は聞いたことのない会社だなと思いましたが、求人内容がチャレンジ心をくすぐるものだったので選考に進み内定をもらいました。
大企業から大企業に転職する人は周りにたくさんいましたが、それだとあまり環境は変わらないんじゃないか、これまでと違う経験が積めるところにチャレンジしたいと考えLAPRASへの入社は即決でした。周囲に相談すると止められる気しかしなかったので絶対に背中を押してくれそうな友人や家族にだけ伝えて自分で転職を決断しました。
入社してから大変だったこと
LAPRASというベンチャー企業に転職してから大変だったことは山のようにあります。
入社した当初はコミュニケーションの取り方や仕事の進め方に慣れるまで時間がかかりました。
特に、Slackのチャット文化には最初なかなか馴染めませんでした。
自分の個人的なことをつぶやいたりオープンな場所で弱さを見せることは「揚げ足をとられるのでは?」と、これまでの経験上思っていたので(笑)
仕事の進め方でいうと、大企業の時はやることや目標がしっかり決まっていましたが、スタートアップでは目標設定から始め多種多様にわたる仕事を同時進行しないといけないことに戸惑いました。
また、(LAPRASは東京に本社があり、大西さんは京都で働いていたため)フルリモートという状況下でPRに必要な社内情報をどうやって取っていくのかにも試行錯誤しました。最終的に、積極的に色んなチームのミーティングに顔を出し話をしていくうちに社内のことをなんでも聞きやすい環境を作ることができ、入社して半年もすると、フルリモートでもPRができると確信しました。
一方で、メディアとの関係構築はやはり東京にいた方がやりやすいと感じています。
今はオンラインでメディアの方と話すこともできる時代になりましたが、関係を維持するため、1ヶ月に1回は東京に出張として行きその際にはメディアの方と会うスケジュールをびっしり入れています。
LAPRASでの「大西の仕事ベスト3」
(自分の仕事を振り返ってこれまでのベスト3を決めて欲しいという編集部の無茶振りに対して)非常に迷いますが3つ選んでみますね。
第3位 入社して1ヶ月でメディア発表会をやったこと
まだ会社に馴染めていない時期でしたが、メディア露出を狙えそうなリリースがあったのでメディア発表会を実施しました。このことで、社内のメンバーからも認めてもらえたし今まで培ってきた広報スキルは、会社規模が変わっても通用することを確信しました。
第2位 LAPRAS BACKBONEを開設して運用し続けていること
入社して数ヶ月経った頃に、企業が発信する情報量が足りないと思いそのベースとなる拠点にこのnoteを始めました。
人的リソースに限りのあるベンチャー企業にとっては1本記事を書くことも時間やメンバー調整が難しいのですが、その中で協力してくれるメンバーに助けてもらいながら続けてこれたことが大きな成果です。当初の想定の1.5倍くらいは記事を出せています。
第1位 今の事業戦略の礎となる提言を出したこと
社内の経営方針を固める起点になった「大西ノート」という奇跡のノートがあります。社内のドキュメンテーションツールに個人的に作成したこのノートが、これまで定まっていなかった社内の意識が揃うきっかけになりました。
どういうお客さんにどんな価値を提供するかは、色んな人の思いで少しずつ揺れ動いていきがちです。LAPRASもそのあたりの意識がメンバー毎やチーム毎に揺らいでいるのを感じたので「大西ノート」を作成しました。
社内のドキュメントはオープンなので「大西が染谷さん(CEO)にあんなノートをぶつけている!」と社員みんなが「大西ノート」を見てくれて、またそこを起点に事業の目標や今後の動きを見直す動き等に繋がったので、全社の意識が変わるきっかけを作れたことが良かったと思っています。
PRの枠にとらわれず、会社にとって必要だと思うことを主体的に発信することによって、経営に貢献できた部分は一番誇れる仕事なのではないかと自負しています。
PRの醍醐味
たくさんの人の思いを1つにまとめて世の中に出すのがPRの醍醐味だと思っています。様々な人の意見を調整するまでの過程は大変ですが最終的に世の中に出したものがメディアに取り上げられたり、それを見てくれた方が新しく取引先になってくれたりと目に見える成果が出ることが楽しいです。
営業も好きでしたが、営業がすごく得意な人は「1対1で絶対この営業先を落とす」というようなことが得意だと思うんですけれど僕にそこまでの営業力はないです(笑)
PRとして、後方で支援したりめんどくさいところを繋いでまとめる役割が自分には1番合っていると感じるし、周りからもそう言っていただけるのでずっとその役割を続けていきたいと思っています。
トレイルランのように目の前のことを全力で走り抜く
趣味で山を駆け抜けるトレイルランをやっていますが、キャリアを作っていくことはトレイルランに似ています。
長距離を走る時は、目の前の1歩を出し続けていくことが大事なんです。
例えば、100km走るなら「目の前の5kmを走りきること」を意識して目先の一歩を踏み出していくことが大事。遠すぎるゴールを意識すると果てしなく感じてしまいます。
自分のキャリアも同様に、目の前のLAPRASで成果を出すことに全力を出していて先のキャリアは具体的には描いていないですが、PRにこだわりすぎず、今までにない価値を生み出し事業を成長させていきたいです。
PRという専門性を生かしながら、会社が成長できて喜んでくれる人が増えてくれることに力を尽くしていきたいと思います!
今回は広報PRの大西さんにお話を伺いました。
新しいチャレンジとして11年勤めた大企業からLAPRASの広報PRに転職した時のお話や、趣味のトレイルランになぞらえての大西さん流のキャリアの作り方についてお話をしていただきました。
LAPRASに来られて1年半で、会社に無くてはならない存在になっている大西さん。PRとして会社の認知を広げていくことだけを目標にせず、社内のメンバーの調整役をされていたり、事業や経営にも積極的にコミットされていたりと、LAPRASならではの仕事の面白さを感じました。
LAPRASでは現在、一緒に働くメンバーを募集しています。興味を持っていただいた方はぜひお気軽にお声かけください!
また次回、別のLAPRASメンバーのキャリアをお届けできればと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今後もLAPRAS BACKBONEで発信を続けていきますので、是非アカウントのフォローや記事への「いいね」をよろしくお願いします。
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