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両親の姿から始まる私の家族の在り方
育児中の忙しさと、心の余裕を失う日々で
育児が始まると、仕事、家事、育児、やるべきことが次々に押し寄せてきます。自分の時間はほとんどなくなり、心の余裕もどんどん削られていきました。子どもは言うことを聞かなかったり、思い通りにいかないことが増えるたびにイライラし、小さなことで感情的になってしまうこともありました。
心の余裕とは、感情をコントロールできる冷静さや、物事を柔軟に受け止める力のこと。その余裕がないと、自分の言動にも反省する瞬間が増え、周囲の空気にも悪い影響を与えてしまうのだと痛感しました。
夫婦喧嘩で気づいたことーー同じことを繰り返していた私
育児や家事に追われ、心の余裕がなくなったある日、ついに夫婦喧嘩を子どもの前でしてしまったことがありました。感情的になり、言い合いをする私たちを、子どもたちは怯えた表情でじっと見ていました。その顔を見た瞬間、胸が締め付けられるような思いがしました。
その時、私は気づきました。「ああ、同じことをしている!」と。幼い頃、両親の喧嘩を見て傷ついていた私が、今度は自分が子どもたちに同じ思いをさせていると気づいたのです。
両親の喧嘩を思い出し気づいたこと
この出来事をきっかけに、両親のことを思い返しました。もしあの時、両親がもっとお互いの気持ちを言葉で伝え合えていたら、あれほど喧嘩が絶えない家庭ではなかったのではないか。感情をぶつけあうのではなく、話し合うことができていれば、家庭の空気ももっと穏やかだったかもしれないーーそう思うようになりました。
両親ができなかったことを、自分の家庭では実現したい…..。そう考えるようになりました。
「思っていることを素直に話す」ことを意識し始めました。
言葉にしないまま感情を溜め込むと、いつか爆発し、相手を傷つけてしまいます。だからこそ、「今こう思っている」「こんなことが辛い」と素直に伝えることを大事にしています。
負の感情を溜めず、寄り添う家族へ
家族と暮らす中で、負の感情を溜め込まず、自分の気持ちを伝える大切さを感じるようになりました。以前の私は、言いたいことを飲み込んでしまったり、気を使いすぎて自分の感情を押し殺してしまうことが多くありました。でも、それは本当の意味で家族と向き合えていないことに気づいたのです。
自分の気持ちを伝えることは、衝突を恐れるのではなく、信頼を築く第一歩だと思います。最初は「こうしてほしい」「これが辛い」と伝えるのは難しかったですが、少しずつ言葉にするようにしてから、家族との関係が変わり始めました。お互いの気持ちを話しあえるようになると、信頼が深まり、家族の中に温かさが生まれるのを実感しています。
被害者にも加害者にもならないために
家族や人間関係の中で、知らず知らずのうちに相手を傷つけたり、逆に傷つけられたりすることがあります。誰もが被害者にも加害者にもなりうるから、自分の気持ちを伝え、誤解や衝突を防ぎ、心の距離も縮まります。
それは、家族に限らず、どんな人間関係も当てはまることだと思います。
信頼関係を築くには、お互いが安心して気持ちを表現できる場を作ることが何よりも重要です。
「ありがとう」の力ーー感謝すること
寄り添う家族を意識するようになってから、自然と「感謝すること」の大切さに気づきました。
例えば、夫が食器を片付けてくれた時、仕事で忙しい中、子どもの送迎をしてくれた時など「それくらい当然」と思っていましたが、今は「ありがとう」と伝えるようにしています。
家族との日々の中で、何気ない行動や出来事が「当たり前」ではないと気づき、その一つひとつに感謝を伝えることが、家族の雰囲気を明るくし、私自身の心も穏やかにしてくれると実感しています。「すみません」より「ありがとう」と伝えるように今は意識しています。
「ありがとう」という言葉には、大きな力があるのだと思います。
両親の姿から学び、自己探究へと繋がる気づき
幼い頃、両親の喧嘩を目にしながら、「どうしてもっとお互いの気持ちを伝え合えなかったのだろう」と感じていました。その経験が、家族との向き合い方や自分の感情を見つめるきっかけとなり、私の自己探究の原点になっています。
自己探究を進める中で、感情を溜め込まずに伝えることが、家族との絆を深めるだけではなく、自分自身の心と体を整えることにも繋がると気づきました。実際に気持ちを言葉にするとようになってから、心が軽くなり、体の不調も減っていったのを実感しています。
振り返れば、両親から学んだのは「どう生きたいか」「どう家族と関わりたいか」を問い続ける大切さです。両親の姿があったからこそ、今の私があり、家族を寄り添うことの大切さを知ることができました。
その意味では、両親には深く感謝しています。
ありがとうございました!Mahalo~