見出し画像

振り返ると、あれは全身全霊や全力と言える経験だったのかもしれない:WE WILL×JASS

らむです。

今日は午後からゆったりめに時間を確保して、約1時間程度走りました。風は穏やかで、快晴。ここ最近の中では断トツの良い環境でランニング時間を過ごせました。

富士山も今日はいつもより比較的良く見えて、
前半の折り返し地点まで、
ずっと眺めて走ってました。

昨日に引き続き、今日も好きな音楽の紹介へ。JASS(※)の「WE WILL」を自分の過去の経験談なども織り交ぜて、綴っていきます。

※JASSはアニメ映画のBLUE GIANTの主人公達で結成されるジャズトリオの名前です。作曲・演奏などは上原ひとみさん、馬場智章さん、石若駿さんが手がけております。

アニメ映画BLUE GIANTの終盤で流れた曲であり、サックスとドラムのデュオで演奏されています。私はBLUE GIANTの原作を読む前に、映画を先に見ました。とても感動して、その勢いで映画のストーリーまでの原作漫画を購入、一気読みしたのを覚えています。

映画を見て、とても気に入り、
レコードを模倣した映画パンフレットと、
原作漫画を買いました。

切ないメロディの箇所もあれば、とても激しさを感じられるパートもあって、緩急をとても感じられる曲と捉えています。こういうのがジャズなのかなと、そんなことを考えたりして。加えて、映画で見た大と玉田の演奏をしているシーンが、何度も自身の目の裏あたりで蘇る感じがして、目頭が熱くなるような感覚に今でもたまになったり、心がぎゅっと掴まれるような感じになる。そのくらい感情が揺さぶられる映像と音楽の組み合わせだったなと思っています。

今日のランニングでも中盤あたりで聴いたのですが、この曲を演奏した主人公の大と玉田のように、自分ももう少し頑張ろうって、そんな気持ちにさせてもらい、良い走りができました。

また、WE WILLを聴くと、彼らの姿やストーリーによる影響もあり、「覚悟」、「全身全霊」「全力」など、、、そういったワードが私には思い浮かびます。


「覚悟」をして、「全身全霊」、「全力」で取り組んだこと。

スマートに綺麗に言えるものはない。ただ、覚悟をする余裕もなく、瞬時に腹を括らなければならなくなって、それでも無我夢中に泥臭く取り組んだことならある。社会人2年目あたりからそんな経験をした。

大学卒業後は医療系のメーカーに入社して、営業職として配属された。全国転勤が決まっており、私は半年の研修後、東海地方へ配属されることになった。私は都道府県の1つを担当することになり、そのエリアは2つ年次が上の先輩と転職してきたばかりの方の2名が既に担当をしていた。転職してきたばかりの方が担当を外れて、代わりに私が担当することになった。2つ年次が上の先輩はまだ3年目という若さでありながら、相当できる営業マンだった。売上のノルマは毎回達成、顧客からの信頼も厚く、とても可愛がられていた。おまけにとても優しくて、何でも相談できそうな人柄だった。そんな先輩とこれから2人で1つの県を持つことになると思うと、私は本当に恵まれた環境でキャリアをスタートできる、幸先がいいぞ。そんなことを思っていた。

入社して1年目がまもなく終わる3月初旬。先輩の異動が発表された。優秀すぎたため、攻略が困難とされているエリアのエース営業として抜擢されたのだ。先輩の代わりとなる社員の補充はなし。私は一人で一つの県を担当しなければいけなくなった。先輩の栄転は喜ばしいことなのだが、私は際限のない不安に襲われた。

先輩が見ていた半分のエリアを急に私がやることになる。1ヶ月の引き継ぎ期間はあるが、ちゃんと全て引き継ぎきれるか、顧客特性に合わせた対応がスムーズに行えるか、これまで先輩が育ててきた市場を守り切れるのか、そこからさらに市場シェアを伸ばしていけるのか。県の半分を見るだけで一杯一杯の今の私にそんなことできるのか。異動の話を聞いた3月初旬から引き継ぎ期間の1ヶ月、頭の中はそんな不安がずっとぐるぐる、まるでメリーゴーランドのように回りに回り続けていた。

4月になり2年目がスタートした。案の定、私のぐるぐるな不安は的中して、様々な問題として次々と目の前に現れた。顧客は「〇〇さん(先輩)だったから話を聞いていた」、「〇〇さん(先輩)はもっとこうしてくれたのに」「〇〇さん(先輩)じゃないと買わない」、そのような本音を私にぶつけてきた。他社もこの機を逃さない。私が一人になったことを嗅ぎつけて、複数人の人材を投入して顧客への手厚いフォロー及び営業をしてきた。そうやって少しづつ自社の市場シェアが奪われそうになっていき、大型商談も他社に取られかねない状況になっていった。

本当にどうしたものか。その時の上司は私が担当している県が遠方エリアにあたることもあり、なかなかサポートにきてくれなかった、そもそも質の高いサポートをしてもらえるか不安になるタイプだった。

私は少しパニックになっていた
誰の助けも得られず、どうしよう、どうしようって。

ただ、唇を噛むほどの感情が生まれて、私の中心で渦巻いていた。
悔しい。自分の可能性を信じたい。
奪われたくない。先輩が築き上げたものを自分が台無しにしたくない。
見返したい。こんな環境でも何とか乗り越えたって。

負の感情ではあるが、そういった気持ちが私を冷静にさせて、立ち直らせてくれた。

立ち直ってからは、仕事に全集中できた。

遠方の県だったので、少しでも顧客先へいつでも足を運べるように、家に帰るのは休みの週末だけにした。月火水木金の5日分のYシャツと下着、スーツを3着持って、あとは担当する県の顧客先に近いホテルで宿泊をした。その県の東西南北を車で駆け回り、とにかく先輩よりも私自身を認知して、存在の上書きをしてもらえるように、とにかく顧客とのタッチ数を増やした。電話がかかったら運転中でもハンズフリーで対応して、深夜の緊急対応にも応じた。人情だけでなく、県全体を俯瞰して、効率的な営業方法や、各医療機関のニーズに沿った提案ができるように徹底的に情報収集して、分析して、営業活動のトライアンドエラーを繰り返した。
コロナ禍では、顧客先で県跨ぎをする営業の訪問が禁止された。禁止されたとはいえ、現場は回り続ける。自社製品を使ってトラブルや困ることがないように、いつでもフォローができるようにするために、数ヶ月間、自分の家に帰らなかった。

そんな仕事に全集中な生活を3年間送ってやっと、顧客に「らむさん」「らむさんだから」「らむさんじゃないと」、そういってもらえることができるようになった。

あの時はただただ無我夢中だったけど、こうして今振り返ると、あれは「全身全霊」もしくは「全力」で「覚悟」を決めて取り組んだ日々だったのではないかと思う。


WE WILLは曲名通り、これから何かをする、そんな意志を持っているように感じています。改めて覚悟を決めて全力で何かを取り組んだりすることの美しさや尊さを再認識させてくれた、私にとって大切な一曲です。

いいなと思ったら応援しよう!