見出し画像

相反する感情を携えて:表裏一体×ゆず

らむです。今日は体調が良かったので、1時間弱のランニングをしました。曇り空で日差しが少ない分、寒さをいつもより感じましたが、走り出してからは身体も温まり、気持ちの良い走りができました。

曇り空でしたが、
合間に見える空や、雲の濃淡が綺麗で、
こういう日も良いなと感じました。

昨日に引き続き、今日も好きな音楽の紹介へ。ゆずのお二人が歌う「表裏一体」について、自分の観点なども織り交ぜ、綴っていきます。

アニメHUNTER×HUNTERのエンディング曲として流れていました。私にとって、HUNTER×HUNTERはアニメや漫画の中で好きな作品の中で上位に必ず来るものです。特に表裏一体が流れていた、キメラアント編と言われているシーズンが一番好きで、今でもこの曲を聴くと様々な名シーンを思い出します。キメラアントは食した生物の特性を次世代に反映させることができる蟻のことで、そのキメラアントが進化していき、人類と対峙する、大枠はそんなストーリーになっています。HUNTER×HUNTERの中では、かなりダークに感じるストーリー部分なのですが、その分、非常に深みのある物語となっていると私は感じています。蟻の王メルエムがコムギとの出会いにより知る人間の強さや愛。カイトとの出会いからネフェルピトーとの決着までのゴンの心の変化、それを見守り無力感を覚えるキルア。ネテロ会長の感謝の正拳突き、、、他にも沢山あるのですが、心が動かされるシーンが次から次へと出てきて、何度も考えさせられて、感動したのを覚えています。

表裏一体は、とてもテンポの良いリズム感の曲なのですが、同時にどこか切なさも感じられる、曲名通り二つの顔を持っているけど、それが絶妙に融合している、表現が難しいのですが、私にはそのように感じられます。歌詞もとても深みがあります。蟻の王メルエムに芽生え始める、至高の王が抱えることのない人間の感情。いつも無邪気で明るくて決して闇を見せない、主人公のゴンがキメラアント編で抱える、行き場のない負の感情とその爆発。そういったシーンをまるで表現しているような気がして、本当にアニメのストーリーとこれ以上にないほどにマッチしている素晴らしい曲だなと思っています。毎回のエンディングへの曲の入り方も絶妙なので、もし興味がある方がいたら、見ていただきたいなと思うくらいです。

今日のランニングでもこの曲を聴いて、良いテンポ感で足を次々と前へ踏み出すのを後押ししてくれました。合わせて、私はこの曲を聴くと、いつも「葛藤」「ジレンマ」「相反する感情」などのワードが思い浮かび、そういった問題に向き合うスイッチが入る気がしています。

人生、生きていると、様々なタイミングで、色々な葛藤を抱えることがあるかと思います。抱えた「葛藤」により、「相反する感情」が生まれて、「ジレンマ」が引き起こされていく。

私にもこれまで少なからず、そんな経験がありました。特に医療系メーカーの営業職として働いていたときが、最も強く、そういった相反する感情を抱える経験をしたと思っています。

医療は人々を「負」から「正」の状態に変えられる。

多くの業界は人の生活を「正」=プラスの状態から、さらにプラスに改善していく。それもとても素晴らしいことなのですが、人々を痛みや苦しみのマイナスな状態から、ゼロないしは元気なプラスの状態にすることができる。医療業界にはそういった魅力を感じて、私は医療系メーカーに入社しました。

実際に現場に出始めて、私の気持ちと選んだ道は、間違っていなかったと思っています。自社の製品が目の前の医療現場で使われて、人の命を救うのに役立っていること。会社の看板を背負った私でありましたが、その私に感謝をしてくれるお客様も沢山いました。そんな環境であったため、やりがいをとても感じられて、どうすればお客様の役に立てるか、必死に考えて働いていたのを覚えています。

しかし、良い面だけではありません。私は一会社の人間であり、顧客への「貢献」だけでなく、自社の「利益」も追求していかなければいけません。大きな視点になりますが、製品を売らなければ、会社は維持できないし、さらに顧客に求められる質の高い製品の開発費用も確保できなくなってしまいます。そうならないために目標、いわゆるKPIといった指標や、売上・利益金額のノルマが営業には課せられます。

目標が達成できない場合は、給料や昇進に直結し、時には上司から厳しい追求を受けることがあります。自分の生活や自社のためにも、頑張らなきゃいけない。どの業界でも当たり前にあることかもしれませんが、私にもそういった貢献と利益の板挟みになり、葛藤を抱えて、相反する感情が生まれることもありました。

自社の利益のため、そして自分のノルマのため、今のタイミングでこの製品は売っておきたい。もし売ることができれば、今期はノルマを達成して、自身の評価もボーナスも上がる。もし売れなければ、厳しい追求を受けて、懐も寂しくなる。

ただ本当に、今このタイミングで自社の製品は現場に必要なのだろうか。顧客にとっては、他社製品の方がニーズを満たすことができるのではないか。全ての商談に対して、こういった例が当てはまるわけではないですが、往々にして出くわすシチュエーションです。特に医療に関わる製品であったため、より人の命に直結しやすい。医療への強い想いがあるゆえに、私はより一層、自身や会社のためだけに製品を売ることに抵抗を感じることがありました。

それでも選択をしなくちゃいけない。顧客のため、会社のため、そして自分のため。どんな提案、行動、アプローチ方法が、自身を含む、なるべく全てのステークホルダーの満足いく選択になりえるか。一番愛のある、優しさのある選択は。動く前に、こうしたことを考えることに相当な時間を費やして、最善の手を打つため真剣になっていたのを覚えています。

自身が真剣に考えた選択が最善だったのかは、結果を見てみないとわからない。それでも葛藤を抱えて、相反する感情を感じながらも、時間の許す限り、考えて考え抜くこと。辛かったり、エネルギーを使う営みではありましたが、表裏一体を聴いて、それこそが人生の醍醐味というか、味わう価値のある何かだと信じて、目の前の問題に向き合う力をもらっていたことがあります。

人生において、相反する感情を持つ何かに出会うことは、当然のことであり、これからも私はそれを味わい尽くしながら、前に進んでいきたい。そんな勇気をくれる、私にとって大切な一曲です。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集