AIブームに陰り? - グッゲンハイムの推しの銘柄
ここに来て、AI銘柄のパフォーマンスに懐疑的な見方も出て来ており、さらに企業のIT支出も期待するほど堅調でないとの見解も聞かれます。
グッゲンハイムのシニア・リサーチ・アナリスト、ジョン・デウチ(John Difucci)氏は、AIブームに対して慎重なトーンでインタビューに答えており、今年下半期は、OktaやOracleは狙い目との見解を示しています。
以下、Yahoo Financeのインタビューの参考訳です。
(Original:2024/07/22)
インタビュー
[ジョシュ・リプトン](Yahoo finance)
ジョン、ご出演いただきありがとうございます。あなたが考えているソフトウェア企業にとっての新常識について教えてください。それはどういう意味ですか?
[ジョン・デウチ](グッゲンハイム)
ジョシュ、最近の歴史を振り返ってみると、20年前にはIT支出がGDP成長率の2倍以上だったこともありました。しかし、ここ2年間では、ソフトウェア支出やIT支出がGDP成長率とほぼ同じになっています。それはなぜか?技術支出がもう高成長分野ではないのでしょうか?
いえ、私はそうは思いません。まず、COVID-19の影響があります。数年前、経済を支えるために多くの資金が投入されました。政府も世界中の政府も、リモートワークのためにITに多額の資金を投入しました。金利が非常に低かったこともあり、人々は多くの資金を手にし、多くの消費を行いました。通常なら2年後、3年後に使われるはずの資金が2021年に集中して使われたのです。そのため、現在は少しギャップが生じています。
すでに使われた一部の支出は必要なくなっていますが、これはITやソフトウェアが高成長しないということではありません。IT分野は依然として素晴らしい分野ですが、今は一時的な調整期間を迎えています。下半期に支出が増えるという期待もあり、必ず上向きになります。但し、期待していたような前年比での大幅な上昇にはならないでしょう。来年には再び成長が見込まれるかもしれませんが、はっきりしませんが、恐らく下半期には起こらないでしょう。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo finance)
もちろん、ソフトウェア支出増加に対する期待の多くはAIに関連しています。最近は、ゴールドマン・サックスも含めた多くがAIに関するシナリオに疑問を持っているようです。その点について、あなたの考えを教えてください。
[ジョン・デウチ](グッゲンハイム)
世間ではAIが原因でIT投資が思ったほど伸びないという憶測もありますが、私はまったくそう思っておらず、AIが世界を変えると信じています。AIはすでに世界を変えつつあり、さらに大きな変革をもたらすでしょう。ただし、すべてのテック企業がそれを収益化できるわけではありません。彼らはAI技術を使って製品を改善し、我々ユーザーはその恩恵を受けますが、毎年更新のたびに、値上げして料金請求できるのだろうか? 恐らく請求できないでしょう。
一部の領域やクラウドベンダー、セキュリティベンダーはAIの恩恵を受けるかもしれません。特にセキュリティ分野では、AIを活用した攻撃が増えると予想されるので、AIの価値が高まると思います。但し、すべての企業がAIの恩恵を受けるとは限りません。
現在の状況については、AIに投資しているので他の技術分野に投資していないということではないと思います。AIに投資している企業はAI企業であって、法人消費者向けにAIを提供したいと考えている企業です。
[ジョシュ・リプトン](Yahoo finance)
もしあなたが投資家で、これらのソフトウェア企業に投資したいと考えている場合、ジョンさんならどうされますか?おすすめの銘柄を教えていただけますか?
[ジョン・デウチ](グッゲンハイム)
下半期にうまくセットアップされる名前を考えると、たいてい過去に何か問題があった名前だと思います。ですから、ほとんどの場合、すでに数字は下がっています。数字が少し高すぎるソフトウェア企業の半分以上は下がるでしょう。
Oktaのような企業に投資することもできますね。Oktaは10月に情報漏洩というインシデントがありました。株価はかなり下がりましたが、業績は好調で、今後数年間で最高のソフトウェア銘柄のひとつになると思います。
その他の企業については、AIへの投資があります。どの企業がその恩恵を受けるでしょうか?エヌビディアはもちろんですが、クラウドベンダーも恩恵を受けます。
大量のデータが必要で、大量のコンピューティングも必要なわけですから、すべてのクラウドベンダーが利益を得るでしょう。その中でも、より低コストで優れたパフォーマンスを提供する企業があれば、さらに大きな利益を得られます。私の考えでは、それがオラクルです。オラクルは今、最高のアイデアだと思います。
[ジョシュ・リプトン](Yahoo finance)
ジョン、今日は番組に出演いただき、ありがとうございました。
[ジョン・デウチ](グッゲンハイム)
どういたしまして。
以上です。
御礼
最後までお読み頂きまして誠に有難うございます。
役に立ちましたら、スキ、フォロー頂けると大変喜び、モチベーションにもつながりますので、是非よろしくお願いいたします。
だうじょん
免責事項
本執筆内容は、執筆者個人の備忘録を情報提供のみを目的として公開するものであり、いかなる金融商品や個別株への投資勧誘や投資手法を推奨するものではありません。また、本執筆によって提供される情報は、個々の読者の方々にとって適切であるとは限らず、またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。 投資を行う際は、株式への投資は大きなリスクを伴うものであることをご認識の上、読者の皆様ご自身の判断と責任で投資なされるようお願い申し上げます。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?