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[9/26]NVIDIAの株価800ドルは、避けることのできない未来(BCG)


 ボストン・コンサルティング・グループの創設者であり、元CEOのフィル・パナロ氏は、NVIDIAの株価が2030年までに800ドルに達すると予想しています。
 同氏は、NVIDIAのデータセンター事業収益の40%がハイパースケーラーからのものであることに触れ、このことが逆に潜在的な成長余力が大きいことを示しているとして、今後、企業や政府、地方自治体がAIやOmniverseへの投資を加速していくとの見解を示しています。また、NVIDIAの年間収益は2030年までに現在の約10倍となる6000億ドルに達するとし、NVIDIAが優れたチップを作り続ける限り、株価が800ドルに達するのは、ほぼ避けられない未来であるとの見解を述べています。

[主なトピックス]

  • 市場の拡大とNVIDIAの成長見通し

  • ハイパースケーラーとのパートナーシップと潜在需要

  • 企業・政府・地方自治体:AIに限定されない活用





(1)インタビュー


[オリバー・レニック](Schwab Network)
 本日はフィル・パナロさんにご参加いただいております。フィルは、ボストン・コンサルティング・グループの創設者であり、元CEOです。フィル、今日はお越しいただきありがとうございます。

[フィル・パナロ](BCG Founder)
 オリバー、ありがとうございます。

[オリバー・レニック](Schwab Network)
 最近、経済が回復し新たな成長が期待される中、マーケットがテクノロジー分野に大きく依存している状況が続いています。
今の時点で、マーケットにとってどちらが大きな要因になっているとお考えでしょうか?

[フィル・パナロ](BCG Founder)
 私の考えでは、NVIDIAは次世代チップであるBlackwellのリリースを待っている状態だと思います。これまでの流れを見てみると、例えば2022年9月に「Hopper」をリリースした時、その前は株価が低迷または横ばいでしたが、リリース後には数百パーセントも上昇しました。私は、同じようなことがBlackwellでも起こると予測しています。マーケットは、Blackwellチップが第4四半期にリリースされるのを待っている状態で、それが実現すれば、2025年に大きな株価の上昇が見られるでしょう。
 ただし、私がNVIDIAの株価が2030年に800ドルに達するという見方は、単にチップに限った話ではありません。今はAI革命が始まったばかりで、まだ第一段階に過ぎないことが大きな理由です。加えて、私たちはWeb2からWeb3への移行期にあります。Goldman SachsやMorgan Stanley、Citibankは、この移行が市場において10兆ドル規模のものになると見積もっています。NVIDIAは、これを実現するためのアクセラレーテッド・コンピューティングを支える企業であり、その市場の大部分を担うことになると考えています。


[オリバー・レニック](Schwab Network)
 現在の状況を振り返ると、ハイパースケーラーたちが何十億ドルも投資しているのが見て取れます。例えば、マイクロソフトが20年分の原子力エネルギーを確保しましたが、このような短期的な過剰投資にリスクはないのでしょうか? AIの開発がこの動きを正当化するためには、どのようなベンチマークを達成する必要があるとお考えですか?

[フィル・パナロ](BCG Founder)
 多くの人がNVIDIAの収益について話し、その40%が4~5社のハイパースケーラーからのものだと言いますよね。でも、実はこれがNVIDIAの株価が上がる理由として最も強い根拠なんです。他の顧客を見てみると、まだAIを完全に活用していない企業がたくさん存在しています。Fortune 500のうち490社は、AIを十分に導入できていない状況です。それは彼らはまだAIを理解していないからです。さらに、Web2からWeb3へインフラを刷新する都市や政府、そしてAIの軍拡競争に加わる国々もいますが、NVIDIAはまだその分野に十分に進出していません。将来的には、これらの分野がNVIDIAの収益の大きな部分を占めるようになると考えています。
 つまり、NVIDIAが今後も優れたチップを提供し続ける限り、株価は「天井知らず」になる可能性がある、というのが私の見解です。

[オリバー・レニック](Schwab Network)
 800ドルというのは、株式分割前の話をしているわけではありませんよね?

[フィル・パナロ](BCG Founder)
 そうですね、前回私が出演した時にNVIDIAの株価が800ドルで、8,000ドルに達すると予測していました。その後株式分割があって、今は下がっているんですが、また計算をしてみた結果、株価は800ドルに戻ると考えています。単純な計算で、同じ倍率を使っていますが、具体的な数字をお伝えします。
 前回お話ししたとき、NVIDIAの年間収益は約600億ドルでした。私たちは、これが2030年までに6000億ドルに成長すると見ています。つまり、収益は10倍になるということです。これは、eコマースのサイクルがAI革命の成長サイクルと似ているためです。
 例えば、Amazonは2005年に株価が60ドル、収益が100億ドルでしたが、2015年には収益が1,000億ドルに達し、株価は600ドルに上がりました。同じようなことがNVIDIAにも起こると考えています。現在、株価が80ドルだとして、これが800ドルに達し、収益も600億ドルから6,000億ドルに成長すると予測しています。これはしっかりとした根拠に基づいた予測です。
 ただし、自信過剰に聞こえるかもしれませんが、NVIDIAがこれからも優れたチップを作り続ける限り、これはほぼ避けられない未来だと思っています。現在、AIの経済への浸透率は1%にも満たない状況です。企業、都市、自治体、政府、軍事分野がAIを効果的に活用するために今後巨額の投資が行われるでしょう。これからも莫大な資金がAIに投入されるのは確実です。


[オリバー・レニック](Schwab Network)
 政府や地方自治体がAIを日常生活に組み入れることについてお伺いします。AIはもうプロセスの中に組み込まれているのでしょうか? まだ民間セクターに留まっているように見えますが、これが政府や地方自治体に広がるのはいつ頃になるとお考えですか? かなり大きな成長のチャンスがまだ残っているように思いますが、いかがでしょうか?

[フィル・パナロ](BCG Founder)
 そうですね、実際に企業と話をしていますが、具体的な事例を示すのが効果的だと思います。
 例えば、現在多くの都市政府が、AIを活用してデジタルツインを通じてビルを自律的な建物に自動化する方法を模索しています。NVIDIAの強みを理解していない人もいますが、NVIDIAは単にチップを提供するだけでなく、「Omniverse」というデジタルツインのプラットフォームや、「CUDA」というプログラミング言語も提供しています。これを使えば、物理的な建物のデジタルツインを作り、スマートフォンからその建物全体を操作することが可能です。これにより、全ての資産インフラを自動化できるのです。
 また、もう一つは、機密保持の関係から具体的な話はできませんが、ある連邦政府との対話もありました。彼らは各省庁にAI担当者を任命し、全ての資産をデジタル化したいと考えています。これはつまり、すべての資産をデジタル化し、デジタルツインを使って運用・監視・管理を行うということです。

 要するに、先ほども言いましたが、NVIDIAの現在の市場浸透率は40%です。多くの人はそれがハイパースケーラーに限られているためネガティブに捉えますが、実はこれは大きなプラスで、潜在成長を示しています。これらのハイパースケーラーはAIの利点を十分に理解しており、だからこそAIに多額の投資を続けています。一方、企業や自治体、連邦政府、そして最終的には軍事部門など、まだAIの恩恵を十分に活用していないセクターも多いです。これからAIの軍拡競争が始まり、AIをリードする国や企業、都市が、世界をリードする存在になると考えています。


[オリバー・レニック](Schwab Network)
 興味深いですね。目標も素晴らしいですし、新しい視点も非常に興味深いです。高い目標に近づけるかもしれませんね。
AIが強い影響を与えている今日のマーケットについての貴重な見解に感謝いたします。本日はありがとうございました。




<オリジナル・コンテンツ>

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尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

Schwab Network
(Original Published date : 2024/09/26 EST)



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だうじょん


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