線香花火は夏の色
「今日、花火しない?」
そんな誘い文句から、唐突に花火をすることになった。
長かった梅雨がようやく明けて、空はもう夏の色をしていて、
待ちわびていたかのように蝉の声が響いていた。
声を掛けたのはもう夕暮れ時で、空いているか分からないけれどダメ元で、と思い連絡をしてみた。
こんなに夏の色をしている土曜日を、そのまま終わらせてしまうのは勿体無いし、かといってなかなか密室空間へは遊びに行きづらい。
「え!やりたい!」
「行けるよ〜!」
そんな返事が返ってきて、急遽花火大会をすることになった。
それから花火を買いに行って、ついでにサーティーワンでポッピングシャワーを頬張って、ついでについでにコンビニでビールを手に入れて、家の近くの花火ができる大きな公園に向かった。
もう夜だというのに公園には家族連れがたくさんいて、各々花火を楽しんでいた。なかには浴衣を着ている小さな子どももいて、そうか今年は浴衣を着て花火大会に行くのは難しいもんね、なんてことを思った。
花火をするのなんて久しぶりで、でもやっぱり何歳になってもワクワクするものなんだと思う。楽しいね、なんて笑いながら、次々と花火に火をつけていく。
数時間前に声を掛けて急遽集まるところも含めて全てが青春で、学生時代に戻ったような、学生時代よりももっと楽しいような、そんな感じだった。
今年の夏は去年までとはまた様相が異なるけれど、「2020年の夏も、あれはあれで良かったよね」と思えるものにできたらいいな。
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