9月のFOMCは、50ベーシスポイントの利下げが必要(クラウディア・サームさんが語る)
CMEフェドウォッチツールによれば、9月のFOMCでの利下げ観測は、25ベーシスポイントが75.5%、50ベーシスポイントが24.5%と、大勢は25ベーシスポイントの予測に傾いています。
8月の初頭に発表された驚きの4.3%の雇用統計と平行して世の注目を集めたサーム・ルールの発案者のクラウディア・サームさんが昨日のインタビューで、「FRBは少々後手に回ってしまった。9月の利下げは、50ベーシスポイントが必要」とのコメントを出していました。FRB内のスコープは、これまでのインフレ対策重視から雇用対策重視にシフトしている筈との見解です。
さて、ジャクソンホールのパウエル議長の発言のトーンに何か変化が現れるのか、それとも変えずに来るのか。9月18日のFOMCまでは、まだまだ日が残されていますので、材料不足の中、少々ボラティリティが高くなりそうです。ご参照ください。
(1)インタビュー
[マット・ミラー](Bloomberg)
労働市場が弱まっていることを考えると、FRBは25ベーシスポイントの利下げ以上の対策が必要なのでしょうか?昨日の雇用統計の改定値からも、過去1年間に思っていたほど労働市場が強くないことがわかりました。
サームルールが発動され、あなた自身、ルールは破られるためにあるとおっしゃっていました。今すぐに景気後退に入ったわけではないにせよ、25ベーシスポイントの以上の利下げ措置が必要であることを示しているのかもしれません。
[クラウディア・サーム](New Century Advisors)
50ベーシスポイントの引き下げは絶対に必要です。特に、7月に25ベーシスポイントの始めるべきだったと考えるのであれば。少し出遅れただけかもしれません。
当時、FRBが持っていなかった情報やデータについて、特に、過去を振り返っての大幅な修正については、FRBを完全に責めることはできないと思います。米国の労働市場は、その間ずっと、考えられていたよりもずっと早く減速していたことが分かります。つまり、調整は必要だったのです。そのため、50ベーシスポイントの利下げは、必ずしも間違いだったわけではなく、軌道修正のための調整であり、それが適切な対応だと思います。
FRBは、あらゆるデータ発表に注目するあまり、本来の目的を見失っていたと思います。「我々は今、どのような方向に向かっているのか? 予測はどこにあるのか?」という本来の目的を見失っていたのです。本来は、もっと早く利下げを行うべきだったと思いますが、それはもう過去の話です。
[ソナリ・バサク](Bloomberg)
7月に、複数のFRB関係者が利下げの必要性を感じていたことを指摘されていましたね。そのFOMCは、7月の雇用統計が発表される2日前に行われました。また、会議の議事録を見ると、多くの参加者が雇用目標に対するリスクが増大していると述べていましたが、これも最新の雇用統計が出る前のことです。今、私たちが知っている情報を踏まえると、労働市場にどれほどのリスクがあるのでしょうか?
[クラウディア・サーム](New Century Advisors)
今の状況は、労働市場が強いと言える時期を過ぎつつあります。パウエル議長が金曜日に再び「労働市場は強い」と言うことはないでしょう。実際、労働市場は弱まっています。そして、今後はトレードオフの問題が浮上してきます。つまり、インフレを抑えるためにこの労働市場の弱体化が必要なのかどうかという点です。もし必要だとすれば、まだその方向に進む余地はあるでしょう。というのも、インフレはまだ目標水準に戻っていないからです。
しかし、「いや、これはやりすぎだ」と考えるのであれば、重要なのは次の雇用統計ではなく、今後6か月後の雇用状況だということです。ただし、9月に利下げを決める時には、その6か月後のデータはまだ手に入っていません。FRBは、今後の動向について予測を立てなければならないのです。そして、FRBの使命は「最大限の雇用」であり、「景気後退を避けること」ではありません。したがって、インフレを抑えるために労働市場が弱体化するのを必要最低限に留めることが求められていますが、そのバランスが今変わりつつあります。この点について、今後FRBから何らかのコメントがあるかもしれません。
現在の方向性は、「労働市場の弱体化が進みすぎているので、もう一つの雇用目標を強化する必要がある」という方向にシフトしていると思われます。
(2)オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
Bloomberg Televisionより
(Original Published date : 2024/08/22 EST)
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だうじょん
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