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終わりの話をしよう。

19歳、すごく好きな人がいた。
寒いから駅まで走ろうよって
手を繋いで一緒に改札を駆け抜ける。
すごく楽しくて幸せ!全力で若さ!
あなたとなら何でもできる!
所謂、盲目で燃え上がるような若くて青い恋だった。

私は自分のことを
パフェの上の部分だけ食べるような女だと
皮肉っていうことがある。
※実際のパフェは絶対届かないだろっていう
器の底にスプーンカツカツいわせながら食べる。
恋愛どまり、彼女どまり、まさにそうだと思う。

遅かれ早かれもう別れるぞ。
そういう空気感がわかってしまう。
男の人って意外とそれに気付けないというか
惰性でそのまま付き合えてしまうからすごいよね。
好きな人ができたら別れようとか
そこが区切りとでも思ってるんだろうか。
(当時大学生の男への偏見)

02/08 tue 13°

すごく暖かい人。この表現が一番似合ってそう。
優しくて、暖かい雰囲気のある笑い方をする。
最近見なくなってしまったな。
あの笑い方とその時の気持ちを忘れないでほしい。
本当は独り占めしていたかったですが。
いつか私に戻ってきてくれないかな。なんてね。

終わりの話をしよう。

あなたのいなくなった朝は何も変わらない。
たくさんの約束と大事にしていた日が
失くなってしまったことに唖然とするかもしれない。
LINEから遠のいてしまうかも。
アイコンと一言は変わってしまうだろうな。
インスタやTwitterの私の投稿は消されていて、
そこらじゅうに置いてある思い出のもの。
水族館で撮った写真、ビッくらポンのキーホルダー
ノートの切れ端で書いてくれたメッセージ
お祭りで取ってくれた景品、写真フォルダの画像とか、
見る気にも捨てる気にもなれないだろうな。
SNSで検索しちゃうかもしれない。
彼氏の最寄駅の急速な下車率低下。
ばったり会えないか期待してしまう私。
一緒に来たかった、したかった出来事への遭遇率。
、、、

こんなところだろうか。
今も予想通り期待外れのLINEが短文で返ってきている。
つまらない連絡をいつまでも取り合っている。
価値観が合わないなんて言葉嫌いだな。
当たり前のことをもっともらしく言いたくないな。

03/08 wed 11°

寒すぎて、悲しすぎて、
私はどっちで震えているんだろう。
また改めて付き合おうって仲直りのお菓子でも
買っていこうかなんて昨日の夜まで考えていたのに
もう終わりの予感がしていた。
会う約束の時間まで少しあるから
存分に思い出に浸ろうと思った。
一駅分、back number聴きながら
よく来た道でよく来た場所を通って歩いた。
back number聴くのはフライングな気がする。
駅までの道、分からないって思ってたのに
思い出がたくさんありすぎて、辿っていたら
着いてしまったことがより一層悲しくさせる。
最上階からよく見ていたこの景色が
変わらないでほしい。
せめて変わらない何かがあってほしい。
YUKIの"うれしくって抱き合うよ"が気分だった。
約束の時間、珍しく真面目な顔したあなたがいた。
絶対に泣かないって決めて来た。
最後は笑えてた、私、ちゃんと笑えてたでしょ?
泣いてたあなたを抱きしめる余裕すらあった。
初めて見た、あなたも泣いたりするんだ。
花壇に植えてあるパンジーとストックが鮮やかで
もうすぐ春だなって落ち着いた。
あなたの手に手を置いて繋いだ時、緊張した。
今まで何の気なしに繋いでいた手。
もう終わるんだ、他人になろうとしてるんだって。
彼氏「○○と付き合えて__
って聞いた瞬間、終わりの言葉だ。
もうこれ以上言わないでほしいって思った。
終わりたくない、これで良かった、
両極の気持ちを飲み込んで聞いていた。
あなたの記憶の中に笑顔の私だけ残りますように。
「じゃあね」って言って別れた。
振り返って駅まで歩くけど、
涙は出てないのに肩が震えて息が上手くできない。
ちょっとでも気を抜いたら過呼吸になるくらい
泣き崩れてしまっていただろうな。

25歳になったら結婚しようって
馬鹿みたいだけど、馬鹿だけど、
本気で言ってた、思ってた。
絶対もずっともあるような気すらしてた。
それくらい想える人に出会えて良かったな。

25歳の私、私のことを愛せていますか。
誰かを見返り求めずに愛せていますか。

(02/08.03/08.19歳の時の日記より)

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