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帳尻を合わせる:海嘯×巌窟王オリジナル・サウンドトラックより

らむです。今日は夕方の合間に走ってきました。今、私にとって走る時の大まかなペースの目安は、コンディション次第ではありますが、大体10km走る時は、1時間以内に帰ってくる。他の予定にも影響してしまうので、そのくらいのタイムで走ることを目標にしています。今日の前半は身体が少し重めだったのですが、後半にペースを上げて、何とか巻き返して、1時間以内に走り切ることができました。少しずつ、こういったペース配分などで自分の走りを調整して、デザインしていくことも、楽しめるようになってきました。

今日は雲が多く、日没を見れませんでしたが、
空が淡い赤に染まり、徐々に景色を変えていく。
そんな空模様に癒されました。

昨日に引き続き、今日も好きな音楽の紹介へ。アニメ巌窟王のオリジナル・サウンドトラックより「海嘯」について、自分の観点なども織り交ぜ、綴っていきます。

アニメ巌窟王のBGMとして流れていて、ある決闘のシーンで採用されていました。アルベールとフランツの友情、伯爵の葛藤を抱えながらも決闘を断行するシーンはとても胸が締め付けられました。初めて聴いた時から、私は強く惹かれて、オリジナルサウンドトラックを購入。今でも様々なシチュエーションで沢山聴いている大好きな曲の一つです。

厳かで静かな曲調からスタートし、ピアノもしくはハープのように感じられるような、高音の単音が主音として強調されていきます。落ち着いた曲調から、次第に疾走感も感じられるように変化していきます。強くて激しい感情のうねりをタイトルの「海嘯」に例えて、表現しているのではないか、私はそのように捉えています。また、復讐という使命に取り憑かれ、断行すると決意しながらも、どこかその道に葛藤を抱いているような、伯爵の心情を表しているようにも感じられます。

切なくも力強い曲調が、気持ちを落ち着けてくれることもあれば、静かに炎が燃えるようなやる気や感情を起こさせてくれます。そのため、私は黙々と行うタイプの作業時や、一人で何か考え事をしたい時、突発的なトラブルに陥って冷静になりたい時など、多くの場面でこの曲に助けてもらってきました。今日のランニングでも、後半の巻き返しをする際に力をいただきました。

また、この曲の素敵なところは、私の主観でございますが、様々な別作品の巌窟王のイメージにもとても合うのです。私はアニメの巌窟王を見る前に、原作となるモンテ・クリスト伯を読んだことがあります。大好きな作品の一つです。

アニメは近未来的な世界観で作られており、復讐というテーマは共通といえど、原作とはとても異なる作品です。原作のモンテ・クリスト伯は、現実世界の19世紀前半を舞台とした物語なのですが、私にとってはこの曲を聴いて十分に原作の世界観にも照らし合わせて、イメージして感情移入ができるのです。

合わせて、Fate/Grand Order(以下FGO)というスマホゲームも数年前までは、とてもハマってプレイをしていました。そこにも星5キャラとして、巌窟王エドモン・ダンテスが登場します。彼とのFGO内のストーリーを進めていく上で、この海嘯をBGMと流したとしても、私にとっては上手くイメージが融和して、最高にかっこいい、しっくりくる組み合わせに感じられています。

そんな魅力に加えて、巌窟王が「復讐」を主テーマとした作品であるためか、「辻褄を合わせる」「帳尻を合わせる」「幸せを掴み取る」などのワードが私には浮かび上がってきます。

ここでは原作の伯爵を取り上げますが、伯爵は監獄のシャトー・ディフに無罪のまま14年間放り込まれて、その間に愛する人を奪われ、伯爵を嵌めた人間は軒並み伯爵の監獄入りをダシにして成り上がりを遂げる。そんな凄惨な過去があり、復讐心に駆られ、苛まれながらも、用意周到に復讐を断行していく。私は特定の誰かへの強い復讐心をあまり抱きはしませんでしたが、そんな負の感情を抱えた伯爵の姿に自分を重ねてみたりすることがあります。

復讐ではありませんし、自分の感じた苦労は、伯爵に比べたら小さなものではあります。それでも世の中の不条理さや不公平さに対して、負の様々な感情が強く絡み合い、激しく渦巻いて、感情が溢れ出て涙が止まらなくなったり、行き場のない怒りのようなものが胸を締め付けて、誰にも悟られないように痛み続ける。そんな経験をすることもありました。
だからこそ、そんだけ苦しんだ分、帳尻を合わせたくなる。あの時の苦しみや痛みに意味を与えたくなる。幸せを掴み取らないといけない。じゃないと辻褄が合わないじゃないか。そんな風に思いながら、その感情をエネルギーに変えて歩み進んだ自分がいます。

もちろん今は穏やかな気持ちで過ごせている自分がいますが、人には負の感情から生まれる強い爆発力があって、私はそのおかげで今まで少なからず、やってこれたとも思っています。マイナスな気持ちから生まれる力を使うことが正しいことなのかどうか、人それぞれなのかもしれませんが、私は伯爵の抱いていたような感情とそこから生まれる力を、これからも時には借りて、辛抱強く色んなことを乗り越えていきたいと思っています。帳尻を合わせるために。

待て、しかして希望せよ。

モンテ・クリスト伯より引用

海嘯は私にとって、多くの場面において力をくれ、時には冷静さを取り戻させてくれる、大切な一曲です。

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