2025年の米国市場は、インフレと成長とのあいだで「アメ」と「ムチ」が目まぐるしく変わる展開になる(GS)
2024年12月23日公開のゴールドマン・サックスのポッドキャストのコンテンツを紹介します。
年末を迎える市場が12月のFOMCの結果をどう解釈し消化したのか、また2025年の利下げペースやインフレ率の見通しについての意見交換。また、過去2年を振り返っての2025年の市場見通しについて、その期待とリスクについて、ゴールドマン・サックスのメンバーが協議を行っている内容が紹介されています。ご参考下さい。
[主なサブテーマ]
第2フェーズに入ったFRBの政策と市場への影響
年初の市場の動きと中期的な市場の脆弱性
インフレ動向と経済見通し
2025年の焦点となる政策転換と市場変動
1. 対談
[トニー・パスクアリエロ](ゴールドマン・サックス)
マーケットやマクロの最新動向を解説する「The Breaks of the Game」へようこそ。本日はジョシュ・シフリン、そしてドム・ウィルソンと共に進行していきます。
ジョシュ、まずはあなたにお伺いしたいのですが、FRBについて話しましょう。市場の予想通り、25ベーシスポイントの利下げが実施されましたが、その後に少しタカ派的なサプライズがありましたね。前回お話したとき、1月の利下げ停止があり得ると予測していましたが、その見立ては正しそうですね。全体的に見て、今週のFRBの動きについて、どのように評価されていますか?
[ジョシュア・シフリン](ゴールドマン・サックス)
第一段階は完了したと思います。この3回のFOMCで合計100ベーシスポイントの利下げが行われましたが、これからは第二段階に移行すると思います。この第二段階では、より慎重で注意深い利下げサイクルになると考えています。まだ利下げサイクルが終わったとは思っていません。FRBはインフレのさらなる進展を見たいと考えているようですが、現時点ではインフレがやや停滞している感があります。それでもインフレ率が2%まで戻ってきたわけではなく、現在はおよそ2.75%です。FRBとしては、2%に向けたより具体的な進展が見えるまでは追加行動を控えると考えています。
また、経済が堅調であることがFRBに余裕を与えているので、大きな懸念はないようです。これにより、状況を慎重に見極める時間が持つことができています。さらに、FRBは「中立金利」という最終地点を正確に知っているわけではないので、その地点に近づくにつれて手探りをしながら進める必要があると感じています。
背景には、政策環境がどのように展開するかを見極めたいという意図もあり、そのため、少し様子を見て待ちながら、状況がどう進むのかを観察する段階になるのではないでしょうか。それが第二段階の進行方法だと思います。
[トニー・パスクアリエロ]
来年の利下げが何回になるか、また次の利下げがいつになるかを予想するとしたら、いかがでしょうか?
[ジョシュア・シフリン]
現時点では、FRBは少し時間を置くと思います。1月を飛ばして3月にすぐ再開する、というような流れにはならないのではないでしょうか。もう少し時間をかけて状況を見極めるのではないかと思います。ただ、労働市場が弱含んだり、失業率が急上昇するようなことがあれば話は変わりますが、それは私の基本シナリオではありません。経済は順調で、FRBは様子を見ながら慎重に進める、が私の基本シナリオです。
また来年の利下げ回数を予想すると、2回か3回が妥当な着地点に感じられます。最初の利下げは6月頃になるのではないでしょうか。また、FRBの先々の見通しを考える際に重要なのは、2026年春に新しいFRB議長が就任する可能性が非常に高いということです。2025年が進むにつれて、市場の関心もその次期議長が誰になるのか、またその人物がどのように政策を進めるのかに向かうでしょう。ただ、現時点で考えると、来年は夏以降から始まって、2~3回の利下げになると見ています。
[トニー・パスクアリエロ]
ドミニク、同じ質問をお聞きします。今週のFRBの動きについて、どのようにお考えですか?
[ドミニク・ウィルソン](ゴールドマン・サックス・リサーチ)
そうですね、大局的に見ると、今回のFRBの決定は理にかなっていると思います。利下げを実施しましたが、2ドット派にしっかり寄った姿勢は意外でした。9月時点で示唆していたよりもペースに慎重になり、大幅な緩和の必要性をあまり感じていないのは、ジョシュの話の通りで、それほど驚くべきことではないと思います。経済は好調でインフレ率は目標を上回っていますからね。
マーケットの反応を見ても、新たなタカ派的なスタンスを織り込んだ動きは理解できます。ただ、今年はマーケットもFRBも、インフレ懸念と景気後退懸念の間を行ったり来たりし過ぎた印象があります。一貫性に欠けると言いますか、船が左右に揺れ過ぎているような感じですね。今回のFOMCのメッセージの後は、インフレへの懸念が再び強まり、労働市場への懸念が弱まったというシフトが感じられました。パウエル議長の発言からも、9月との違いがはっきりと見て取れました。
9月の時点では景気後退への懸念が強過ぎたように思います。それを取り除き、2025年の緩和を織り込まない方向に進むのは理にかなっています。ただ、今回のFOMCを経て、現在の市場のプライシングでは、最終的に利下げが1回だけになるという見方に近づいています。この水準でのプライシングは、インフレがさらに落ち着く兆しや失業率や成長率の弱含みといったイベントに非常に脆弱だと思います。これまでは、リスクはショートサイドにあると簡単に言える状況が長く続いていましたが、今はその非対称性が明確ではなくなったように感じます。
ゴールドマン・サックスの予測では3回の利下げを来年に見込んでいますが、1回だけという予測に寄せていくのは、こうしたイベントが起きないことのリスクを多く取ることになります。但し、それらのイベントが起こる可能性は高いと見ています。
以前もお話ししましたが、少し面白いのは、FRBが基本的にマーケットの従来の見方に近づいたことです。数カ月前から市場はFRBが予想するより多くの緩和を見込んでいましたが、今回の動きでFRBもその市場の見方を認めた形になりました。
[ジョシュア・シフリン]
声明と記者会見だけを見ると、全体的に予想通りだったと言えますね。本当に驚いたのは、ドットプロットの部分でした。もしドットプロットがなければ、全体としてはもう少し平凡に感じられたかもしれません。
[ドミニク・ウィルソン]
また、反対意見が出たことで、2回の利下げが市場の予想としてしっかり固まった感がありますね。
[ジョシュア・シフリン]
そうですね。
[ドミニク・ウィルソン]
反対意見は、市場が2回から3回の利下げをドットで織り込んでいたことを意識したものだったと思います。しかし、今回のメッセージは明確に「2回」として、曖昧さはありませんでした。おっしゃる通り、それが少し意外だった部分ではありますが、一方で市場はすでにその方向性をある程度織り込んでいたようにも見えます。
[トニー・パスクアリエロ]
お聞きしたいのですが、インフレに関して予想ほど進展していないという現実を少し認めたようにも感じられました。この点について、今後どのような方向に向かうとお考えですか?
[ドミニク・ウィルソン]
おっしゃる通り、今回の動きは現実への譲歩のようなもので、これまでの状況を認識した結果だと思います。直近では良いデータが続いた一方で、少し高めの指標も出てきました。FRBとしては、こうした変動があるのは当然だと認めた形ですね。11月のデータでは良い結果が期待できるかもしれません。ただ、年末年始には季節性の影響が残るリスクがありますが、昨年ほど大きな影響はないと考えています。
基調的な圧力を見てみると、住宅や賃貸市場では冷却が進んでいるように感じます。全体的には、時間をかけて少しずつ改善していく道筋に乗っていると思います。労働市場も再均衡に向かっており、経済が堅調である一方で緩やかな軟化が続いているようです。こうした状況の中では、良いデータが出た月には楽観的になりすぎ、悪いデータが出た月には悲観的になりすぎるという、市場やFRBの反応が少し大げさに感じられることもあります。
私自身の見立てでは、インフレはゆっくりと時間をかけて低下する軌道にあると思います。夏の終わりに見られたペースが続くというのは楽観的すぎますし、コアインフレが3%に固定されるというのは悲観的すぎます。その中間で、少しずつ下向きに収束していくように感じます。
政策環境がこれを大きく変えるかどうかが大きな疑問点ですが、これを除外すると、インフレは冷却に向かう軌道上にあると思います。ただし、関税政策のような要因が急速かつ劇的に変化をもたらす可能性も否定できません。もっとも、それでも多くの場合、一時的な影響にとどまり、長期的なトレンドにはそれほど影響しないかもしれません。
一部では、インフレが再加速するリスクを指摘する声もありますが、現状ではそれを過度に重視する必要はないと考えます。成長リスクとインフレリスクのどちらが深刻か選ぶとしたら、私はどちらも高くはないものの、バランスとしては成長リスク側にやや傾いていると見ています。
[トニー・パスクアリエロ]
それでは、1年後には、コアPCEが2.5を下回るということですか? そのような見通しに聞こえますね。
[ドミニク・ウィルソン]
そうですね、それが基本的な見通しだと思います。ただ、関税の問題がより大きな影響を及ぼす場合、それは確かに可能性として考えられますが、インフレ率がそれによって一時的に高くなるという話もあります。それでも、それは基本ストーリーではなく、あくまで一時的な押し上げに過ぎないと思います。その背後で、むしろさらに進展が見られる可能性が高いのではないでしょうか。
[トニー・パスクアリエロ]
ジョシュ、TIPS(物価連動国債)の取引の視点ヵらは、それらに同意されますか?
[ジョシュア・シフリン]
そうですね、数字を挙げるとすれば、2.2%程度ではないかと思います。インフレは遅行性の強い指標だとずっと考えています。時間はかかっていますが、徐々に低下してきていますし、賃貸価格のデフレ傾向も今後期待できると思います。エネルギー価格も安定していて、ここしばらくは下落傾向にあります。労働市場も、インフレ圧力の主な原因にはなっていないように見えます。
もちろん、関税の問題は不確定要素としてありますが、それを除外すれば、インフレ率が2%に向かっている、あるいは来年末には非常に低い2%台に達するための良い理由がいくつもあると思います。
[トニー・パスクアリエロ]
では、ドム、少し楽しい話をしましょう。これまで、選挙後のセンチメントの上昇やリスク資産のパフォーマンスについてたくさん話してきましたが、現時点での見通しをどうお考えですか?今週の動きでリスク資産に関する状況が大きく変わったと思いますか?
[ドミニク・ウィルソン]
そうですね、大きな視点で見れば、基本的には変わらない、が答えです。今回の選挙後の基本的なストーリーとしては、成長見通しが少し上方修正されたという点があります。政策面でも、少なくとも企業収益の面では追い風が期待でき、成長面でも若干のサポートがあるかもしれません。
ただ、ここで議論してきたように、インフレは時間をかけて改善していくという基本的な見方は変わっていません。大きな政策変更がない限り、この方向性は継続すると考えています。今週明らかになったのは、市場のポジションとプライシングが既に良好に調整されているということです。8月にも少し異なる視点で似た話がありましたが、現在の市場は良いニュースがほぼ織り込まれているため、ネガティブなサプライズに対して脆弱だという点が浮き彫りになっています。
今週の動きは、これが新しい話ではないことを改めて確認させるものでした。確かに前向きな要素が増えたものの、市場が一方の懸念に過剰反応する局面では、逆方向へ動きやすくなるというのが背景にあります。例えば、インフレ懸念が過度に強まれば、それが逆にポジティブなリスクの見通しを作りやすくする可能性もあります。
年末を良い形で締めくくることができたのは、FRBがより寛容になり、タカ派的なサプライズという潜在的なリスクを取り除いていたことが要因でした。市場では常にそのことが懸念材料として意識されていました。ただし今はそれがないため、今後どのような新たな情報が出てくるのかを待つ展開になります。
FRBが動き出すのに慎重であるため、成長が弱含むニュースにはより敏感になるでしょうし、インフレが改善する明確な兆候を見ないと、FRBを再び支援の源として信頼するのは難しくなるでしょう。1月から2月にかけて、政策の希望が具体的な現実になるのを待つという、少し複雑な段階に入ります。その中で政策アジェンダの一部、例えば関税や移民政策が市場にとって消化しづらいテーマとなる可能性も残っています。
これら短期的なリスクを前もって市場が織り込めば、1月にはむしろ良いスタート地点が用意されるかもしれません。しかし、大局的に見ると、全体のストーリー自体には大きな変化はないと思います。
[トニー・パスクアリエロ]
私も同感です。FRBが現実を受け入れたのと同時に、市場もその現実を受け入れる形になりました。つまり、市場が期待していたほどの自由度をFRBが持っていないことが明らかになったわけです。一時期は、成長がトレンドを上回り、インフレが目標を超え、金融環境が緩やかでありながら、それでも来年3回や4回の利下げが行われるというのは、ある種、うますぎる話だったと言えます。このストーリーが、少し現実的な方向に修正されたのだと思います。
このような状況を踏まえると、FRBが市場に追加的な上昇をもたらすカタリストとしての役割を果たす可能性は低くなったように感じます。ただし、「FEDプット」はまだ健在だと思います。このため、次のステップでは経済そのものや企業の業績、政策がポジティブなサプライズを生み出すことに期待がかかってくるのではないでしょうか。
[ジョシュア・シフリン]
最初の質問に戻る形になりますが、FRBの動きが出る前の段階でも、ヘッドラインの株価レベルではなく、選挙後の政策恩恵を受けた銘柄群に関して、ある程度の巻き戻しが見られましたよね。その部分で市場の過熱感がいくらか落ち着いたように感じます。この点については、よりバランスの取れた状況になったと感じませんか?
[トニー・パスクアリエロ]
それは、どこを見ているかによりますね。例えば、ラッセル指数は、選挙前夜の水準よりも低くなっています。個人的には、ラッセルに対してはネガティブな見方を持つことが多いのですが…
[ジョシュア・シフリン]
その見方は、よく知られていますね。
[トニー・パスクアリエロ]
そうですね。そのことはオープンに話しておくべきだと思います。金融関連では、セクターによりますが、ポジティブな動きも見られます。例えば、地方銀行には良い動きが見られますね。これは、個人的に勇気づけられるポイントです。短期的な資金がこれらの取引に出入りしたこともあるでしょうが、米国の銀行、特に地方銀行や大手銀行、資本市場関連プレイヤーにとって、全体的に見て環境は選挙前の11月5日と比べて良くなっています。
ジョシュ、1月に入ってから市場を席巻しそうなテーマは何だと思いますか?
[ジョシュア・シフリン]
関税ですね。就任式前後の話になると思います。
[トニー・パスクアリエロ]
1月という意味では?
[ジョシュア・シフリン]
そうですね、年明け最初の数カ月間で、関税が主要な話題になると思います。トランプ政権の最初の任期を振り返ると、関税問題が本格化したのは後半でしたが、今回は冒頭から貿易政策にどう取り組むかが、1月から第1四半期の中心的なテーマになると感じます。
[トニー・パスクアリエロ]
ドミニクは、どう思いますか?
[ドミニク・ウィルソン]
まとめて「政策」と表現するのがいいかもしれませんね。確かに、1月と2月の動きに焦点を当てるのは難しい部分があります。ただ、関税の問題はここで再び注目されるかもしれません。以前ほどではないにせよ、まだ一定の影響が残っているのは確かです。
政策全般を統一して実現する難しさについても考えます。これは本当に難しいことです。経験豊富な政権でも、優先事項を管理するのに最初の数カ月は苦労するものです。米国政府の仕組みは、たとえ過去に利用したことがあっても、決して扱いやすいものではありません。
新しい政権が何を行うのかだけでなく、人々が期待する成果を本当に実現できるのかという点にも注目が集まると思います。その道のりは、想像以上に厳しいかもしれません。一つのシナリオとして、私たちが懸念しているような政策、例えば関税のようなものが前面に出てきて、市場に優しい政策が後回しになる可能性があります。これが関税への不安の源と言えるでしょう。
ただ、このシステムの中で迅速に政策を実行するのは非常に難しいのです。楽観的な期待はありますが、政府の仕組みがその進行を鈍らせることも多いです。この点で、予想以上の困難や混乱が見られるかもしれませんね。
[トニー・パスクアリエロ]
1月の最初の週は、いつも少し期待外れに感じるものですよね。人々は多くのことが起こると思って戻ってきますが、実際には仕事に戻るペースがゆっくりなので、静かなスタートになります。個人的な予想では、20日までは比較的落ち着いた状態が続くと思います。ただ、その後の最初の100日間はかなり動きがある期間になるでしょう。
ジョシュが言っていたように、私の直感では、関税と移民問題が大きなテーマになると思います。その結果、市場はその状況を懸念し、神経質な反応を示す可能性があります。この政策の組み合わせには、市場にとっての「アメ」、例えば規制緩和のようなものも含まれるとは思いますが、全体的には目まぐるしい展開が続くのではないでしょうか。見出しが次々と変わる中で、揺れ動く展開になると感じています。
[ジョシュア・シフリン]
そうですね、「目まぐるしい」という表現、私も良いと思います。まさにヘッドラインが次々と飛び交うような市場になると思います。いわゆるトレーダー向きの市場で、高速で動いていき、夜の間に何かが起きている、そんな展開になるでしょうね。
毎日少しずつ雰囲気が変わっていき、政策の計画が徐々に明確になっていく中で、その動きが続くと思います。ただ、特に貿易政策に大きな注目が集まり、その進展がどのようにまとまっていくのかが、非常に重要なテーマになると感じています。
[トニー・パスクアリエロ]
次のテーマは、2023年が「〇〇の年」で、2024年が「〇〇の年」なら、2025年は「〇〇の年」になります。さあ、誰が答えますか? ドミニク、あなたがこの質問に答える番ですね。
[ドミニク・ウィルソン]
答える前に、少し前置きをさせてください。これってまるでマクロ経済版のアドリブみたいですね。子供たちがやることみたいに感じます。
まず、この2~3年間を振り返ると、実は意外と一貫性がある動きが続いていたと思います。少しずつですが、ソフトランディングに向かって進んでいる、もしくはその道筋の両面で一定の進展が見られていると認識されてきました。ただ、カレンダー年を市場の時間単位として使うのはあまり好きではありませんが…。
[トニー・パスクアリエロ]
それは単に市場の話だけではありませんよね。
[ドミニク・ウィルソン]
わかります、先に不満を出しておく感じですね。それで、話を進めると、2023年は「デスインフレの年」でしたね。この期間でコアPCEが200ベーシスポイント低下しました。この間、FRBは利上げを続けていましたが、インフレが大きく修正され、現在の軌道に近づいたのがこの時期でした。
2024年は「米国の成長の強靭性の年」と言えます。景気後退を回避し続けていること、そして雇用市場の再均衡が進んでいることが大きな話題となっています。そして2025年は、「政策の変動性の年」になるでしょう。
[トニー・パスクアリエロ]
では、ジョシュ、お願いします。
[ジョシュア・シフリン]
2023年は「AIの年」だったと言えますよね。それ以前は、ChatGPTやAIについて本格的に話題になることはほとんどありませんでした。それが一気に世間や市場で注目を集めたのは驚くべき速さでした。
2024年は「ソフトランディングの年」でしょう。FRBが金利を引き下げ始め、最終的な調整段階に到達すると考えられます。その頃には、ソフトランディングはもはや議論の対象ではなくなるでしょう。
そして2025年は、「政策変動の年」ですね。ドムの意見に賛成ですが、特に、政策の転換や大きな変化が際立つ年になると思います。新しい政権が実際に大きな変更を行うと考えられます。現状維持というわけにはいかないでしょう。関税の話題もありますが、税制改革や規制緩和、さらにはサマータイムのような問題まで、大きな変化が起きるでしょう。2025年は、こうした具体的な政策変更によって特徴づけられる年になると予想します。
[トニー・パスクアリエロ]
オーケー
[ドミニク・ウィルソン]
トニーも参加しますか?
[トニー・パスクアリエロ]
ええ。あまり独自の意見は持ち合わせていないかもしれません。私が書き留めた内容も、ドミニクの考えとかなり一致しています——まあ、ある程度ですが。
2023年はインフレとの戦いが特徴的な年でした。私にとっては、あまり良い印象がなく、FRBがかなり厳しい姿勢を取った年であり、それがリスク資産にとって難しく厳しい状況を生み出しました。
2024年は、FRBが500ベーシスポイントもの利上げを強行したにもかかわらず、経済が持ちこたえたことで、ある種の安心感を得た年でした。
来年については、意見が分かれるかもしれません。ただ、米国における成長とインフレのトレードオフがどのように進展しても、引き続き米国の卓越性が際立つ年になるのではないかと考えています。とはいえ、この仕事を長く続ければ続けるほど、パターン認識能力が鋭くなる一方で、自分自身のバイアスに気付く能力も高まります。例えば、私はヨーロッパ株式に対して非常に悲観的な見方をしがちで、こういうときは往々にして逆の結果になるものです。つまり、来年はDAXが25%も上昇するのかもしれません。
[ドミニク・ウィルソン]
2023年と2024年も、米国の卓越性が際立つ年になり得たと言おうと思いました。これまでの流れはかなり良いものですね。
[トニー・パスクアリエロ]
ええ、もちろんです。
ポスト・リーマンの時代を考えると、それはこの業界の大きな特徴になっていますよね。
それでは、皆さん、良いお年をお迎えください。1月にまたお話ししましょう。
[ドミニク・ウィルソン]
ありがとうございます。
[ジョシュア・シフリン]
良い新年をお迎えください。
2. オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
Goldman Sachsより
(Original Published date : 2024/12/23 EST)
以上です。
御礼
最後までお読み頂きまして誠に有難うございます。
役に立ちましたら、スキ、フォロー頂けると大変喜び、モチベーションにもつながりますので、是非よろしくお願いいたします。
だうじょん
免責事項
本執筆内容は、執筆者個人の備忘録を情報提供のみを目的として公開するものであり、いかなる金融商品や個別株への投資勧誘や投資手法を推奨するものではありません。また、本執筆によって提供される情報は、個々の読者の方々にとって適切であるとは限らず、またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。 投資を行う際は、株式への投資は大きなリスクを伴うものであることをご認識の上、読者の皆様ご自身の判断と責任で投資なされるようお願い申し上げます。