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来週は債券利回り上昇に要警戒:幅広いリスク資産への影響の可能性


 来週に大統領選挙や議会選挙、そしてFOMCを控えて、市場の警戒感が高まっています。特に2024年の選挙後には、米国の財政方針次第で市場の動向が左右される可能性が高く、投資家は債券やリスク資産の両面で慎重な対応が求められます。
 そのような中で、米国債の利回りは上昇傾向にあり、特に10年債利回りは4.3%を超え、債権投資家の間では米国の財政赤字や債務増大に対する懸念が強まり、債券市場での動きが高まっています。
 またクレジット市場では、米国での高格付け債の発行が270億ドルに達し、2021年以来の記録的なボリュームとなりました。共和党が圧勝した場合、規制緩和や法人税の引き下げによってM&A活動が活発化し、クレジット市場にポジティブな影響を与える可能性があると見られる一方で、低格付け企業は借入コストの増加によって利益構造に悪影響を受ける可能性が指摘されています。
 
 この投稿は、かなりいびつな雇用統計データが発表された11月1日に公開された「Bloomberg Real Yield」のコンテンツの参考訳を通じ、以下をテーマとした債券市場の専門家の市場認識や見解について紹介するものです。ご参考下さい。

  • 利下げ観測と長期金利の動向

  • 選挙の行方で異なるリスク資産市場への影響

  • 金利上昇とクレジット市場の安定性

  • 低格付け企業へのリスク

  • ソフトランディングとノーランディングのリスクシナリオ




 


1. 債権投資家の活発化と高まる市場への警戒感


[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 FRBの決定についてですが、債券トレーダーたちは大統領選を目前に控え、米国債の売りが進む可能性に備えています。
 この3日間の10年債の動きに注目してみます。利回りは4.3%を超え、今日は一時4.35%に達しました。経済指標データに関わらず、利回りが徐々に上昇している様子が見て取れます。今日(11/1)は一時的に短期債と似た動きで低下しましたが、その後再び方向性が分かれる展開となって、ここ数日間はこの傾向が続いています。


 次に注目すべきは短期の見通しです。今朝の雇用統計を受けて、11月には利下げが行われるという見方が一段と強まりました。市場は2025年半ばから年末にかけて金利が3.5%まで低下することを期待していますが、これが実現可能かどうかは大きな議論の的となっています。
 これまでのところ市場の予測は多く外れていますが、現在の局面では期待が高まっており、選挙も間近です。
 エド・ヤルデニ氏もBloombergで述べているように、利回り上昇はボンド・ビジランテ(債券市場の投資家)たちの復活を示唆しているかもしれません。

ボンド・ビジランテ(債券市場の投資家たち)は確実に動きを見せ始めています。ここで、もし民主党か共和党のいずれかが選挙で圧勝した場合、債券市場は『どちらの政党も大幅な支出や一部の層への減税を止められないだろう』と結論付けるかもしれません。その結果、赤字と債務がさらに拡大し続けることになります。その一方で、利払いも積み重なり、数か月以内に1兆ドルに達する見込みとなって、大きなニュースとなるでしょう。

エド・ヤルデニ(ヤルデニ・リサーチ)


[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 ここにソシエテ・ジェネラルのスバドラ・ラジャッパさんとTD証券のゲンナジー・ゴールドバーグさんをお迎えしています。

 スバドラさん、短期金利と長期金利の乖離について話していましたが、まず短期金利から見ていきましょう。選挙とFOMCが数日後に控えており、FRBが年内に2回の利下げを行う可能性はありますか?

[スバドラ・ラジャッパ](ソシエテ・ジェネラル)
 そうですね、今日の雇用統計データが出たことで、11月と12月の会合での利下げが視野に入ってきたと思います。年内に100ベーシスポイントの利下げが実施されると、来年以降はもう少し緩やかなペースで、四半期に1回の利下げへと移行する可能性が高いです。今年は毎回のFOMCで利下げが行われていますが、来年からはそのペースが変わるかもしれません。
 データは比較的堅調で、今回の雇用統計は弱めでしたが、第4四半期に向けた成長の勢いは悪くありません。製造業データも弱含んでいますが、製造業全体はすでにリセッション状態にあります。一方でサービス業は比較的好調で、消費者も引き続き健全です。このように第4四半期に向けて良好な勢いがあるため、年内にさらに数回の利下げが正当化されるかもしれませんが、その後はより慎重なペースになるでしょう。


[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 ゲンナジーさん、現状の不確実性についてどうお考えでしょうか?今朝のデータを見ても、ハリケーンが雇用統計に与えた影響など、まだ不明な点が多くあります。経済は見かけよりもかなり弱い可能性があると思われますか?FRBは年内に2回の利下げが必要でしょうか?
 

[ゲンナジー・ゴールドバーグ](TD証券)
 次の2回の利下げはかなり現実的だと思います。今から12月の会合までに何か大きな逆転が起こらない限り、利下げの方向性は変わらないでしょう。ハリケーンの影響からの反発で、次回の雇用統計ではサプライズ的な雇用増加や急上昇が見られる可能性もありますが、問題はそのランレートです。直近3か月の雇用増加ペースは10万人強で、実質的にブレークイーブンラインに達しており、場合によってはそれを下回っているかもしれません。
 さらに、失業率の四捨五入前の数字を見ると、公式には4.1%ですが、実際は4.14%と非常に僅差で、4.2%に達する一歩手前でした。もしこれが4.2%となっていた場合、市場の不安はさらに高まっていたでしょう。


[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 労働参加率も含め、データはノイズが多いですが、特に今回は選挙が絡んでおり、経済リスクの複雑なカクテルのようです。特に長期債の部分で動きが目立っていますが、選挙に関連するリスクとして他にどのような動きが債券市場に影響するのでしょうか?
 

[スバドラ・ラジャッパ](ソシエテ・ジェネラル)
 そうですね、トランプ氏の勝利と共和党の圧勝は、市場で十分に織り込まれていないリスクだと思います。もし水曜日にそのような結果が出れば、ここから大きな売りが発生する可能性があります。来週の債券入札に向けて、少しずつ割引の動きが進んでいますが、特に長期債の供給が増加する局面では市場がこの追加供給を消化するのが非常に難しくなるでしょう。このように市場はすでに警戒感を高めており、選挙結果の初期の影響を受けた価格動向が非常に興味深いものになると思います。
 選挙結果は長期的な債務と赤字の動向にも大きな影響を及ぼすでしょうから、短期の価格動向だけでなく、長期的な市場の反応にも注目していきます。
 

[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 ゲンナジーさん、さらに大きな売りが発生する可能性についてですが、もしトランプ氏が勝利し共和党が議会も掌握するような結果になった場合、10年債利回りはどこまで上昇すると思われますか?
 

[ゲンナジー・ゴールドバーグ](TD証券)
 いわゆるレッドウェーブが起こると、10年債利回りは5%に近づく可能性があります。必ずしも5%に達するとは限りませんが、かなり高い水準を試す展開になるでしょう。ただ、すでに利回りは大幅に上昇しており、トランプ氏の勝利と共和党圧勝の可能性を市場がすでに織り込みつつあるとも感じています。
 少し懸念しているのは、トランプ氏勝利の確率を賭け市場が約60〜65%と見積もっている一方で、ハリス氏や他の候補者が勝つという予想外の結果になった場合、金利市場でかなり大きな反発が起きる可能性があることです。すでに市場がトランプ氏勝利を見込んだ動きをしているため、トランプ氏が実際に勝った場合にさらなる大幅な売りが起きるかは不透明ですが、逆の結果が出た場合は大きな反発が見られるかもしれません。
 

[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 興味深い会話ですね。選挙に関連して、ボンド・ビジランテの話に戻りますが、今週、私の同僚がTKNGキャピタルのニール・グロスマン氏と話した際、長期的には利回りが7%に達する可能性もあると言っていました。少し聞いてみましょう。
 

 1992年の選挙に戻ってみると、ジョージ・ブッシュからクリントンへの移行期にちょうど景気後退から脱しつつある時期でした。当時のイールドカーブは約400ベーシスポイントの傾きがあり、2年債は3%前後、長期金利は7%台でした。同様のイールドカーブが再び現れてもおかしくはないと思います。これは非常に怖いシナリオです。
10年債が7%にならないという理由はありません。 

ニール・グロスマン(TKNGキャピタル)


[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 スバドラさん、10年債利回りの見通しについて多様な予測が出ていますが、ゲンナジーさんが共和党の圧勝で5%近くになると予測している中、どのように予想されますか?
 

[スバドラ・ラジャッパ](ソシエテ・ジェネラル)
 そのシナリオは確かに納得できます。共和党の圧勝となれば、利回りはさらに50ベーシスポイントほど上昇し、売りが強まると予想しています。ただ、私が特に懸念しているのは、債券利回りが大幅に上昇すると、リスク資産全般に影響が広がる可能性がある点です。
 現時点では株式は依然として堅調で、クレジットスプレッドも非常にタイトな状態が続いていますが、長期的な高金利環境の影響が各種リスク資産に大きく響いてくるでしょう。また、これはグローバルにも波及する可能性があります。特に新興市場諸国では、米10年債利回りの動向に大きく左右される反応が見られるでしょうし、そのような状況下ではドルの急激な上昇もリスク資産にとって大きな影響を与えかねません。私は金融環境がどのように変化するかに注目しており、そのようなシナリオでは金融環境の大幅な引き締まりが起こると考えています。
 

[ソナリ・バサク](Bloomberg) 
 スバドラさん、選挙の夜に注目している資産は何でしょうか?
 

[スバドラ・ラジャッパ](ソシエテ・ジェネラル)
 まず注目するのは債券市場の反応です。また、トランプ氏勝利の可能性がある場合、ドルの動きも重要なポイントです。関税の可能性もあり、ドルには大きな反応が見られるかもしれません。金はすでにかなりの値動きを見せていますが、トランプ氏関連のリスクを十分に織り込んでいない市場、たとえば株式やクレジット市場などは、より大きな動きが出る可能性があるでしょう。債券市場とリスク資産の反応を注視していきます。
 

[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 ゲンナジーさん、ハリス氏が勝利した場合、10年債利回りはどのように動くとお考えですか?
 

[ゲンナジー・ゴールドバーグ](TD証券)
 ハリス氏勝利のシナリオでは、利回りが4%に戻る可能性が高いですね。この場合、市場は再びファンダメンタルズに焦点を戻すと思います。特にねじれ国会になる可能性が高いため、現状維持が意識されるでしょう。そして、引き続きマクロ経済の動向を注視することになります。ご指摘の通り、マクロ環境は非常に不安定で、そこからの動向を見守る展開になるでしょう。
 

[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 さらに、共和党がハリス氏の支出計画に制約をかける可能性もありますね。ゲンナジーさん、ありがとうございました。本日はソシエテ・ジェネラルのスバドラ・ラジャッパさんとTD証券のゲンナジー・ゴールドバーグをお迎えしてお送りしました。 

 



2. クレジット市場のリスクと機会(2025年)


 
[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 2021年以来最も活発な10月を迎えた米国の高格付け債発行について、選挙を控えた市場の動きをお伝えします。

 今週のヨーロッパ諸国は、万聖節(All Saints Holiday)の祝日で休場したため、新規発行はありませんでしたが、週初に発行された債券は総額300億ユーロに上りました。

 米国では、高格付け債の発行が270億ドルに達し、10月は2021年以来最大の発行月となりました。月末には新規発行がありませんでしたが、記録的なボリュームとなりました。

 ハイイールド債市場では、木曜日に2社が合わせて10億ドルのジャンク債を発行し、過去3年間で最も活発な10月を締めくくりました。


 ストラテガス・パートナーのクリス・ベローネ氏は、クレジット市場は高金利環境にも動じていないと指摘しています。
 

 金利が上昇する中で、クレジット市場にはほとんど弱さが見られません。たとえば、ダブルB級のスプレッドは依然として低水準で、トリプルC級のスプレッドも低いままです。NBS(ノンバンク・セクター)では若干のスプレッド拡大の兆しが見られますが、大部分ではクレジット市場が利回りの上昇に反応していない状況です。経済データは改善しており、景気循環銘柄が好調です。市場は利回りの動きについて、一般的な予想ほど動揺していないように見えます。 

クリス・ベローネ(ストラテガス・パートナー)


[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 ここでクレジットサイツのグローバル戦略責任者であるウィニー・シザールさんと、UBSのクレジット戦略責任者であるマシュー・ミッシュさんにお越しいただいています。
 ウィニーさん、強い経済という声が頻繁に聞かれますが、マクロとミクロの視点を少し統合して、現在の企業やセクターの状況について教えてください。特に、製造業データが弱い中で、資本市場での資金調達を目指す企業にとってどのような意味があるのでしょうか?


[ウィニー・シザール](クレジットサイツ)
 製造業データはここ2年ほど弱い状態が続いていますが、最近の資金調達を目指す企業にとって大きな障害にはなっていません。特に10月は、決算発表期間のブラックアウトが終わった金融セクターの発行が中心でした。たとえば、ボーイングがエクイティ市場で転換社債を発行するなど、資本市場の条件は多くの業種で魅力的です。これは、今のところ消費者やサービス業ほどの勢いがない業界でも、魅力的な資金調達の機会があることを示しています。現在、多くの資金が少数の案件に集中している状況が背景にあるのだと思います。


[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 マシューさん、現在、投資家たちは潜在的なリスクを無視しているようにも見えますが、それは妥当な判断なのでしょうか?あるいは、より注目すべきリスクがあるとお考えですか?
 

[マシュー・ミッシュ](UBS)
 概ね妥当だと考えています。経済は穏やかなソフトランディングに向かっていると見ていますし、ハードランディングやリセッションのリスクは低下したと思います。ノーランディングのシナリオも残っていますが、それには2つのパターンがあると考えています。1つは、需要が牽引するノーランディングで、この場合、利益や経済の見通しが市場予想以上に強くなるため、最終的にはインフレ圧力が遅れてリスクが発生するシナリオです。しかし、少なくとも短期的にはクレジット市場への悪影響は少ないと見ています。
 もう1つのリスク・シナリオは、供給側からのショックによるものです。たとえば、石油や技術関連でのサプライチェーン問題が発生する場合、企業利益に対する影響が大きくなる可能性があります。全体として、クレジット市場の見通しは比較的良好で、デフォルト率も安定しています。
 選挙を控えて、トランプ大統領の勝利や共和党の圧勝が市場にとって最良のシナリオと考えており、これはクレジットスプレッドにとっても好材料となるでしょう。選挙後の金融環境を考えるとき、クレジットスプレッドの方向性が重要ですが、オフショアの賭け市場(offshore betting markets)の予想が正しければ、クレジットスプレッド全体の見通しは非常にポジティブだと思います。


[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 ウィニーさん、2025年に向けてリスク許容度が高まる一方で、マシューさんが指摘したように選挙に伴う不確実性もあります。選挙結果によってもたらされる異なる結果が、来年のクレジット市場の流れに影響を与えるのでしょうか?
 

[ウィニー・シザール](クレジットサイツ)
 興味深い質問ですね。直近の2つの大統領選挙を振り返ると、2020年の民主党の勝利と2016年の共和党の勝利では異なる結果でしたが、どちらの選挙でも株式市場やクレジット市場は大きく上昇しました。しかし、当時のバリュエーションのスタート地点は大きく異なり、2020年はコロナからの回復期、2016年はコモディティショックからの回復期でした。つまり、単純に比較するのは難しいです。
 実際、クレジット市場の選挙サイクルにおけるバリュエーションを考えると、2004年まで遡る必要があります。その際も短期的には3〜6か月で堅調に推移しましたが、12か月後にはスプレッドが横ばいに転じました。そのため、クライアントには選挙のノイズに惑わされず、経済のファンダメンタルズに注目するようアドバイスしています。
 今はクレジットサイクルの中盤、いわば、統合フェーズに入りつつあり、企業は財務再編やスピンオフ、M&Aを活用し、積極的な利益成長を狙っています。しかし、経済やビジネスサイクルの成熟期に入るにつれて、自然と成長ペースは落ち着くことになるでしょう。
 

[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 私もM&Aやレバレッジドローン取引には非常に関心があります。投資銀行家たちは、どの政権になってもM&Aの活発化が続くだろうと言っていますが、この市場にとって今どれほどの供給が必要でしょうか。また、大規模なレバレッジド・バイアウトへの投資意欲はどれほどあるのでしょうか?
 

[マシュー・ミッシュ](UBS)
 特にトランプ政権下で、共和党が議会を掌握する場合、クレジット市場の2つの主要な推進力は、1つ目が規制緩和、2つ目が法人税率の引き下げになると考えています。規制の面では、特にテックなどの大規模な公開取引に対する重荷が軽減される可能性が高いでしょう。
 また、米国の10年債利回りについて、共和党の圧勝が必ずしも急上昇を意味しないと考えており、やや楽観的な見方をしています。確かに大規模な財政赤字は続く見込みですが、これは政権の色に関わらず共通の課題です。関税政策も、前回のトランプ政権と同様に徐々に進展するでしょう。また、多くの資金供給は2026年以降になると見ています。
 つまり、たとえ共和党が勝利しても、社債の利回りが急騰することはないと考えています。規制緩和、安定した利回り、そして市場に好意的な政権という組み合わせが揃えば、特にスポンサーによるM&A活動が活発化し、レバレッジドローンやプライベートクレジット市場での資金調達に拍車がかかることになるでしょう。
 

[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 ウィニーさん、M&Aだけでなく、例えば今朝のようにシェブロンが資本還元計画のために債券市場を活用する動きもあります。こうした動きについて、今後さらに活発化するとお考えでしょうか?
 

[ウィニー・シザール](クレジットサイツ)
 ここは少し複雑な状況です。このような取り組みが経営陣にとって実際に成果を上げるには、依然として比較的低金利の負債が必要です。しかし、格付け全体で見ると、借入コストはパンデミック期の低金利から大幅に上昇し、2014年や2019年初期の水準と比較しても高くなっています。
 経営陣がバランスシートを見直し、追加のレバレッジを使って株主へのリターンを高めることを検討する意欲はあると思いますが、格付けが低い企業では難しいでしょう。例えば、ダブルB級の企業でも、以前の4%の利回りではなく6%から12%といった高利回りでの借入になるため、株主還元の構造や収益性に大きな影響を与えることになります。
 

[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 多くの計算が必要になりますが、今後数日から数週間で状況がさらに明確になることを期待しましょう。

 クレジットサイツのウィニー・シザールさん、UBSのマシュー・ミッシュさん、今後も引き続きお話を伺えるのを楽しみにしています。
 

 


3. 来週のイベント

 来週の注目イベントです。

 月曜日には耐久財受注データの発表、さらにバークシャー・ハサウェイ、マリオット、そしてRyanairの決算発表があります。

 火曜日はいよいよ米国の大統領選挙当日です。あわせてISMサービス業指数と、アポロ・グローバル・マネジメントの決算発表もあります。

 水曜日は選挙結果の集計が続き、S&PグローバルのPMIデータも発表されます。

 木曜日にはFOMCの決定があり、週間の失業保険申請件数も発表されます。

 金曜日にはミシガン大学の消費者信頼感指数、さらにパラマウントとスピリット航空の決算発表が控えています。 

 最後に、今回の雇用統計から注目点を一つ紹介します。
今回の企業回答率は47.7%と、1991年以来の低水準でした。これは2つのハリケーンの影響で調査期間が短縮されたためとみられます。BLSは今後も調査を続け、回答率を90%近くまで回復させる予定です。
この影響でデータが大幅に修正される可能性があり、今後の解釈には注意が必要です。

 



4. オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

Bloomberg Televisionより
(Original Published date : 2024/11/01 EST)

[出演]
  ソシエテ・ジェネラル
    スバドラ・ラジャッパ(Subadra Rajappa)
    米国金利戦略部門

  TD証券
    ゲンナジー・ゴールドバーグ(Gennadiy Goldberg)
    米国金利戦略部門

  クレジットサイツ
    ウィニー・シザール(Winnie Cisar)
    グローバル戦略部門

  UBS
    マシュー・ミッシュ(Matthew Mish)
    クレジット戦略部門

  Bloomberg
    ソナリ・バサク(Sonali Basak)



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