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「アップサイドは、小型株、景気循環銘柄、ビットコイン」:長期テーマは、エネルギーとサイバーセキュリティ、金融緩和他(トム・リー)


 ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのトム・リー氏を迎えて11月11日に行われたCNBCのインタビュー・プログラムを通じて紹介したいと思います。

 トム・リー氏は、景気循環銘柄は、企業のM&A活発化や投資意欲の高まりが追い風になるとの見解を述べています。また、インフレ期待の上昇が市場にリフレーションリスクをもたらしつつあるとし、成長見通しの改善には規制緩和や法人税引き下げが貢献する可能性がある一方で、貿易政策に関しては、その不透明性が市場リスクとなっている点を指摘。また、小型株に関しては、株価の大幅な出遅れからの回復の余地が多いとし、景気循環セクターの比重が高い小型株指数は、今後の企業合併や減税の恩恵を受けやすく、数年間にわたってのパフォーマンス回復が期待されるとの見解を示しています。

[主なテーマ]

・1年後のインフレ期待が3.6%に上昇、意識されるリフレーションリスク
・トランプ政権の貿易政策による市場リスクと規制緩和や税制の影響
・低PERで割安な小型株が出遅れを取り戻す可能性
・FRBの独立性を問題視する動きについて





1. インタビュー


[カール・キンタニージャ](CNBC)
 それでは市場について話を進めましょう。ここで、Fundstrat Global Advisorsの共同創設者であり、マネージングパートナー、リサーチ部門の責任者でもあるトム・リーをお招きしています。今彼の年のS&Pの目標は6300です。トム、お会いできて嬉しいです。
 

[トム・リー](ファンドストラット)
 お会いできて嬉しいです。
 

[カール・キンタニージャ](CNBC)
 あなたは、グラニーショット(※)と呼ぶ、簡易プレーのような銘柄を挙げていますが、そのリストはさらに増えたのではないでしょうか?

※ Fundstrat CapitalのETF「GRNY」のこと。

[トム・リー](ファンドストラット)
 そうですね、確かにリストは増えたものの、今も35銘柄ほどにとどまっています。ただ、高品質な銘柄ばかりで、我々が注目するテーマに沿ったものです。テーマは全部で7つあり、複数のテーマに該当する銘柄がグラニーショットとして構成されています。

[カール・キンタニージャ](CNBC)
 その銘柄の確信度はより高いと考えて良いでしょうか?
 

[トム・リー](ファンドストラット)
 ええ、確信度はより高くなっています。多くの方がご存じの大手企業の銘柄によって構成されていますから。
 

[カール・キンタニージャ](CNBC)
 今日は、景気循環株についても議論が出ています。2016年と比較されることもありますが、今回は以前のサイクルで見られたようなコモディティ価格のサポートがないという意見があります。その意見には賛成ですか?
 

[トム・リー](ファンドストラット)
 景気循環株が必ずしもコモディティ価格のサポートを必要としないと考えているということですか?
 

[カール・キンタニージャ](CNBC)
 そうです。エネルギー銘柄やマテリアル銘柄についても一部そうだと思います。
 

[トム・リー](ファンドストラット)
 そうですね。エネルギー株に関して言えば、トランプ政権下では期待ほど良い見通しではないかもしれません。採掘の拡大が原油価格の低下を招くからです。ただ、インダストリー銘柄や金融銘柄のような景気循環株については、皆さんが話されていたように、M&Aの活発化、資金コストの低下、投資意欲の高まり、規制緩和などが追い風となって非常に良い環境となると考えています。
 

[市場の押し上げ要因]
・インフレ低下にもかかわらず第3四半期のEPSは堅調
・FRBのハト派姿勢と利下げが経済を後押し
・選挙の不確実性による待機状態にある現金
・バリュエーションは依然として妥当


[カール・キンタニージャ](CNBC)
 今後6か月で本格的なリフレーションのリスクがあるとお考えですか?
 

[トム・リー](ファンドストラット)
 それは市場が株価を再評価する動きにも現れています。「1年先のインフレ期待」という指標があり、これは1年後のインフレ率を市場がどう予想しているかを示している指標ですが、これが少しずつ上昇しており、現在は3.6%に達しています。過去に市場が警戒を始めるきっかけとなった水準に至っています。それが輸出の影響なのか、財政支出によるものなのかははっきりしませんが、市場は少しずつ意識し始めています。
 

[サラ・アイゼン](CNBC)
 逆に成長見通しの改善がインフレ期待の上昇を助けることも考えられますね。トランプの「トレード1.0」が問題に直面したのは貿易政策が原因でした。関税に関しては一貫した姿勢を示してきましたが、実際にどう進めるかが見えてくれば、市場はそれを織り込んでくると思いますか?それとも、規制緩和や法人税の引き下げといった他の要素が貿易のリスク面を相殺するとお考えでしょうか?
 

[トム・リー](ファンドストラット)
 もし誰かがネガティブなイメージを想定するのであれば、それは関税と貿易についてだと思います。それらが人々の頭にあるので。ただ、最終的な政策の内容がどうなるかはまだ分かりません。市場からリアルタイムでさまざまなフィードバックがあると思いますし、それが政策形成に役立つとも考えています。全体としては、ビジネスに優しく、株式市場にとっても好意的な環境が期待できると思います。
 

[デビッド・フェイバー](CNBC)
 現状のファンダメンタルズや最近のラリー、特に株価倍率や来年に向けた利益見通しについては、どのように見ていますか?
 

[トム・リー](ファンドストラット)
 今シーズンの決算は全体として堅調だったと思います。エネルギーや一部のコモディティ、そしてヘルスケア分野が利益を圧迫しているものの、インダストリー銘柄やテック銘柄などは引き続き良い数字を出しています。来年の見通しも良好で、資金コストが下がり、住宅市場も活発化してきています。加えて、企業合併があれば小型株にはさらに有利になります。小型株の利益成長率は約40%に達しているため、引き続き今後6か月は景気循環銘柄に注目しつつ、小型株やビットコインも視野に入れたいと考えています。
 

[上昇期待される分野] 小型株、景気循環銘柄、ビットコイン


[デビッド・フェイバー](CNBC)
 小型株についてですが、なぜ企業合併がポイントになるのか、また、なぜ小型株が大きな恩恵を受けると考えているですか?
 

[トム・リー](ファンドストラット)
 それは背景にあって、小型株は過去5年間で大幅に出遅れており、このことは過去25年で最大の差になっています。現在、小型株指数は中央値のPERが10倍で、約18倍のS&P500からすれば、大きな割安感があります。また、小型株指数の利益成長は速く、およそ44%が非常に景気循環的な分野、たとえば地方銀行やインダストリー・セクターに属する銘柄で、S&P500に比べてより比重が大きくなっています。そして、まだ多くのキャッシュが市場に残っているため、投資家が幅広い市場の拡大を期待しているのであれば、小型株がその中心になると考えています。
 

[短期テーマ] スタイル傾向、季節性、PMIの回復


[長期テーマ] エネルギーとサイバーセキュリティ、ミレニアル世代、グローバル労働供給者 、金融緩和


[サラ・アイゼン](CNBC)
 小型株は貿易への依存度が低いため、減税や規制緩和の恩恵を受けやすいですし、関税の影響も少ないので、理想的なポジションにいると言えますね。
 

[トム・リー](ファンドストラット)
 その通りです。パフォーマンス上昇の幅もかなり大きくなる可能性があります。これまでほぼ100ポイントも出遅れているので、今後数年間でその分を取り戻すこともできると考えています。
 

[カール・キンタニージャ](CNBC)
 先ほど話していたイーロン・マスクの件ですが、週末に彼が上院議員マイク・リー氏の意見に賛同し、FRBについて言及しました。週末の紙面でも、パウエル議長が解任される場合に備えて対応を準備していると報じられています。FRBに対する影響力行使や再編の動きに対し、債券市場が反発すると思いますか?

Mike Lee @BasedMikeLee · 6時間前
行政機関は大統領の指示の下にあるべきです。
それが憲法の設計した方法です。
連邦準備制度(FRB)は、この点で憲法から逸脱した多くの例の1つです。

私たちが #EndTheFedを求めるもう一つの理由


[トム・リー](ファンドストラット)
 間違いなく反発すると思います。FRBは世界で最も強力な組織で、その独立性が一つの鍵です。この独立性があるからこそ、債券市場も一目置いています。中央銀行の構造が変わることは資本市場にとって望ましいことではないと思います。
   



2. オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご視聴になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

CNBCより
(Original Published date : 2024/11/11 EST)

[出演]
  ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズ
    トム・リー(Tom Lee)
    マネージングパートナー兼リサーチ部門ヘッド

  CNBC
    カール・キンタニージャ(Carl Quintanilla)
    デビッド・フェイバー(David Faber)
    サラ・アイゼン(Sara Eisen)



<御礼>

 最後までお読み頂きまして誠に有難うございます。
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だうじょん


<免責事項>


 本執筆内容は、執筆者個人の備忘録を情報提供のみを目的として公開するものであり、いかなる金融商品や個別株への投資勧誘や投資手法を推奨するものではありません。また、本執筆によって提供される情報は、個々の読者の方々にとって適切であるとは限らず、またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。 投資を行う際は、株式への投資は大きなリスクを伴うものであることをご認識の上、読者の皆様ご自身の判断と責任で投資なされるようお願い申し上げます。



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