辻真輝

香港在住約20年の物書きの端くれ。香港の片隅で、昨今の中国・香港情勢の変化を見届けてき…

辻真輝

香港在住約20年の物書きの端くれ。香港の片隅で、昨今の中国・香港情勢の変化を見届けてきた。日中戦争を含む第2次世界大戦に関する調査や取材をライフワークにしている。

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香港 戦争の記憶と伝承に挑む③「戦跡に行って、見て、触って」 香港歴史研究者・高添強さん 

旧英国領だった香港には、第2次世界大戦の前後に英軍あるいは旧日本軍が建設したり関わったりした戦争遺跡が今でも数多く残っている。だが、英国と中国両政府のはざまで翻弄されてきたという香港の歴史や、旧日本軍による占領という英中双方にとって不都合、かつ負の歴史を想起させることから、長く放置されてきた。   今から約30年前に、戦争遺跡の歴史的意義や価値を感じ、単独で調査を始めたのが、香港で生まれ育った高添強さん(59)だ。高さんが1995年に刊行した香港初の戦争遺跡に関する著書は反響

    • 香港 戦争の記憶と伝承に挑む⑥日本陸海軍・軍装と装備展を初開催 

      非公開で実演も

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      • 香港 戦争の記憶の伝承に挑む⑤「言語学習を通じた相互理解が平和のカギ」侯清儀さん 海浜文化導賞会主席・香港歴史文化研究会理事

        香港で30年にわたり日本語教育に携わってきた侯清儀さんは、香港と日本の交流史の研究や市民への積極的な伝承活動で知られる。流暢な日本語だけでなく、柔和な笑顔と穏やかな語り口が印象的だ。活動の原動力となっているのは何なのか、話を聞いた。 ーー生い立ちについて教えてください。 わたしはフィリピン華僑を背景に持つ閩南(中国福建省南部の呼称)の僑眷(きょうけん、同国内に居住する華僑の家族)です。閩南人は16世紀の明朝時代に福建からフィリピンに渡りました。華僑というとお金持ちをイメージ

        • 香港海防博物館が再開~抗日関連展示を拡充、英国統治時代は遠く~

          香港島東部の香港海防博物館が11月下旬、大規模改修工事を経て、約4年ぶりに再開した。2018年9月の大型台風で深刻な被害を受け、改修工事が続いていた。常設展示も大幅に刷新し、抗日戦争に関する内容を増やしたのが特徴だ。一方で、改修前の主要部分を占めていた英国統治時代の展示が大幅に減った。

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          戦争と平和 日本と香港~旧日本軍の足跡をたどる~城門陣地跡編② 

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          香港・戦争の記憶継承に挑む②「抗戦記念館、早期に設立を」香港抗戦歴史研究会会長 吳軍捷氏

          香港でも第2次世界大戦の経験者が減り、記憶の継承が課題となっている。英領だった香港で旧日本軍と戦った英軍関係者で存命なのは、既に2人だけとなった。では、本当に「歴史」となってしまったのかというと、そうとはまだ言い切れない。さまざまな立場の人が、記録や記憶の伝承に努めている。

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          香港・戦争の記憶継承に挑む②「抗戦記念館、早期に設立を」香港抗戦歴史研究会会長 吳軍捷氏

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          香港・戦争の記憶継承に挑む①「入会資格、家族・子孫にも」香港退伍軍人聯会主席 林秉惠氏

          戦後77年近くが過ぎ、香港でも戦争体験者の減少に伴って記憶の継承が課題となっている。太平洋戦争中、英国軍として多数の中国籍兵士らも参加し、旧日本軍と戦った。香港の中国返還後、中国籍兵士の多くが「失業」を余儀なくされたが、彼らの拠り所となったのが、退役軍人団体「香港退伍軍人聯会」だ。同聯会主席で、元英陸軍上尉の林秉惠(アルバート・ラム)氏(69)に現状や今後の取り組みなどを聞いた。 香港では、先の大戦に参加し、中国籍最後の英軍兵士とされた蔡彼得(ピーター・チョイ、本名・蔡炳堯

          香港・戦争の記憶継承に挑む①「入会資格、家族・子孫にも」香港退伍軍人聯会主席 林秉惠氏

          日本占領期の市民講座、香港で開催広がる

           2021年12月、旧日本軍が香港を占領してから80年の節目を迎えた。香港では、同年11月ごろから、日本軍による香港占領80年と満州事変の発端となった柳条湖事件勃発90年、太平洋戦争開戦80年に合わせ、市民向け講座を開く動きが広がっている。新型コロナウイルス下でオンライン形式を柔軟に取り入れ、今のところ、予定通り進められている。

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          日本占領期の市民講座、香港で開催広がる

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          蔡省三さんを悼む 最後の国民党戦犯

           「最後の国民党戦犯」と呼ばれた元国民党幹部、蔡省三氏が今月6日、香港で亡くなった。103歳(数え年104歳)だった。第2次世界大戦後に再開された共産党との内戦に敗れ、「戦犯」として中国大陸で25年もの抑留生活を経験。1975年の特赦で英領だった香港の地を踏んだ後は、著述家・評論家として余生を過ごした。 ***  筆者が蔡氏と初めてお会いしたのは、ちょうど9年前の2013年1月。新界地区・天水囲の公営団地にあるご自宅だった。既に90歳を超えていたが、才気煥発(さいきかんぱ

          蔡省三さんを悼む 最後の国民党戦犯

          「最後の国民党戦犯」蔡省三氏死去 

          台湾元総裁・蒋経国氏の寵愛(ちょうあい)を受けた若き俊英だった 元日本軍幹部や「ラストエンペラー」溥儀らと撫順戦犯管理所で生活した 最後まで中台の平和的統一を願っていた 「最後の国民党戦犯」とされる元国民党幹部の蔡省三氏が今月6日深夜、香港の病院で死去した。103歳(数え年104歳)だった。昨年12月上旬に体調不良のため緊急入院し、闘病生活を続けていた。国共内戦に敗れた後、「戦争犯罪人(戦犯)」として中国大陸で25年の拘留生活を送った。1975年に共産党政権の特赦により

          「最後の国民党戦犯」蔡省三氏死去