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孤独を打ち消し、ひとりでも舞い踊れる:私とワルツを×鬼束ちひろ
らむです。今日は夕方に走りに行きました。しかし、ナイキランクラブのアプリで、走った記録が上手くできなくて、ちょっとだけしゅんとしました。走りそのものは、とても気持ちよかったです。久しぶりに時間を多めにとって、ゆったり走ることができました。
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ずっとくるくるしてしまうことが、
月に1〜2回あるので、
記録回りを少し見直していこうと思いました。
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少し波打ち際も歩きました。
小鳥さんが、
沢山パタパタと走っているのが、
可愛いくて癒されました。
昨日に引き続き、今日も好きな音楽の紹介へ。鬼束ちひろさんの「私とワルツを」について、自分の観点なども織り交ぜ、綴っていきます。
「私とワルツを」は、テレビドラマ「トリック」のエンディング曲で流れていた曲です。しかし、私はその頃にトリックは見ていなくて、別の形でこの曲と出会いました。
小学生の頃、家庭で色々と問題があって、一時期、自分の家に帰れなくなってしまったことがあります。学校にも行けない期間がありました。
自分の家の代わりに、母方のおじいちゃんとおばあちゃん家でしばらく寝食をしていました。すでに祖父と祖母は他界していたため、私含む兄弟だけでその家で暮らすという、少し不思議な期間を過ごしたことがあります。
もちろん大人の支えが全くなかったわけではありません。祖父母の家での生活期間、叔母が私たちの面倒を見てくれていました。自身の仕事や生活がある中、夜に顔を出し、私たちのサポートを沢山してくれました。
その家は、18畳くらいの大きな居間があって、個室が一階と二階を合わせて、5部屋ある非常に立派なものでした。しかしながら、その土地を売り、取り壊す予定になっていたので、管理が行き届いていなくて、ほこりが歩くだけでふわっと舞い上がるような状態でした。
でも、住めば都とはまさにこのこと。私たち兄弟はそれぞれの部屋を決めて、大掃除を決行。ほんの数ヶ月の期間でしたが、初めて自分たちの部屋を手に入れる。隠れ家や秘密基地みたいで少しだけ心が躍った。そんな経験をできた、忘れられない祖父母の家でした。
私たちの隠れ家はとても静かでした。テレビはなく、周りは雑木林だけ。そして、唯一の娯楽はMDプレーヤー1台だけでした。
母がこの生活になる前に渡してくれた、MDプレーヤー。ディスクは3枚。その3枚のうち、オレンジ色をした1枚のMDの中に「私とワルツを」が入っていたのです。
他にも色々なアーティストの曲が入っていました。きっと何が好きなのかが分からないから、レンタルCD屋さんでその頃に流行っていた曲を借りて、MDに入れられるだけ入れてくれたのだと思います。
MDプレーヤーは1台のみ。兄弟で取り合いになるのは、当然の帰結です。私は、その生活をしていた兄弟の中では一番年上だったので、しぶしぶ我慢していました。
でも、みんなが寝静まった夜に、存分にMDプレーヤーで音楽を聴く時間を堪能しました。
ひとりで「私とワルツを」何度も聴きました。目を閉じながら、カーテンのかけられていない窓からうっすらと、月明かりが感じられる、何もない私だけの部屋で、曲に合わせて舞い踊りました。
苦しい状況にいる暗闇の中の「あなた」=「私」に対して、誰かが優しく手を差し伸べてくれるようなイメージが頭の中に浮かんできます。そして手を取り、その誰かが光のあたる場所へ引き出してくれて、一緒に舞い踊るような。そんな光景が駆け巡ってきます。
兄弟はいたけど、色々年上として判断をしなきゃいけないこともあり、孤独を感じていた私にとって、この曲はとても響きました。自分や孤独を感じている人たちのために歌われているような気がしたのです。
ひとりだけど孤独じゃない。こんな私のような人のための音楽があり、歌ったり、奏でたりしてくれている人がいるのだから。この曲を聴いて、ただの思い込みかもしれませんが、そんなふうに思えるようになって、その後の私の価値観にも大きく影響を与えてくれたと思っています。
「私とワルツを」は、ひとりでも温かな音楽があれば、孤独を打ち消し、舞い踊れる。そんなふうに思わせてくれて、私を支えてくれた大切な一曲です。