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本心と言葉で表出したことの乖離
「やりたくないことは、やらなくても良いんだよ」
この言葉をたまに聞くことがあります。相手の気持ちを受容していて良いことのようにも聞こえますが、実際はどうなのでしょうか。そもそも、本心は、本当にしたくないというだけなのでしょうか。本人の中に、本当はしたいけどできないという裏腹な気持ちはないのか、常に意識していきたいところです。
「どうしてやりたくないのかな?」と優しく尋ねていると、そのうちに自分が感じている気持ちや理由を話し始めることがあると思います。「それは確かに嫌だね」と気持ちを受容しつつ、もし少しでも挑戦してみたいという気持ちが見えるなら、「本当はやりたいけれど、〇〇が理由でやりたくないのかな」「この部分だけやってみるかな」等と、対話をしながら状況を整理してみてください。
表出した言葉だけを鵜呑みにしてしまうと、本当は挑戦してみたいという気持ちに気付けないことがあります。そうなると、経験する機会が減ってしまい、成功体験が乏しい人生を歩むことになってしまいます。本当は挑戦してみたかったという気持ちを間違った形で爆発させることにも繋がりかねません。
とはいえ、本人に無理強いさせるようなことはないように、注意深く見ていく必要があります。本心は、言語表出だけでは読み取れないということを常に意識しながら関わっていきましょう。