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平成の調理場あるある

こんにちは
1991年のバブル崩壊始まりに社会人になった、ラ・フェ修家です。

1991年といえば平成3年で、入社した年はまだバブルの余韻があり、とても忙しくって毎日クタクタでした。

今は2021年なので料理人歴30年ですが、ホテルやレストランの経験で見てきた、調理場あるあるを紹介いたします。

古臭い話で、今ではなくなっていることなどもあります。

出勤時間

今では、少なくなっているかもしれないですが、新人だった頃は、出勤時間の1時間前に出社して、朝食やコーヒー、朝の準備などをしていました。

出勤時間ギリギリはありえない状況で、少なくとも30分前には出社してました。

勤務時間

勤務時間は12時間以上が普通で、残業手当ても正味出ない、休憩も少なめ、食事は早食い、喫煙者が多いため喫煙者だけ謎のタバコタイムがある。
僕は非喫煙者です。

今でもこういう状況の人は労働基準監督署に相談してさい。

あいさつ

あいさつは、朝、昼、夜、関係なく「おはようございます」

略して「ザァァーースッ」

まかない

早く作って、早く食べる。

先に食べてもいいよって言われても、先輩より先に食べると注意される。
おいしくないと食べてもらえない。捨てるヤツもいる。
こういう、しょうもない習慣は自分が上司になってやめました。

おいしくないまかないを作る料理人もダメだけど、捨てるヤツは、もっとダメ。料理って「命の集大成」なんやで。
命を取られる動物には、うまいもまずいも関係なし。

暴言、暴力

今では減りましたが、暴力(殴る、蹴る)暴言は日常茶飯事。
僕が言われた暴言は「アホ」「ボケ」「帰れ」「死ね」
ひどい時は(僕はされてないですが)、身体中をラップで巻かれたり、ゴミ箱に入れられたり、プロレス技をかけられたりしている、同期もいました。
これは、犯罪ですね。

今でも暴力や暴言に苦しんでいる方は、スマホで録画、録音して証拠をとって、警察に相談してください。
正当な暴力はありません。

セクハラ・パワハラ

セクハラ・パワハラも普通にあり、調理場は女性スタッフが少ないので、すぐに餌食になります。
女性も負けてないですが。

今でもセクハラ・パワハラに苦しんでいる方は、スマホで録画、録音して証拠をとって、労働基準監督署に相談してさい。

やけどは日常茶飯事

やはり火や油を使うので、やけどの後が手にたくさん着きます。
半袖のシャツが着れないぐらいの人もいました。

僕はやけどの痕がほとんどないのですが、ちゃんと仕事してます。

手が荒れる

新人のときは特に洗い物の仕事が多いので、手荒れをする人が多かったです。

僕は手荒れはしなかったのですが、ちゃんと洗い物してました。

博打

パチンコ、競馬、麻雀する率高め。
先輩に麻雀誘われたら、負け率も高め、イカサマされてたかも。
地下帝国には行かなかったです。

タバコ

厨房でタバコ吸う人多め。
僕は非喫煙者なので「くっせえわ!」
そもそも食材の前で吸うなよ。
ついでに味覚と嗅覚も麻痺しますね。

オススメ料理の罠

今日のおすすめはって聞くと、いちばん早く消費したい(賞味期限が近い)食材が使われることがある。(全てではない)

「シェフの気まぐれ」も同じ傾向があります。

こういうことを知っていると、おすすめを聞かないし、逆に聞かれても、お好きのものをお選びくださいって言ってしまいます。

残り物や試作品の味見ができる

肉の切れ端や、鍋に残ったソースを味見できるのはうれしいところです。
サンプルの食材や、試作段階の料理の味見も勉強になります。

先輩がおごってくれる

暴力、暴言はあっても、プライベートは、気前がよく楽しい人も多いです。
上司と食事に行ったら、たいてい奢ってもらえました。

後ろ通ります

調理場では、刃物や熱いものを持っている事が多く、背後を通るときにぶつかると危険なので、必ず「後ろ通ります」って言います.

フランス人は、「ショーchaud ショーchaud ショーchaud!」って言って通ってました。chaud=熱い

さいごに

愚痴っぽいところもありましたが、時代は令和になっていて、世の中が変化しているので、調理場のあり方も変化が必要です。

調理場は重労働で大変な部分もありますが、何より技術が習得できて、勉強になり、いろんな食材に触れる事ができるの、メリットもたくさんあります。

令和は調理場の労働環境が良くなることを願います。

そして、若者が将来、良い調理場を作ってください。




















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修家大雄 /レストラン ラ・フェ
貴重な時間を使って、記事を読んでいただきありがとうございます。有意義でお役にたてれば幸いです😊

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