パプアニューギニアから福井県勝山市へ!縫製でつながる世界
南国パプアニューギニアから雪の降るまち福井県勝山市へ。飛行機で約20時間の距離を越えてやってきた3人の女性が3ヶ月間、縫製技術の研修に挑戦。
彼女たちの目的は縫製技術者の少ないパプアニューギニア(以下パプア)で新たな産業の未来を切り拓くこと。その先駆者となるべく、産業発展のために縫製の技術や仕組みを学びに多くの応募者の中から選ばれたダフィネ(Daphne)、アンマリー(Annemarie)、ルーシー(Ruthy)の3人がラコームに3ヶ月間研修をしにきています。
初めての寒さ、初めてのミシン、そして初めての日本文化…
はるばる日本にやってきた3人の奮闘記をお届けします!
写真の左からDaphne(ダフィネ)、Annemarie(アンマリー)、Ruthy(ルーシー)です。
Daphne(ダフィネ)
「私はパプアニューギニアのニューアイルランド州と東セピック州出身の両親がいて、首都ポートモレスビーで生まれ、西ニューブリテン州のキンベで育ちました。私は日本の時間を大切にする姿勢やたくさんの種類の食べ物、現代のライフスタイルに溶け込んだ伝統的な信仰を大切にしているところが大好きです。日本の礼儀正しさは本当に大好きで、日本で印象的なことのひとつです」
Annemarie(アンマリー)
「私の出身はブーゲンビル自治州のブカという小さな町です。今は首都のポートモレスビーに住んでいます。日本の好きなところは人々やおもてなしの精神、食べ物、文化です。」
Ruthy(ルーシー)
「27歳です。出身はモロベ州、ラエ市のワントートという町です。好きなことは、学ぶこと、そして様々な人々と知り合うことです。私はライフスキルを学ぶのが好きで、その中でも裁縫をよくしています。日本の好きなところは、文化、伝統、そして人々です。みなさんとても親切で、友好的で、とても謙虚で、尊敬しています。」
3月始めまでラコームにいますので見かけたらぜひ声をかけて下さい!
勝山寒すぎ!南国から来た3人のはじめての冬
3人が勝山に到着してまず驚いたのは寒さ。平均気温30度のパプアに住んでいる彼女たちは人生で初めて防寒着の袖を通したのです。10度以下の気温や雪が降る景色の他にも、街並みやお店の様子、私たちが使っている便利なものなど、母国とのギャップに驚きと興奮が止まらない様子でした。
勝山初めての夜ご飯は北陸チェーン店8番らーめんにラコーム織田社長、パプア名誉領事井原様と広報いとうの系6人で向かったのですが、なんと3人とも箸を上手に使ってラーメンを食べていたのです!来日して少し練習したと言いますが、よく見てよく学ぶ上達の速さに驚きました。今後の縫製研修の上達にも期待が膨らむ時間でした!
ワンピース3着、シャツ2着完成👏1ヶ月でここまで成長しました!
初めの1ヶ月は基礎を一から学ぶ期間です。工場見学やパプアの産業の様子を聴くオリエンテーション・ミシンの使い方から始まり、パプアでよくみる形のワンピース・開襟シャツ・ショートパンツの縫い方を練習しています。
はじめは工場で使われる立ちミシンの練習から。家庭用のミシンしか見たことのない彼女たちは工業用ミシンのスピード感やペダルの使いやすさに戸惑いつつも早速慣れ、使いこなしています。
今回の研修ではただ縫い方を学ぶだけでなく、工場をパプアに立てて産業振興することを見据えてパターンの見方、裁断、準備、縫製、仕上げまで一通りを研修します。初めの基礎研修で1ヶ月の間にワンピースを3着、開襟シャツを2着縫い上げました!
クオリティの高い製品を生産しているラコームでの研修で、作業の細かさや生地の質感などに苦戦しながらもラコームの各部署のみなさんに教えてもらいながら3人の成長は日々早くなっていき、着々と難しいステップに挑戦しています。
2ヶ月目に入った現在は工程数が多く、難しいパンツの縫製を頑張っているところです!
飛び入り参加でカラオケ⁉️ラコーム忘年会
12月20日に行われたラコーム忘年会では、元倉庫を開発や残たん活用にチャレンジする「SHIKOH STUDIO」(ラコームの新事業拠点)に生まれ変わらせたスペースで豪華なお昼ご飯に出し物やゲームをみんなで楽しみました。
もちろんパプアの3人も参加しましたよ!和食中心のお弁当でしたが、日本食は意外と口に合うようでペロリといただいていました。ゲームにも積極的に参加してもらい、お絵描き伝言ゲームやビンゴ大会、そしてなんと日本の伝統ゲーム・二人羽織にも挑戦!後ろにダフィネと指示・食べる側広報いとうのペアで挑みましたが、用意されたのはお箸…!見えない状態でも綺麗にお箸を使いこなし、勝負には負けてしまいましたが無事完食に成功しました!日本滞在の中でも貴重な経験だったのではないでしょうか…☺️
さらに彼女たちはパプアで有名なラブソング「Meri Lewa」を飛び入り参加で歌ってくれました🎤緊張しながらも素敵な時間をラコームのみなさんと過ごすことができました。
実は忘年会後、「あの曲良かったね!」と噂になっていたりもしました😊
日本語もマスター…?彼女たちの成長に期待大!
この1ヶ月を振り返って、3人に感想を聞いてみました。
「この研修は私たちの縫製技術を向上させてくれました。これからもここで新しい技術を学べることを楽しみにしています。」
「日本人の時間を大切にして、様々なことをこなしていく姿勢が素敵だと思います。互いに尊重し合う姿も見習って実践していきたいと思いました。」
「縫製の時間が日本滞在で一番を占めますが、他にも日本の文化に驚きました。室内に入る時に靴を脱ぐ習慣や挨拶などの丁寧な姿勢、また季節を感じる日本食と旨味の感覚も印象深いです。」
意外に日本の味を気に入ってくれていることが日本人としてとっても嬉しいですね。パプアではインスタント麺を食べる機会もあるそうですが、日本のインスタントラーメンには惚れ込んでいるようで、それぞれもうお気に入りがあるみたいです。
研修だけでなく、日本での生活を通して食や文化もより深く体験していって欲しいと思いますし、全力でサポートして参ります😃
今後は基礎の縫い練習と工場での生産を見据えてさらに数を量産する研修もしていきます。これからも縫製の研修はステップアップしていきますので、彼女たちの成長に期待大です…!
【次回予告】社会人1年目もパプア女子とともに奮闘⁉“英語で縫製”を学ぶ…!