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支援の辞め時、その判断材料とは
本人にとって必要な支援を考えることは、保護者や支援者などの周囲の人々にとって、日常的なことだと思います。
視覚的な支援、環境を整える構造化についての支援、タイミングに関する支援など、内容は様々です。どうすれば更により良くなるのか、日々思考を巡らせていることでしょう。
このようにして支援を組み立てていくことと同じように、支援を辞めるタイミングにも思いを巡らせ、時には頭を悩ませているという話を聞くことはよくあります。
では、辞め時はいつなのか、考えてみましょう。
考え方は、単純です。
本人が必要としなくなった時、それがその支援の辞め時なのです。
よくある誤りとしてあるのは、本人はまだその支援を手立てとして使っているにも関わらず、保護者や支援者といった周囲の人々が「そろそろこの支援をやめてみよう」と、判断をして辞めてしまうことです。
本人がまだその手段を使っている場合には、無くなったことで混乱が生じ、場合によっては以前よりも一層混乱して、落ち着かない日々に戻ってしまうこともあります。
「この方法に頼ってばかりで大丈夫なのだろうか?」「もしかすると無くても生活できるかもしれない」と、焦ってしまう気持ちも分かります。しかし、誰しもが苦手なことを何らかの方法で補いながら生きている世の中です。その手立てがあることで落ち着いて生きていけるなら、一生そのままでも良いのではないでしょうか。
本人が必要としていない時、という判断は難しい場合もあると思います。例えばその支援の手立てを全く見なくなった時など、そっと様子を見てみてください。数週間、数か月、使わない日々が続いた時、それが辞め時の一つのタイミングです。
これがクリアになっていると、支援会議や事例検討の時にも、議論がスムーズになるではないでしょうか。
本人を中心に考えることが第一です。その視点を大切に、これからも良い支援を一緒に考えていきましょう。