寄り添うことは甘やかすこと?
私の支援に対する姿勢は、これまでもこのnoteで発信してきた通り、寄り添うことを重要視しています。ですが、信頼関係の築き方について、寄り添うという言葉を使って話をすると、稀に「甘やかすこととの違いは?」と言われることがあります。
寄り添うことは、甘やかすことと同義でしょうか。
私は、明確に違うと考えています。
甘やかすとは、言いなりになり、わがままにさせておくこと、というイメージです。
一方で、寄り添うとは、一緒に考えたり、同じ方向を向いて一緒に悩んだりすることだと、私は思っています。
寄り添うと甘やかすは、やはり全然違います。
彼らが感じている気持ちには全面的に寄り添って受容しますが、その行動に対しては必ずしも受容するわけではないのです。
小学校高学年以上の児童を想定した例として、ある女児のことを大好きな男児がいたとします。その女児のことが好きすぎるあまり、男児が女児のことを触ろうとしたら、どうしますか。
男児が女児のことを好きな気持ちには、全面的に寄り添います。「大好きなんだね」「その気持ちはすごく大切だよ」と伝え、気持ちに寄り添います。
しかし、触るという行動自体には、毅然とした態度で対応しなければなりません。所謂甘やかすのではなく、「気持ちは分かるよ、どうしたら良いのかな」と一緒に考えていきます。
社会的に認められない行動には毅然と対応をしますが、その行動に至った背景にある本人の気持ちには全面的に寄り添います。何に寄り添うか、明確に分けていることがわかると思います。
見えない部分の気持ちに寄り添うことこそ、周囲の人や支援者にとって必要なことだと思います。
寄り添うことは、決して甘やかすことではないのです。