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8月12日の週に迎える主な企業決算の心構え[米国11社]


 8月12日の週に決算を迎える企業11社について、IBD(Investor's Business Daily)のYoutubeビデオから、チャートやファンダメンタルズを参考にした決算の事前準備のためのIBDのアレクシス・ガルシア(Alexis Garcia)氏とエド・カーソン(Ed Carson)氏の2名による会話を紹介します。 なにか投資アイデアの気づきが得られるかもしれませんのでご参考下さい。

(注意)
 IBDは原則、著名なウィリアム・オニールのCAN SLIM投資戦略に基づくマーケット・インサイトを発信するメディアであり、いずれかといえば、長期投資家向けというよりも、短期投資家向けの目線で情報発信をしているメディアですので、その点、ご自身のスタイルに即して、ご解釈ください。




00. プロローグ

[アレクシス・ガルシア]
 
皆さん、こんにちは。本日もエド・カーソンと共に、来週に予定される決算に向けての注目情報をお届けします。
 エド、今期の決算発表が進む中で、市場にはいくつか興味深い動きが見られますね。

[エド・カーソン]
 そうですね、決算シーズンが進んでいるにもかかわらず、驚くべき動きが見られます。特に、決算発表後に株価が大きく動いています。
 
 さて、いくつかの銘柄を見てみましょう。消費関連銘柄として、ウォルマート、オン・ホールディング、そしてシー・リミテッドの3つの企業です。



01. ウォルマート(WMT:Walmart)


[セクター]
 生活必需品

[インダストリ]
 生活必需品小売

[企業概要]
 1945年設立のアーカンソー州ベントンビルに本社を置く米国企業。世界中でWalmartやSam's Clubなどのブランドでスーパーマーケットや倉庫型店舗を通じ、食料品からエレクトロニクス、金融サービスまで多彩な商品とサービスを提供販売。

Q2決算 市場予想
EPS : 0.65ドル(+7% YOY)
売上 : 1,685.6億ドル(+4% YOY)

[アレクシス・ガルシア]
 では、ウォルマートから始めましょう。
 この小売大手は、8月15日(木)Q2の決算を発表する予定です。予想では、利益が7%増加し、EPSは65セント。売上高は4%増えて1,685億6,000万ドルに達すると見られています。
 ウォルマートに注目している理由は、この小売業界の巨人が顧客のトラフィックを維持できるかどうか、そして消費者支出に関してどのようなコメントがあるかどうかです。
 ウォルマートは、アメリカ最大の雇用主の一つであり、経済の指標としても重要です。前回の決算では、Q1の利益と売上が予想を上回り、特に印象に残る20%以上のeコマースの成長を報告しました。
 今回の決算に向けて、ウォルマートについてどうお考えですか?

 [エド・カーソン]
 そうですね、経済への懸念が高まる中で、ウォルマートのような生活必需品を扱う企業は、やはり人々が買い物を続ける傾向があります。実際、前回の四半期では、より多くの人々がウォルマートを利用するようになったというコメントもありました。
 利益の伸び自体はそれほど驚異的ではありませんが、非常に安定しているのも事実です。株価も堅調ですので、今期の決算で顧客の流れが続いているのか、中産階級がウォルマートにシフトしているのか、また消費者全体の状態がどうなのかが注目されるでしょう。
 これらは小売業界全体、特にディスカウントリテーラーにとって重要ですから、経済への不安がある中で、ウォルマートが何を語るのかに多くの人が関心を寄せていると思います。

[アレクシス・ガルシア]
 チャートを見てみましょう。ここでわかるように、前回の決算発表後にギャップアップし、ダブルボトムから力強く上昇しました。非常に良い動きを見せ、高値の71ドル33セントまで達しましたが、ここ数週間で大きく下落し、現在は50日線を明確に下回っています。このテクニカルな動きについて、どうお考えですか?

[エド・カーソン]
 前回の決算報告では22%の利益成長があり、非常に印象的でした。これまでの一桁成長から大きく変化し、数四半期にわたって加速が見られたことは重要でした。そして、確かに株価はかなり上昇しましたが、ご覧のとおり、株価が下落しているにもかかわらず、RSIはほとんど下がっていません。これは、市場の他の部分がより大きな下落を経験している中で、ウォルマートが依然として強さを維持していることを反映しています。
 しかし、今後の課題として、市場全体が再び上昇した場合、ウォルマートが遅れを取る可能性があるかもしれません。株価が下がるわけではないかもしれませんが、AI関連のホットな銘柄が急速に上昇する中で、RSIが遅れることがこれまでも何度がありました。ですので、それを念頭に置く必要があります。
 50日線や10週線を再び超えてくれば、買いのチャンスがあるかもしれません。決算発表後にそのような動きを見せるのであれば、それは初めての本格的なテストとなるでしょうし、新たなベースを形成するのを待つこともできます。但し、市場が大幅に改善する際に、ウォルマートがリーダー銘柄として注目されるかどうかは疑問です。

[アレクシス・ガルシア]
 そうですね、来週の決算発表に向けて注目しておきたい銘柄ですね。

注目ポイント
・顧客のトラフィックの勢いを維持できるか?
・消費者支出についてのコメントに注意

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02. オン・ホールディング(ONON:On Holding)


[セクター]
 消費財(景気敏感)

[インダストリ]
 フットウェア

[企業概要]
 2010年設立のスイス・チューリッヒに本社を置く企業で、高性能ランニング、アウトドア、トレーニング、オールデイ、テニス向けのスポーツ用品を開発・販売。 

Q2決算 市場予想
EPS : 0.18ドル(+260% YOY)
売上 : 6.58億ドル(+30% YOY)

[アレクシス・ガルシア]
 次にオン・ホールディングを見てみましょう。このスポーツシューズの会社は、8月13日(火)にQ2の決算を発表する予定です。
 予想では、利益が260%増加し、EPSが18セント。売上高が30%増えて6億5,800万ドルに達すると見られています。オン・ホールディングに注目する理由は、同社が営業利益率を引き続いて拡大できるかどうかに加え、在庫管理に関する経営陣のコメントも注目点となりそうです。これは利益率に影響を与える可能性がありますからね。
 前回の決算では、オン・ホールディングは予想を大幅に上回る結果を出しました。これは、主にDTC(Direct-to-Consumer)販売が前年同期比でほぼ50%増加したことが大きく影響しています。
 そして今月初め、正確には6月末だったと思いますが、ウィリアム・ブレアのアナリストがオンの株をアップグレードしました。その理由として、オンが競合他社と比べて在庫状況がよりクリーンであることが挙げられていました。Q2の決算に向けて、エド、オンについてどうお考えですか?

[エド・カーソン]
 そうですね、オンは本当に驚くべき企業です。元プロ・テニス・プレイヤーのロジャー・フェデラーとの関係もあって、まるで140マイルのサーブを狙っているような感じです。成功すればエースですが、失敗すればネットを直撃する、非常に強力な存在です。
 利益とそのインパクトが時には大きく揺れるので、一貫して「この四半期もこれだけの成果を出す」と予測できるような安定した企業ではないですね。
 ただ、売上成長は今回も増加が予想されています。為替の影響を受けることもありますが、その勢いが続くかどうかが重要です。他のシューズメーカーは苦戦しており、特にナイキがあまり良い結果を出していないのが目立ちます。またシューズブランドのホカを持つデッカーズも同様に課題に直面しています。このような中でオンが際立つことができるかどうかが問題です。
 売上成長を維持し、値引きを避けることができるかどうかがポイントです。もし在庫を適切に管理し、フルプライスで販売を続けられるなら、消費者が依然として高価格でもこのブランドに価値を見出していることを示すでしょう。それを確認することが非常に重要です。

[アレクシス・ガルシア]
 チャートを見てみましょう。前回の決算では良い動きを見せましたが、その前の決算時にはあまり良い動きがありませんでした。今回のブレイクアウトもありましたが、今週初めにその買いポイントを再び下回りました。ただ、21日線でなんとか支えようとしていますが、依然として重要な50日線の下で取引されていますね。

[エド・カーソン]
 そうですね、確かにカップ・ウィズ・ハンドル型のベースを形成しているようにも見えますが、今はまだ十分な高さに達していないので、ダブルボトム型のベースかもしれませんが、まだはっきりとはしていません。ベースを形成しつつあるものの、完成には至っていないと考えることもできます。
 とはいえ、ここ数週間でRSIが改善している点は注目に値します。以前の買いポイントに戻ったとき、RSIは大きく下がっていましたが、全体的にはあまり進展がないものの、市場の弱さを反映して再び上向いています。
 ただ、この銘柄は大きな上昇が期待できる一方で、大きな下落も十分にあり得ます。特に、数四半期前には大きな損失が出ていましたが、その日のうちに持ち直し、翌日にはほぼ同じ水準に戻っていました。そのため、扱いが難しい銘柄です。
 十分な余裕がないと、20%も動く可能性があるので、持ち続けるのは非常に困難かもしれません。また、アパレルシューズの銘柄グループが151位と、1〜2ヶ月前と比べて大幅に下がっていることも気になる点です。

注目ポイント
・営業利益率の拡大を継続できるか?
・在庫管理についてのコメントに注意

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03. シー・リミテッド(SE:Sea Limited)


[セクター]
 通信サービス

[インダストリ]
 インタラクティブ・ホーム・エンターテイメント

[企業概要]
 2009年に設立され、デジタルエンターテインメント、eコマース、デジタル金融サービスを提供するシンガポールに本社を置く企業。主な事業として、Garenaプラットフォームを通じたゲーム提供、Shopeeでのオンラインマーケットプレイス運営、SeaMoneyによる金融サービスを提供。

Q2決算 市場予想
EPS : 0.34ドル(▲60% YOY)
売上 : 37.3億ドル(+20% YOY)

[アレクシス・ガルシア]
 次の銘柄に移りましょう。シー・リミテッドです。
 このアジアのテクノロジー企業は、8月13日(火)にQ2の決算を発表する予定です。予想では、利益が60%減少し、EPSは34セント。売上高は20%増加して37億3,000万ドルに達すると見られています。
 シー・リミテッドに注目する理由は、最大の事業セグメントである「ショッピー(SHOPEE)」の売上成長が続くかどうかを確認したいからです。また、競合するTemuのような企業との競争が激化している中で、マーケティングなどのコストが増加しているかどうかも注目点です。
 エド、6月末にJPモルガンのアナリストが、競争環境の激化を理由にこの銘柄をダウングレードしましたが、ショッピーはここ数四半期で非常に良い検討を続け、売上成長が加速しているのを見てきました。シー・リミテッドについて、どのようにお考えですか?

 [エド・カーソン]
 シー・リミテッドは、損失から利益回復が見込まれているので、前年同期比で減少しているものの、それでもプラス材料です。主な事業は、ショッピーのeコマース部門と、ゲームエンターテイメント部門の2つで、非常に異なった分野です。
 おっしゃる通り、ショッピーはTemuやTikTokといった競合と戦っており、特にインドネシアのような大きな市場での競争は課題です。
 この決算は、Pinduoduo(PDDホールディングス:PDD)にも影響を与えるでしょう。PDDホールディングスは、PinduoduoやTemuを所有しており、AlibabaやJD.comとも競合しているので、PDDの主要市場がどのように対応しているかを把握する手がかりにもなります。
 シー・リミテッドはこれまでに大きな成長を遂げてきましたが、最近では売上成長がやや鈍化しつつあります。それでも、苦しい時期を経て再び利益が拡大する見込みで、今後2年間は強い利益成長が期待されているため、注目されているのです。しかし、この銘柄は株価の変動が非常に大きいことがあり、パフォーマンスが不安定な一面もあります。

[アレクシス・ガルシア]
 チャートを見てみましょう。おっしゃる通り、最近のボラティリティが特に顕著ですね。ただ、今年の初めには良い上昇を見せましたし、一度50日線まで調整した後、再び上昇しました。しかし、その後は下落傾向が続いていますね。特に、76ドル付近の高値に達した後、大きく下落し、50日線を大きく下回り、今週は200日線に近づいている状況です。

[エド・カーソン]
 そうですね、この銘柄には多くの課題があります。50日線を下回った銘柄が市場の回復とともに戻ることもありますが、今回はそうならなかったのが残念です。50日線を明確に割り込むのが売りのシグナルとされるのはこのためです。確かに、戻る可能性もありますが、今回のように大きく下落することもあるので、注意が必要です。
 この銘柄は、60ドル付近の小さなベースから上昇して良い利益を得られた場面もありましたが、その後に多くを失いました。それでも、まだ回復する可能性はあります。
 決算発表でのガイダンスや、他のアジアのeコマース大手にとって何を意味するのかを注視することが重要です。ただ、今は修復が必要な状態です。月足チャートを見ると、この銘柄がなぜグロース投資家にとって魅力的であり続けるのかがよくわかります。
 過去には大きな上昇と大きな下落を繰り返してきましたし、成長が鈍化するかもしれませんが、再び大きな動きを見せる可能性があります。
ですので、上昇局面で乗り、下落局面では身を引くことが重要です。
 

注目ポイント
・ショッピー・セグメントの売上成長
・TEMUなどの競合ECから受ける影響

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04. ホームデポ(HD:The Home Depot)


https://www.homedepot.com/

[セクター]
 消費財(景気敏感)

[インダストリ]
 ホームセンター

[企業概要]
 1978年に設立し、ジョージア州アトランタに本社を持ち、ホームセンター事業を国際展開。建築資材や住宅関連製品の販売、設置サービス、ツール・機器のレンタルを提供。

[アレクシス・ガルシア]
 注目の大手銘柄のいくつかを見てきましたが、もう少し他の銘柄も見てみましょう。
 次は、ホームデポです。来週決算を発表するもう一つの大手小売業者で、現在は396ドル87セントのオフィシャルな買いポイントでのコンソリデーション中ですね。今のところ、50日線を維持しようとしていますが、ホームデポについてどう思われますか?

[エド・カーソン]
 そうですね、ホームデポは苦戦しているようです。売上と利益の成長が鈍化しており、今年はほぼ横ばいで、その後少し改善する見込みですが、それほど大きな成長は期待できません。住宅関連に投資するなら、他にも魅力的な選択肢があるように感じます。
 実際に住宅建設業者の方が好調で、ホームデポのRSIはしばらくの間、低迷しています。
 もちろん、経済の指標として注視すべき銘柄ではありますが、建設やリフォームの動向を知る手がかりにはなるものの、このセグメントでのリーダーとは言い難いです。

[アレクシス・ガルシア]
 そうですね、注視する価値はありますが、買いには慎重ですね。



05. ロス(ROST:Ross Stores)


[セクター]
 消費財(景気敏感)

[インダストリ]
 アパレル小売

[企業概要]
 1957年に設立のカリフォルニア州ダブリンに本社を持ち、アパレルの小売店舗を展開。「Ross Dress for Less」と「dd's DISCOUNTS」のブランド名で主に中・低所得層向けにオフプライスの衣料品や家庭用品を販売。

[アレクシス・ガルシア]
 では、もう一つの小売業者、ロスを見てみましょう。彼らも8月15日に決算を発表しますが、7月12日にカップ・ウィズ・ハンドルからブレイクアウトを試みたものの、そのピボットポイントから再び下落し、現在は200日線を維持しようとしていますね。

[エド・カーソン]
 そうですね、ロスは苦戦しています。RSIは大きく崩れていないものの、市場が悪いときには相対的に強く見えても、絶対的には弱いままのこともあります。この銘柄は非常に強いわけではなく、単にそれほど弱くなっていないだけです。
 競合他社、たとえばThe TJX Companies(TJX)やBurlington(BURL)はもう少し良いパフォーマンスを見せているので、オフプライスのグループ全体としても注目ですね。
 ウォルマートと同様に、これらの銘柄がどう推移するか見ていきたいです。TJXは50日線を維持しつつ、その上昇の大半を維持しているので、来週も注目されるでしょう。Burlingtonも同様です。
ロスもこのオフプライスチェーンの一部として注目すべきですが、必ずしもリーダーとは言えません。このセクターでは、より優れた選択肢が見つかる可能性が高いです。



06. アプライド・マテリアルズ(AMAT:Applied Materials)


[セクター]
 情報技術

[インダストリ]
 半導体製造装置

[企業概要]
 1967年設立のカリフォルニア州サンタクララに本社を持つ、半導体、ディスプレイ関連産業向けの製造装置の製造販売ならびにサービスを提供する企業。半導体製造装置、ファブ性能最適化サービス、ディスプレイ製造機器の3つの事業セグメントを持ち、世界に事業展開している。

[アレクシス・ガルシア]
 次にアプライド・マテリアルズを見てみましょう。この半導体装置メーカーも8月15日に決算を発表します。
 チャートを見てみると、また似たようなパターンが見られますね。5月にブレイクアウトして255ドル89セントの高値をつけたが、その後大きく下落し、現在は200日線付近で取引されています。

[エド・カーソン]
 そうですね、AI関連やチップ関連銘柄が軒並み崩れている状況です。50日線を明確に割り込んだ時点で、売りのシグナルが出ていました。急激に下落し、買いポイント付近まで戻ってきましたので、最近買っていた場合は、早めに手放すべきだったかもしれませんね。
 この銘柄も修復が必要な状況です。もし急に跳ね上がるようなことがあれば、それは不自然に見えるでしょう。時間が必要で、そもそもこの銘柄は半導体セクターの中で特にリーダー格というわけではありません。悪くはないですが、最も重要な銘柄でもないです。ただし、他の多くの銘柄がすでに決算を発表している中で、7月のデータがどう出るかは注目ですね。



07. ジョン・ディア(DE:Deere & Company)


[セクター]
 インダストリアル

[インダストリ]
 農業用機械

[企業概要]
 1837年に設立され、イリノイ州モリーンに本社を置く、農業、建設、林業向けの機械および関連サービスを世界中で提供する企業。主に大規模農業機械から小型農機具、建設機械の製造・販売およびリースのための金融サービスまで多岐にわたる事業を提供。

[アレクシス・ガルシア]
 次に、ジョン・ディアについて見てみましょう。こちらも来週に決算を発表しますが、この銘柄は今年のほとんどの期間で横ばいの動きをしていたようです。そして最近、少し下落してはいるものの、今週の安値から持ち直そうとしています。

[エド・カーソン]
 そうですね、この銘柄はあまり調子が良くありません。農業機器の需要が落ち込んでいるかもしれません。最近、売上と利益が減少しており、今後も減少が続く見込みです。
 同じ機械関連でも、より良い選択肢があるかもしれません。とはいえ、この銘柄は遅れをとっている業界内で特に遅れているわけではありません。しばらくは見送るべきかもしれません。



08. アリババ(BABA:Alibaba Group)


[セクター]
 消費財(景気敏感)

[インダストリ]
 総合小売業

[企業概要]
 1999年に設立され、中国・杭州に本社を置く中国企業。中国および国際的に、商業プラットフォーム、物流サービス、クラウドコンピューティング、デジタルメディアなど多岐にわたる事業を展開。主に、TaobaoやTmallなどのデジタル小売プラットフォームや、クラウドサービス、エンターテインメントコンテンツを提供。

[アレクシス・ガルシア]
 それでは、中国株をいくつか見てみましょう。まずはアリババからです。こちらも来週に決算を控えており、今は調整局面を形成しています。公式な買いポイントは90.46ドルで、今週は50日移動平均線を再び上回ってきていますね。このままベースの右側を形成しようとしているようにも見えますが、アリババや中国株全般について、来週に向けてどう思われますか?

[エド・カーソン]
 そうですね、アリババは回復しようとしているようですが、たとえば、決算発表後に81ドルを超えたら早めのエントリーポイントとして考えることもできるかもしれません。しかし、この銘柄はしばらくの間、遅れをとっていますし、業績もあまり良くありません。
 代わりに買うべきものが他にも多くあり、特にPDD(PDD Holdings)が注目です。PDDは翌週に決算を発表予定で、アリババのライバルであるシー・リミテッドとも競っています。シー・リミテッドは、業績はそれほど良くはないものの比較的に好調です。また、中国では消費支出が弱いため、アリババにはリスクが多く、他にもっと好い銘柄を見つける方が良いかもしれません。



09. JD.com(JD:JD.com)


[セクター]
 消費財(景気敏感)

[インダストリ]
 総合小売業

[企業概要]
 2014年に設立され、中国の北京に本社を置く、リテール・サービスプロバイダーで、家電や一般消費財、オンラインマーケットプレイス、ヘルスケアサービス、ロジスティクス、不動産管理など、多岐にわたる製品とサービスを提供。

[アレクシス・ガルシア]
 では、銘柄比較としてJD.comを見てみましょう。こちらも来週に決算を発表しますね。5月に高値をつけてから、その後は下落傾向が続いています。今週に入って21日移動平均線を再び超えようとしていますが、現時点では購入するにはまだ魅力に欠けるように見えます。

[エド・カーソン]
 そうですね、アリババを見送るべきだと言いましたが、現時点ではアリババの方がJD.comよりもまだ良さそうです。JD.comは最近、業績面では少し良いかもしれませんが、株価の動きはさらに悪い状況です。



10. Nuホールディングス(NU:Nu Holdings)


[セクター]
 金融

[インダストリ]
 多角化銀行

[企業概要]
 2013年に設立され、ブラジルのサンパウロに本社を置く、ブラジル、メキシコ、コロンビアなどでデジタルバンキングプラットフォームを提供する企業。クレジットカード、モバイル決済、投資、暗号通貨取引、保険など幅広い金融サービスを展開。尚、ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイのポートフォリオ銘柄としても知られています。

[アレクシス・ガルシア]
 では、次にブラジルに目を向けましょう。バンキング・プラットフォームのNu Holdingsについてです。この銘柄は最近、激しい値動きをしています。フラットベースからのブレイクアウトで12.49ドルの買いポイントを突破し、13.64ドルの高値をつけました。
 しかし、ここ数週間、市場が不安定な中で他の多くの銘柄と同様に下落し、8月5日には日中取引で200日移動平均線を下回る場面もありました。しかし、ここ数日間は力強い反発を見せており、再び50日移動平均線を超えるかもしれません。

[エド・カーソン]
 確かに、再び50日線を超えるかもしれませんが、それまでの動きが急激なV字回復になる可能性があります。以前のベースを見ると、日々の動きは激しかったものの、週単位で見ると比較的安定していたと言えます。ほとんどの期間で50日線や10週線を維持していました。そして、ついに大きく上昇するかと思わせる場面もありましたが、その後、大きく下落してしまったのは残念です。
 これは市場が多くの銘柄に与える影響、特に流動性が低い海外銘柄において重要です。実際、ウォーレン・バフェットもこの銘柄に投資しているようですが、ここ数週間の大きな値動きは非常に扱いにくいです。今後注目すべき銘柄ではありますが、すぐに買い時が訪れるとは思えません。



11. カーディナル・ヘルス(CAH:Cardinal Health)


https://www.cardinalhealth.com/en.html

[セクター] 
 ヘルスケア

[インダストリ] 
 ヘルスケア流通業

[企業概要]
 1979年に設立され、オハイオ州ダブリンに本社を持つ医療サービスと製品を提供する企業。米国、カナダ、欧州、アジアで、医薬品の流通から医療機器の製造・販売までを手がけ、病院や薬局、診療所などにカスタマイズされたソリューションを提供。 

[アレクシス・ガルシア]
 では、最後にカーディナル・ヘルスについてです。この銘柄は8月14日に決算を発表します。日足チャートに戻ってみると、公式な買いポイントが116.04ドルで、現在は50日移動平均線の上を維持しようとしているのがわかります。

[エド・カーソン]
 そうですね、今週の初めには「ディフェンシブな成長株」として上昇するかと思わせる場面もありましたが、結果的にはそうならなかったようです。多くの医療関連株が好調な中で、この銘柄も期待されましたが、今日はあまり良い動きを見せていません。
 同業他社のマッケソン(MCK)が弱い売上を報告した影響でマッケソンとともに株価が崩れました。マッケソンには他にも良い点はありましたが、売上が思わしくなかったのが痛手でした。カーディナル・ヘルスは他の銘柄ほどリードしていなかったものの、今週は「ディフェンシブな成長株」というラベルがついているからといって、必ずしも全てが良い結果を出すわけではないことを示しました。この点において、少し注意が必要かもしれません。
 


[アレクシス・ガルシア]
 エド、いつもながら貴重なご意見をありがとうございました。



12. オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

(Original Published Data : 2024/08/09 EST)


以上です。


御礼

 最後までお読み頂きまして誠に有難うございます。
役に立ちましたら、スキ、フォロー頂けると大変喜び、モチベーションにもつながりますので、是非よろしくお願いいたします。 


だうじょん


免責事項


 本執筆内容は、執筆者個人の備忘録を情報提供のみを目的として公開するものであり、いかなる金融商品や個別株への投資勧誘や投資手法を推奨するものではありません。また、本執筆によって提供される情報は、個々の読者の方々にとって適切であるとは限らず、またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。 投資を行う際は、株式への投資は大きなリスクを伴うものであることをご認識の上、読者の皆様ご自身の判断と責任で投資なされるようお願い申し上げます。



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