見出し画像

人格は「児童期の遊び」によって形成される

放課後、お友だちと約束して子どもだけで遊ぶことは、ごく一般的で日常的な光景です。同年代の他児と約束をすること、話をしたり話を聞いたりすること、相手の気持ちを推し量ること、譲歩すること、喧嘩をすること、仲直りをすること…一から自分たちでルールを作っていく子ども同士の遊びの中には、そのようなことがたくさん含まれています。

我々の子ども時代を振り返ってみても、放課後の遊びが人格形成に寄与したということは、大袈裟ではないと分かると思います。

一方、療育を必要とする児童は、子ども同士で約束をして遊ぶことが困難な場合が多いです。気付けば親は、自分たちの児童期のことはすっかり忘れ、獲得させたい能力の訓練のみに力を入れているということがあります。彼らにとっても、放課後等デイサービスのような場で、放課後の遊びを保障するということは非常に大切です。

例えば、発語の種類が少なく、言葉を覚え始めた子がいたとします。その子が、目の前にいる子と一緒に遊びたい、この子を誘って追いかけっこをしたい、と自発的に思った瞬間は、言葉を覚える大きなチャンスです。すかさず「〇〇くん、あそぼ、だよ」と、誘い方を伝えます。

このような自発的な感情は、成長への大きな一歩です。やらされていることであれば、本人にとって覚えるメリットがないので覚えようとしない場合が多いです。自発的な感情が生まれる一番のきっかけは、やはり遊びということになります。

遊びは、言葉や人との関わり、他者の気持ちの理解や自己の気持ちの見つめ直しなど、ありとあらゆることを学ばせてくれます。子どもにとって遊びは必要不可欠なことなのです。

いいなと思ったら応援しよう!