
モノを買うことから学ぶ、関係性と主体性
子どもと大人の関係性の構築時に重要な判断
スーパーなど街中で、小さい子どもが何か買ってほしくて、泣きながら訴えている姿を目にすることがあります。ここでの対応が、その後の関係性の分かれ道になるのではないかと思います。
買い与えると買わされるの違い
子どもが泣いて訴えている姿を見ると、この場を早く収めたいなどの理由から、買う予定では無かったモノを買ってしまうということはあるでしょう。
しかしこういった行為は、泣いたら買ってもらえるという誤学習を強化してしまいます。
成長するに従って、泣くという表現から、怒ったり拗ねたりする表現へ変化していくことが考えられます。そうなると対応が難しくなります。
大人が子どもに買い与えるという関係性ではなく、子どもに大人が買わされるという関係性になってしまうのです。
この関係性は、買わされることだけに留まらず、様々な場面でも歪みを生じさせます。あらゆる面で子どもに主導権が移っているといえます。
大人が主導権を握り、冷静に判断する
買う買わないについては、あくまでも大人が主導権を握ることが、大人と子どもの健全な関係性の構築に繋がると考えています。
泣きながら訴えられても、本人が買いたいと思っている気持ちは受け止めつつ、必要のないモノは買わないという毅然とした態度を示し、何時間でも付き合う覚悟で冷静に関わってみてください。
何度かやり取りを繰り返すと、ルールを理解して、行動が変わってきます。
本人のお金の管理は本人に任せる
大人が支払いをするモノについての購入の判断は、大人側で一貫性をもたせる一方で、自分のお小遣いで購入するモノについては、一切口を挟まないということも大切です。
お小遣いは自分で自由に使えるのが原則
お小遣いやお年玉などの自分で貯めたお金の管理は、本人に任せることをおススメします。数万円程度の大きな金額だったとしてもです。
自分の判断で自由に使えるからこそ、知ることのできる大切なことがあります。お金の使い方を経験して、少しずつ学んでいくのです。
どんなお金の使い方が想定されるか
例えば、お菓子やぬいぐるみ、学校で最低限必要以外の文房具、漫画や絵本など、自分で使うモノがありますね。
自分が使うモノ以外では、旅行に行った際のお土産、友だちや家族への誕生日プレゼントなどが考えられます。
本人にほしいモノがあれば一番なのですが、ない場合でも、少しずつモノを買う経験をすることが望ましいです。
今回のテーマとは少し逸れますが、人へプレゼントを贈る時の喜びは、自分がプレゼントをもらう時の喜びよりも長続きするということが判明しているそうです。そのような経験も積んでほしいですね。
将来の就労意欲に繋がることも
自分で管理しているお金で何か買う経験を積むことは、将来の就労意欲にも繋がるでしょう。ほしいものがあるから働いて稼ぐ、という意欲です。
買ってもらうばかりで自分のお金で何かを買う経験をしていないと、稼ぎたいという気持ちが生まれにくいのではないでしょうか。
小さい頃の何気ないやり取りや経験が、将来の親子の関係性や本人の主体性に繋がっていることを意識してほしいと思います。
まずはお金の使い方について、親子で前向きに相談しながら、可能な限り管理を任せてみることをおススメします。