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いつの日か私も誰かに届けたい:FOR REAL×徳山秀典
らむです。週末が始まりましたね!今日はお昼に走りに行きました。寒いことに変わりはないのですが、今日はいつもより少し寒さが和らいだような感じがしました。風も穏やかだったので、最高に気持ちの良い走りができました。
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でっかい雲が浮かんでいたので、
しばらくずっと眺めて走ってました。
天空の城ラピュタはあのくらいの大きさかな。
そんなことも途中で考えてました。
昨日に引き続き、今日も好きな音楽の紹介へ。徳山秀典さんが歌う「FOR REAL」について、自分の観点なども織り交ぜ、綴っていきます。
「FOR REAL」はアニメ「幻想魔伝 最遊記」のオープニング曲で流れていました。「幻想魔伝 最遊記」がテレビで放送されていた時、私は小学校低学年でした。当時は、めっちゃイケメンのお兄さんたちが旅に出ていて、自分も少し大人になった気分になれる作品と感じていたのを覚えています。
オープニングがとてもかっこよくて、弟と誰が一番好き?みたいなやりとりをよくしていました。いつも八戒で被って、言い合いになり、取っ組み合いになったりして。「FOR REAL」を聴くと、そんな懐かしい記憶もよみがえってきます。
「FOR REAL」は、何といっても徳山秀典さんの歌声が素敵です。聴き手へ歌に込められた思いをしっかり伝えようとしているような、もしくは思いを強く訴えかけるような歌声と捉えています。
そして、その強い気持ちのこもったクールな歌声で、とても心に刺さる歌詞が、聴き手のもとへ運ばれてきます。作詞は黒沢健一さんが手がけたとのことです。
何かを始めようとしているけど一歩が踏み出せない人、すでに挑戦中であるが、立ち止まってしまっている人、厳しい現状にひとり向き合っている人達へ。掴んだ現実=自分が選んだ道を信じて進もうといったメッセージと共に、寄り添い、励まし、また走り出す力を与えてくれる、そんな歌詞だと私は捉えています。
私にとって「FOR REAL」との出会いは、小学校低学年でしたが、出会ってから、ずっと聴いていたわけではありません。大人になって、改めて再会することができた一曲です。
私は現在、関東に住んでいますが、大学卒業後は、営業の仕事をするために5年くらい愛知県に住んでいたことがありました。
その約5年間は、非常に仕事が忙しかったので、なかなか頻繁に実家や地元に帰れていませんでした。GWやお盆休みは、何だかんだ仕事で片足浸かってしまっているような、休みなのか勤務日なのか線引きがよく分からない状況でした。そのため、大体は年に一回のペースで、年末年始に実家や地元に顔を出すことにしていました。
一年に一度となると、それなりに新鮮な気持ちで、家族や友人達と会うことができるものです。だけど、たまにしか会えないからこそ、大切な人達だからこそ、楽しい時間にしたい。
年末年始以外の、遠くの地でひとり過ごす、誰も知らない、およそ355/365日のうちにあった苦しいことや辛いこと。唇を噛むほど悔しかったこと。心が壊れてしまいそうなほどの悲しみ。それらは心の奥底にしまっておいて、せっかくのひと時を、笑いにあふれ、温かなものにしたい。
そんな心持ちでいつも帰郷していました。でも、一番しんどかった時の年末年始、私は疲れにつかれていました。体というよりも心のほうが。
その年の年末は、まず実家に軽く顔を出し、荷物を置いて、地元の友人達に会いに行きました。
友人達と居酒屋を数件飲み渡り、近況報告をしあったり、昔話に花を咲かせたり。長期休暇の際に、多くの人にとっても経験のある、よくあるような過ごし方です。
私は遠方で働いていて、めったに顔を出さなかったので、当時はレアキャラ扱いをよくされていました。そのため、仕事・プライベート問わず、質問攻めにあうことが、他の人よりも比較的多かった気がします。
私への質問に対しては、その場ではなるべくポジティブな答えを、ネガティブな結果のものに対しても、なるべくユーモアを添えて。そんな受け答えをして、その場をしのいでました。
居酒屋の後は、みんな酔いも良い感じに回ってきて、テンションも上がっていたので、カラオケ屋さんへ行くことになりました。明るい選曲が連続して、タンバリンやマラカスの合いの手が沢山響いてました。
お酒も、さっきまであんなに飲んでたのに、誰かが飲み放題コースなんてものを選んじゃったから、じゃんじゃん運ばれてきます。もちろんみんな元気よく飲んでいきます。
その結果、最後には酒の強いメンバーだけが正気を保っていて、ようやく、しっぽりとした状況になりました。私もなんとか生き残っていました。
先ほどの明るい選曲とは対照的に、少し落ち着いた曲運びが進みました。懐かしい曲を選んで、みんなでしんみりしたり、その時に放送されていた、ドラマで流れていた曲に共感したり。そんな時間が閉店までの残り一時間あたりで続いてました。
そんな雰囲気の中、ある一人の友人が、
「この曲をらむのために歌うよ」
そういって歌ってくれたのが、「FOR REAL」でした。
丁寧に、熱を込めて、私を励ますように。
酔いが回っていたためか、歌詞を間違えたり、間奏後の歌い始めるタイミングがズレてしまっていましたが、それでも心が大きく動かされるものがありました。
自分ではそんなつもりはなかったのですが、きっと今回の帰郷で、いつも通り振る舞っていたとしても。その友人は私の心をいくばくか感じ取っていたのかもしれないです。私が無理をしていたことを。
人前で涙をながすことなんて、めったにないのですが、この曲を久しぶりに聴いた懐かしさと、離れていても私の味方だよと、この曲を通じて伝えてくれているような気がして。
私は歌詞の流れる画面と、その横で立ちながら、一生懸命に歌う友人の姿を視界に収めながら、あふれる涙を拭うことなく、最後まで目に焼き付けました。途中からピントがひどくぼやけてしまいましたが、忘れられないワンシーンとなって、今でも私の頭の中で残っています。
それから私の音楽のプレイリストには、「FOR REAL」が加わることになりました。今日のランニングでも聴いて、あの頃ひとりで、もがきながらも選んだ道を進んでいた自分と、そんな自分を遠くにいても、応援してくれていた友人の姿を思い出して、走りきる力をいただけました。
そして聴くだけでなく、私は、「FOR REAL」をカラオケでよく歌うようになりました。歌うのは得意な方じゃないのですが、私もいつの日か、あの頃の私のような思いを持っている誰かに、この曲を歌ってあげて、励ましてあげられたら嬉しいな。そんなことを思っています。
「FOR REAL」は、掴んだ現実=自分が選んだ道を信じて進もうといったメッセージと共に、寄り添い、励まし、また走り出す力を与えてくれ、昔の友人の優しさを思い出させてくれる、私にとって大切な一曲です。