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[ポストFOMC]押し目買い期待か、調整継続か、見解は分かれるところ。(トム・リー)
昨日のポストFOMCの株価下落を受けて、市場の見方をいくぶん異にするFundstrat Global Advisorsのトム・リー氏とKKM Financialのジェフ・キルバーグ氏の2人を迎えて行われたCNBCのインタビュー・プログラムを紹介します。
トム・リー氏は、現在の市場を「買いの好機」と見なし、特に最近の下落を一時的な調整と位置付け、長期的な市場の力強さを強調。一方、ジェフ・キルバーグ氏は、短期的な市場のボラティリティやバリュエーションの見直しが進む可能性を挙げ、慎重な姿勢を示しています。
議論は、市場反応の見立て、株価バリュエーション、急上昇したVIX指数、そして小型株について。以下は、両氏の今後の市場見通しの要点です。
トム・リー :
直近の下落は投げ売り的な一時的なものであり、早期の市場回復が期待できる
買いの好機であり、2025年も市場は力強さを維持する見通し
小型株も長期的にはバリュエーション面で魅力がある
ジェフ・キルバーグ :
短期的にはバリュエーションの見直しが必要
FRBの政策や過去の急激な株価上昇に依存しすぎている市場の状態を警戒
短期的な株価ボラティリティの変動性が高まる可能性から慎重姿勢を維持
1. インタビュー
[ケリー・エヴァンス](CNBC Television)
次に迎える2人のゲストのうち、一方は、現在が絶好の買い時であり、FRBが引き続き市場をサポートしていると考えている方です。そしてもうお一人は、FRBがしばらくの間様子見を続ける可能性があり、インフレが再燃すれば再度利上げに踏み切る可能性があると見ている方です。このテーマについて、Fundstrat Global Advisorsの調査部門責任者であり、CNBCのコメンテーターでもあるトム・リーさんと、KKM Financialの創設者兼CEOであり、同じくコメンテーターのジェフ・キルバーグさんです。まずトムさん、今が買い時だとお考えでしょうか?
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[トム・リー](Fundstrat Global Advisors)
我々の見解では、今回もまた買いの好機だと考えています。2024年は、市場が力強さを示しており、弱さの持続がほとんど見られない年となっています。確かに、昨日の調整はとても痛みを伴うものでしたが、我々としては、株式を支えるファンダメンタルはしっかりしていると考えています。このタイミングは、投資家にとって良いチャンスだと考えています。
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・スポットVIXは74%急上昇し、過去2番目の大きなスパイクとなった
・VIXの大幅な上昇は、完全な押し目買いの瞬間を示す
[ケリー・エヴァンス](CNBC Television)
投資家にとって良いチャンスだということですね?ジェフさん、少し違ったご意見をお持ちでしょうか。
[ジェフ・キルバーグ](KKM Financial)
トムさんの基本的な見解には異論はありませんが、金利の状況や、今後見込まれる税制、関税、財政赤字といった要因を考慮する必要があると思います。昨日起こったことは、VIX指数が過去2番目に大きく動いたという事実です。歴史的に見ると、トムさんが言う通り、VIXが急上昇した1か月後にはS&P500が上昇しているケースが多いのですが、今回はその歴史的トレンドに依拠するのは難しいと考えています。これは、S&P500の上位10銘柄の評価が過大で、直近で一方的な上昇が続いているためです。
過去2年間は25%を超える上昇が連続しており、投資家たちは市場がさらに上がり続けるという見方に慣れすぎてしまっています。これには、FRBが7兆ドル規模のバランスシートを維持し、ハト派的な姿勢を取ってきた背景があります。
トムさんがトラック車両を後退させて投資を増やしたい気持ちは理解します。私もトラックのエンジンはかけていますが、まだ後退させる準備はできていません。バリュエーションの見直しが進む必要があると思います。それがここ数か月、もしくは来年のQ1に起こる可能性があると見ています。ですので、市場が1日や2日で急速に再評価されるのではなく、1~2四半期をかけて見直しが進むと考えています。
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・S&P500の上位10銘柄で大規模な利益確定売りが見られた
・さらにバリュエーションとローテーションが進んでVIXは40を超える可能性がある
[タイラー・マティセン](CNBC Television)
トムさん、ここ最近のデータを見ると、やや控えめに言っても下落が続いているようですね。10日連続で下落している状況です。昨日、90%の下落があったことで、投げ売りの兆候をご覧になったとおっしゃっていますが、それについて詳しく教えていただけますか?
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[トム・リー](Fundstrat Global Advisors)
はい、そう言いました。市場はここ10日間にわたってじわじわと下落していました。しかし、昨日は90%の下落が見られたことで、投げ売りの兆候が顕著に現れたと感じています。さらに注目すべきは、VIX指数、特にスポットVIXが75%も急騰したことです。これは、1日で60%以上上昇した過去の例がわずか4回しかない中で、昨日がその5回目となりました。
過去の4回のうち3回は、市場は1週間以内にすべての損失を取り戻しています。残る1回は1か月かかりました。ですので、昨日の動きは、年末が近いこともあり、モメンタム取引が終わりつつあると考えた投資家たちが慌ててポジションを手放した結果だと思います。
ただ、興味深いのは、先物のVIXカーブがほとんど動かなかった点です。昨日は、あたかも投資家たちがVIXを通じて保険をかけていたようにも見えました。
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[タイラー・マティセン](CNBC Television)
ジェフさん、これからさらにバリュエーションの見直しが進むと考える理由は何でしょうか?
[ジェフ・キルバーグ](KKM Financial)
理由は単に昨日が1日の下落にとどまったからです。通常、価格が再評価や見直しを受ける際には、複数日連続で下落が続くものです。この連続した下落が、信用取引の追証を引き起こします。インタラクティブ・ブローカーズ証券のトップも、マグニフィセントセブン銘柄における信用取引について懸念を示していましたよね。
今日のような状況を見ると、パッシブ指数が主要3指数を支えているのがわかります。NvidiaやFacebookのような銘柄が戻ってきているのは、人々がパッシブインデックスに資金を投入しているからです。この短期的なボラティリティについては懸念がありますが、私は今後1~2か月間、このボラティリティを受け入れるべきだと考えています。これまでのように、昨年11月以降、特に選挙結果が出た11月5日以降のような一直線の上昇が続くとは思えません。
短期的には懸念がありますが、2025年に向けては慎重ながら楽観的です。ただし、さらなるボラティリティは避けられません。今回の出来事は、水面下で爆発した爆雷のようなもので、今後も波紋が広がっていくでしょう。
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[ケリー・エヴァンス](CNBC Television)
トムさん、小型株について少しお話を伺いたいのですが、小型株にはこういった瞬間がありますよね。とても有望に見えて勢いよく上昇するもののその後突然停滞してしまうようなことが。多くの投資家が、このような振る舞いに対してフラストレーションを感じ、持ち続ける価値があるのかと疑問を抱いています。この点については、どうお考えでしょうか?
[トム・リー](Fundstrat Global Advisors)
そうですね、小型株に関しては、投資家が「またか」と思うような状況が続いているのは事実だと思います。昨日の動きもその一例です。市場が不安定になりリスクオフの状況になると、買い手が消えてしまい、流動性の低い銘柄が特に大きな打撃を受ける傾向があります。そのため、ラッセル指数はここ数週間圧力を受け続けており、昨日はさらに大きな下落がありました。
ただ、今後5年間、小型株を魅力的にする要因が損なわれているかというと、そうではないと考えています。この10年間、小型株は過去125年間で2番目に大きなパフォーマンスの低迷を経験しており、これは1998年を除けば最大のものです。そのため、バリュエーションが引き下げられた状態にあり、これからの展望はむしろ明るいと思います。
つまり、格下げされただけでなく、規制緩和のロードマップがあり、企業合併の可能性が見えており、小型株で大きな比重を占める金融セクターには今後の改善の見通しがあります。また、バイオテクノロジーも同様に、小型株で重要な分野ですが、取引活動が活発化しているため、こちらも期待が持てます。ですので、今回の下落もまた買いのチャンスだと考えています。
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2. オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
CNBC Televisionより
(Original Published date : 2024/12/19 EST)
[出演]
Fundstrat Global Advisors
トム・リー(Tom Lee)
Head of research
KKM Financial
ジェフ・キルバーグ(Jeff Kilburg)
Founder and CEO
CNBC Television
タイラー・マティセン(Tyler Mathisen)
ケリー・エヴァンス(Kelly Evans)
<御礼>
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だうじょん
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