【発達支援の現場から】現役支援員がリアルな情報をお届け

NPO法人ラフカが運営するWEBメディアです。発達支援の現場で感じていることや大切にしている関わり方等をまとめています。ご家族、支援者等、それぞれの立場から参考にできるものがあれば、適宜セレクトして活かしていただければ幸いです。 https://lafca.or.jp

【発達支援の現場から】現役支援員がリアルな情報をお届け

NPO法人ラフカが運営するWEBメディアです。発達支援の現場で感じていることや大切にしている関わり方等をまとめています。ご家族、支援者等、それぞれの立場から参考にできるものがあれば、適宜セレクトして活かしていただければ幸いです。 https://lafca.or.jp

マガジン

  • 発達支援のあれこれ

    関わり方の基礎は、心に寄り添うこと。甘やかすとは違う、心に寄り添いながら育てていくこととは、どのような配慮が必要なのか、障害福祉の現場からお伝えしたいと思います。 更新頻度は不定期です。障害福祉や発達支援に興味のある、ご家族や支援者に役立つ情報をお届けします。

  • 福祉の職場に関するあれこれ

    福祉業界において、やりがいのある職場環境とは?離職率を下げるには何が必要?といった疑問や課題に対して、あらゆる視点から考察していきます。 不定期での更新を予定。福祉業界で働いている方や職場環境を改善したいと思っている方に役立つ情報をお届けできればと考えています。

  • おすすめ情報あれこれ

    障害福祉の仕事をしながら、これは良い!と思ったコトやモノをご紹介 更新は不定期

最近の記事

  • 固定された記事

福祉の職場における人材育成に関する考察

みなさんの職場では、どのように人材育成が行われているのでしょうか。 実際の現場で教えたり(OJT)、座学で伝えたり(OFF-JT)、それらを組み合わせながら行われているのではないかと思います。 OJT(On The Job Training) 実際の現場で上司や先輩が仕事を教えること。 OFF-JT(Off The Job Training) 座学など通常業務から離れた場所で研修を行うこと。 OFF-JTは、座学で複数の職員に対して一度に講師が研修を行うため、質の担保が

    • 支援の辞め時、その判断材料とは

      本人にとって必要な支援を考えることは、保護者や支援者などの周囲の人々にとって、日常的なことだと思います。 視覚的な支援、環境を整える構造化についての支援、タイミングに関する支援など、内容は様々です。どうすれば更により良くなるのか、日々思考を巡らせていることでしょう。 このようにして支援を組み立てていくことと同じように、支援を辞めるタイミングにも思いを巡らせ、時には頭を悩ませているという話を聞くことはよくあります。 では、辞め時はいつなのか、考えてみましょう。 考え方は

      • 生活習慣を整える

        落ち着きのなさや普段の生活での困り感に対して、原因を探ってもなかなか答えに辿り着くことが難しい時があります。探った結果、まぁしょうがないか、と納得しようとすることもあると思います。 こういった場合、実は寝不足など、生活習慣が乱れていることが原因の場合があるのです。 まずは、夜にしっかり寝れるように、照準を合わせてみましょう。 昼間にたくさん遊んだり、食事の時間はなるべく早めに済ませたり、生活を整えるだけで、様々な困り感が減っていくことはよくあることです。 本人の疲れ感

        • 攻撃的な言動への対応

          身近な人の攻撃的な言動に対して、まだエスカレートする前であれば、以下のような方法で対応してみましょう。 まず本人に対して、「それは変だよ」「あなたはおかしい」など、行為や人格そのものを否定する発言は避けたいところです。 逆に、攻撃的な言動自体を受け入れることも避けるようにしてください。 では、どうすれば良いのでしょうか。それは「私は悲しいよ」などと、自分の感情を言葉で表現して伝えてみることです。ここでのポイントは、何かを否定するのではなく、自分の気持ちを相手へ伝えるとい

        マガジン

        • 発達支援のあれこれ
          34本
        • 福祉の職場に関するあれこれ
          4本
        • おすすめ情報あれこれ
          1本

        記事

          働きやすい職場をつくるための考え方

          働いている人にとって、仕事とは人生の多くを占めるにも関わらず、仕事をしたり職場に行ったりすることが憂鬱だと思う人は多いはずです。 どうすることもできない内容もあるかとは思いますが、大抵の場合、仕事の悩みとは人間関係にまつわることです。基本的には、何らかの解決にむけた努力をすることができるのではないでしょうか。 ここでは、働きやすい職場環境を実現するために、代表者や上司が、どのような考え方をしていけば良いのか、考察していきたいと思います。 福祉施設の場合、法人の代表者や各

          アート活動の可能性

          昔から障害福祉の現場では、アート活動や創作活動と呼ばれるプログラムが実践され、利用する人たちからも親しまれてきました。 アート好きな現場の職員が手探りで行ったり、著名なアーティストが関わっている事業所もあったりと、日々様々な現場で活動が行われています。 では、なぜ障害福祉の世界で創作活動や表現活動は、全国的に親しまれてきたのでしょうか。 アートで自己を表現することは何が良いのか、なぜ障害福祉に必要なのか、私なりに感じたことをまとめたいと思います。 例えば、アート活動で

          成長は螺旋階段

          「人の成長は螺旋階段のように」 この言葉を聞いて、スーッと腑に落ちたことを今でも覚えています。 同じことをコツコツと行っていて意味はあるのか、と不安になることもあると思います。焦る気持ちもあるでしょうし、子どもの成長を急かしてしまう気持ちもよく分かります。しかし、成長は急かすな焦るなが鉄則です。 コツコツと同じことを繰り返しているように見えても、経験を次に活かしたり、思考を巡らせたりしながら、実は螺旋階段のように能力は少しずつ上がっています。 本人と関わる周りの人たち

          エピソード ドライカレー作って

          昔、娘がまだ小さい頃「保育園で食べたドライカレーが美味しかったから作ってほしい」とリクエストがあったので、保育園のドライカレーがどのようなものだったのかを聞き取りして、意気込んで作ったことがありました。 いざ出来上がったものを差し出すと、「んー」と考え込んで、「食べたくない」「なんか違う」と言うのです。 喜び勇んで作ったのですが、食べてすらもらえずショックだったのを覚えています(笑)。 娘が4歳くらいの時期で、まだ何が違ったのか、何故食べたくないのか聞いても「分からない

          将来の生活を想像する

          将来、どのような生活を営むのか、本人ならこのような生活をするのかな、などと考えてみてください。 一人で通勤や通所をするのか、買い物をするのか、生活の場所は一人暮らしなのかもしくはできる限り親と同居なのか、それともグループホームや入所施設なのか・・・等、なるべく具体的に想像すると良いと思います。 それでは、想像した生活に必要な能力は何でしょうか。 将来生活する上で、必要となる能力から優先的に身に付けていくことを念頭に置きながら、関わってほしいのです。可能性を狭める必要はあ

          好きこそ物の上手なれ

          何事も好きであってこそ上手になる、という意味で、私の大好きな言葉です。人生や子育て、福祉の現場での支援において、大切なことが詰まっている言葉だと思っています。 楽しんで取り組むことで上手くなるということ、それはつまり、好きではないことである場合はどんなに努力していても上手になることは期待しにくいということでもあります。 なるべく好きなことをできる環境を整えて、好きではないことは少しでも好きになれるように創意工夫をしたいものです。 また、この言葉は、好きでもないことを取り

          【福祉のお仕事】法人格や規模による違いについて

          同じ福祉系の職場でも、法人格や法人規模は様々にあります。それによって、雰囲気やメリットデメリットは異なるものです。今回は、どのような違いがあるのかについて、ご紹介したいと思います。 法人格の違い社会福祉法人 特定非営利活動法人 一般社団法人(非営利型・営利型) 株式会社 合同会社 など 事業規模の大小は、法人格の違いに関わらず様々です。 社会福祉法人や特定非営利活動法人は、事業内容や役員への報酬に制限があるなど一定の制約はありますが、税制面での優遇や寄付を募りや

          【福祉のお仕事】法人格や規模による違いについて

          投げ掛ける言葉でその子の評価が変わる

          子どもへ声を掛ける際、どのような言葉を選んでいますか。 一対一で話す時の言葉選びはもちろん重要ですが、周りに関係性のある人がいる場合には、より一層慎重になった方が良いでしょう。どのような言葉を掛けているかで、その子に対する周囲の評価が変わってくるからです。 例えば、一人で思い出し笑いをしている子がいたとします。その子に対して、みんなの前で「一人で笑っているなんて変だよ」「気持ち悪いよ」と言うとどうなるでしょうか。その子の評価は、変な子で気持ち悪い子、となってしまうかもしれ

          褒めるのに効果的なタイミング

          家族の誰かの自己肯定感を高めたいと思った際、ただひたすらに褒めるのも良いのですが、今回は1回の称賛でその効果が長続きするタイミングについて、お話ししたいと思います。 結論 結論から言うと、 ・出掛ける前 ・寝る前 この場面が有効だと考えられます。 では、なぜこのタイミングなのでしょうか。 出掛ける前 家からどこかへ出かける際、子どもだったら学校へ行く前などには、不安で落ち着かなかったり精神的に不安定になったりすることがあると思います。 そのような場面で、何気な

          「言うことを聞いてくれない」とは、どんな状態のこと?

          「子どもが言うことを聞いてくれない」という悩みや相談がよくあります。 確かに、言うことを聞いてくれないと、一緒に過ごしていて辛いと思うことがあるでしょう。何か関わり方を間違ってしまったのか…そんな気持ちにもなると思います。 しかし、それは必ずしも悪いことではないので、安心してください。 そもそも「言うことを聞いてくれない」とは、どのような状態なのか。 それは、自己主張できている状態、と言い換えることもできます。 では、逆に「言うことを聞く」とは、どのような状態なのか。

          「言うことを聞いてくれない」とは、どんな状態のこと?

          【お知らせ】支援ノウハウをまとめた書籍を発行します

          「障害児者が生きやすくなるための支援ノウハウの普及を目的とした冊子作成事業」 2023年度日本郵便年賀寄付金助成事業において、配分団体として採択を受け、事業を実施することが決まりました。 このnoteで発信している様々なノウハウについて、1冊にまとめる予定です。 支援の現場に長く身を置き、たくさんの成長を見届け、多くの悩みを聞いてきました。 その中で、もっとこうすればより良くなるかもしれないな…と感じることは、正直に言うと多々あります。 でもそれは、直接面と向かって言

          【お知らせ】支援ノウハウをまとめた書籍を発行します

          寄り添うことは甘やかすこと?

          私の支援に対する姿勢は、これまでもこのnoteで発信してきた通り、寄り添うことを重要視しています。ですが、信頼関係の築き方について、寄り添うという言葉を使って話をすると、稀に「甘やかすこととの違いは?」と言われることがあります。 寄り添うことは、甘やかすことと同義でしょうか。 私は、明確に違うと考えています。 甘やかすとは、言いなりになり、わがままにさせておくこと、というイメージです。 一方で、寄り添うとは、一緒に考えたり、同じ方向を向いて一緒に悩んだりすることだと、私