愛媛県産「コショウダイ」と「ポワソニエ」
今日は、愛媛県産のコショウダイが入荷しました。
コショウダイは、タイと名前についているけど、イサキ科の魚です。
魚の名前は、地域によっていろいろな呼び方があり、コロダイやヘダイなどとも呼ばれています。
大型で脂ののった白身、皮が分厚くて硬いので、皮目に小麦粉をつけてしっかり、カリッと焼きます。
今回仕入れたコショウダイには、いなかったですが、寄生虫の「ディディモゾイド」がいる場合があります。食べても無害な寄生虫らしいですが、いたら取り除きます。
「ディディモゾイド」って名前がいかに悪そうですね。
写真は、鱗と内臓をとって、さばく前の状態です。
比較的さばきやすい魚で、歩留まりもいい方です。
さばく順番は、頭を切り落として、腹、背、背、腹というのが基本ですが、魚によっては、背、腹と行ったり、背から中骨を通り越して、腹までさばいたり、頭の方からしっぽまで、ざっくり切ってさばく事もあります。
キレイに仕上がれば、さばき方は自由でいいんです。
僕が入社したホテルの見習い2年目に、魚の仕込みを担当する、ポワソニエに配属されて、そこでたくさんの魚が捌けるので、かなり練習させてもらいました。オマール海老とかも、見るのが嫌になるぐらい、大量にさばきました。
そんな中で、いちばん印象的だったのが、スッポンさばきです。
生きているスッポンは、噛まれると危険なので、まず首から切り落とすのですが、なぜか僕がその担当になって、首切りだけやっていました。
スッポンが首をながーく伸びた瞬間に、ギュッと掴んで根元から切り落とします。
「痛そうー!」と思うのでできるだけ素早くしてました。
食材にこだわりを持っていた料理長だったので、生きている魚介類を使うことが多く、殺生することも多かったです。
「ポワソニエ」に配属された事によって、あらためて僕らは、生命を食しているんだなあと実感できました。
家畜化された肉類とは違って、魚介類はほとんど野生の生物なので、乱獲によって将来魚がいなくなるかもしれないと、聞いたことがあります。
とか、先のことを考えて心配しても、未来はわからないし、過去は変えられないので、食べ物を無駄なく大切に使うことを心がけていきます。
われわれが進もうとしている道が正しいかどうかを
神は前もって教えてくれない。
アインシュタイン