懸念は消化され、市場の迷走は落ち着いたが、1月は重要な局面を迎える可能性(トム・リー)
1月3日、Funstra Global Advisorsのトム・リー氏を迎えてのCNBCのインタビューを紹介します。
昨年末からの市場の不安定な動きや2025年初頭の注目点に対する見解を示しています。市場は長期金利の変動や中国の経済状況に影響を受けつつ、S&P500が年央までに7,000に到達する可能性があると予測されており、このことは、製造業の回復、労働市場の軟化や引き続いてのFRBの緩和的な政策が後押しする流れによるものとのこと。メガキャップ銘柄が2024年に続いて重要な位置を占める一方で、金融や工業など景気循環型セクターへの期待が高まっており、ビットコイン市場の好調さも市場のリスクオンを示しているとしています。
1. インタビュー
[マイケル・サントリ](CNBC)
今日、市場は12月の不安定な動きによる6%以上の平均株価の下落から回復したのでしょうか。そして、1月が進む中で注目すべき重要なカタリストは何でしょうか。
これらの質問に答えていただくために、ファンドストラットのトム・リー氏をお迎えしています。トムさん、こんにちは、そして新年あけましておめでとうございます。
[トム・リー](Fundstrat Global Advisors)
新年明けましておめでとうございます。
[マイケル・サントリ](CNBC)
ではまず、トムさん、ここ数週間、市場が横ばいで推移しつつ、市場全体の広がりにややネガティブな傾向が見られた中で、市場が直面している状況についてどう見られていますか?
[トム・リー](Fundstrat Global Advisors)
昨年末から2025年初日にかけて、市場は少し迷走していたように思いますが、いくつかの要因を消化しようとしていたのだと思います。一つは、長期金利の大きな変動や中国での金利急落といった劇的な動きです。また、過去数日間に見られた出来事からマクロ経済に対する懸念が一部にあったように思います。その上で、全体的には利確売りが見られ、「2025年がどうなるか様子を見よう」という雰囲気もあったのではないでしょうか。特に、ここ2年連続で20%の大幅なリターンを記録してきただけに、その反動があるのかもしれません。
[マイケル・サントリ](CNBC)
これらの懸念が今後も市場の重しとして残ると思いますか?もちろん、あなたが強気な見方をしていることはよく分かります。S&P500が年央までに7,000に到達する可能性があると考えていらっしゃるのですよね。その後一時的な調整が入るとしても、6か月未満で7,000に到達するとなると、年率換算でおよそ35%の上昇ペースになります。そのシナリオで、どのようにしてそこまで到達するのかを教えていただけますか?
[トム・リー](Fundstrat Global Advisors)
視聴者の皆さんに覚えておいていただきたいのは、カレンダーが変わったからといって、2024年を通じて見られた強さが突然消えたわけではないという点です。追い風は引き続き存在しています。たとえば、FRBがハト派の姿勢を維持していることです。利下げペースは鈍化しているかもしれませんが、政策の方向性自体は緩和的です。
2025年の序盤で特に注目すべき2つのポイントとして、まず1つ目に製造業の回復があります。ISM製造業指数が約2年半ぶりの高水準を記録しました。これまでほぼ3年間、50を下回る水準が続いていましたから、これは非常に大きな変化です。2つ目は労働市場の軟化の兆しです。LinkUpのジョブ・マーケット・データやISM雇用指数を見ると、労働市場が少し緩みつつあることが示されています。これにより、FRBは再び経済を支える方向に注目せざるを得なくなるかもしれません。
そのため、今月は非常に重要な局面になる可能性があります。一部の不安感による弱さが見られる一方で、依然として追い風は残っています。このような状況下では、押し目買いを狙うべき市場が続いていると考えています。
[マイケル・サントリ](CNBC)
また、同じテーマが引き続き市場に影響を与えると考えているということは、2024年と似たリーダーシップの構図が続くという理解でよいでしょうか?これまでも、メガキャップ成長株がリーダーシップを取る時期と市場全体の広範な参加が見られる時期が交互に訪れていましたが、年末時点では再びNASDAQ 100に属するような銘柄の優位性が目立っていましたよね。
[トム・リー](Fundstrat Global Advisors)
投資家は引き続き収益の見通しが明確な銘柄に対して高い評価を与えると思います。そのため、NVIDIAを含むマグニフィセント・セブンのような銘柄は、重要な保有対象になると考えています。一方で、今年は金融環境が緩和に向かうと見られており、これが景気循環型銘柄にとって追い風になる可能性があります。金融セクターや地方銀行、工業株、小型株などは、収益成長が改善する余地があると考えられます。
その結果、市場の広がりが期待できる年になるのではないでしょうか。また、リスク選好の観点では、ビットコインのような指標がその良い測定基準になると思います。現在のビットコイン価格が9万7千ドルであることからも、この市場が依然としてリスクオンの状態であることが示されていると考えています。
[マイケル・サントリ](CNBC)
ええ、たしかに、ビットコインは、10万ドルを一時的に超えた後もほとんどその上昇分を維持しています。ただ、ブラックロックのビットコインETFで見られた比較的大きな資金流出については、どうお考えでしょうか?新たな課税年度に向けた利益確定の先送りだったのか、それとも他に理由があったのか気になります。
[トム・リー](Fundstrat Global Advisors)
それは難しいところですね。ただ、ETFの登場が興味深いダイナミクスを生み出していると思います。たとえば、ブラックロックのETFを売却した人が、他のビットコインETFを購入する際には30日間の保有期間の制約を受けません。つまり、ある意味で、差金取引や税制上の最適化を向上させる戦略を取ることが可能となり、30日間の保有期間を気にせずにそれを行えるような状況が生まれています。
2. オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
CNBC
(Original Published date : 2024/01/03 EST)
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だうじょん
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