助産所を開設しました
ようこそ
このページにお越しくださり
ありがとうございます。
お母さんを笑顔にするお仕事の人
子育て専門助産師なとりです。
表題にありますように
まったくの無計画状態から
突然の開業となりました。
開業しようという発想が浮かんでから
申請までわずか5日でした。
思いつきで開業するなんて
とお思いの方もいるでしょうけれど
見切り発車での決断だからこそ
チャレンジできたこと。
私の場合は計画的に進めていたら
完璧を求めるあまり時間ばかりが過ぎて
きっと途中で断念していたと思います。
今回は開業にいたった
私の『想い』をお届けします。
〈助産所開設届出書〉
あらためまして
この度助産所を開設いたしました。
大きな決意ではありましたが
実際は『助産所開設届出書』を申請した
というだけで
結婚でいうところの紙切れ一枚の手続きでした。
保健所に出向くことなく
わからないところは電話で確認して
オンラインで申請できました。
開業にあたってほかの方のエピソードも
読ませていただいたのですが
みなさんの仰る通り
書類の準備に手間取ったものの
「たったこれだけ?」というほど
シンプルな手続きでした。
私の場合はお産は取り扱わず
助産所の施設も持たないので
出張専門での届出です。
施設を持たないのですから
どなたかが訪ねてくることはありません。
賃貸住まいなのに敷地面積や
建物の構造概要や平面図
さらには最寄り駅からの経路も必要
とのことでしたので違和感がありながらも
前時代的な風習と決まりに従いました。
※別の自治体ではこれらの書類は
「出張のみの場合は不要」なんだそうです。
今後私が転居する場合は
この住所での助産所を廃止して
新たな住所で新規開設をすることになります。
〈助産師の開業権〉
助産師には開業権があります。
助産学生の時から知っていましたが
耳にしていたのは「開業届」でした。
正しくは医療法に基づいて
『助産所開設届出書』を保健所へ届け出て
これとは別に所得税法に基づいて
税務署に『個人事業の開業届』を提出します。
お産を扱う助産所を開設すると
「助産院」の屋号をつけることができるのですが
出張専門の場合は屋号はつけられないとのことで
「助産師○○○○(漢字氏名)」での届出となりました。
電話口の担当者に言われたとおり
名称を「助産師○○○○」としましたが
漢字だと固い印象になるので
その時は思いつかなかったのですが
ひらがなにすればよかったなと思いました。
今回の投稿は
「助産院を開業しました」という
タイトルにしようとしたのですが
助産所の名称として「○○助産院」と
名乗れるようですので
「助産所を開設しました」と記しました。
※いろいろと調べたところ
自治体によってわずかに違いがあります。
届出の様式は基本的には同じですが
書式や細かい内容が異なっています。
また「出張専門」「出張のみ」といった
表現の違いや屋号がつけられるかどうかも
各自治体での決まりがあるようです。
〈お産だけが助産師の業務ではない〉
一般に「助産院」のイメージは
助産師の自宅が助産院の施設となっていて
妊婦健診やお産ができるところ
を思い浮かべるかなと思います。
医療行為のない自然なお産ができることや
妊婦健診や相談事もじっくり時間をかけられ
待ち時間もほとんどないなど
病院とは違うメリットがたくさんあります。
ですが助産師による開業は
こうしたお産のできる施設の開業だけでなく
施設を持たず出張専門でお産を扱う場合や
お産を扱わず乳房ケアをする施設など
その形態はさまざまです。
先ほども申しましたが
私の場合はお産は扱わず施設も持たない
出張専門での開業です。
申請の際に業務内容について
問われることはありませんでしたが
後日送られてきた書面調査で
業務内容について回答をしました。
お産を扱う施設を持つ助産所と
それ以外を一括りに「出張専門」として
区別しているようなのですが、
お産を扱うかどうかと
施設があるかないかの組み合わせで
少なくとも4つのパターンがあるわけですから
それぞれに応じた届出書で
統一された申請であってほしいものです。
ちなみに
助産師なとりの業務内容は
・母乳指導
・育児相談
・沐浴指導
・その他 ベビーマッサージ、ベビーシッター
と回答させていただきました。
私の姿勢としては
「指導」や「教える」という表現はあてはまらず
どうしたいのか、どうしたらいいのかを
「一緒に考える」という方法になります。
〈なぜ突然、無計画に開業したのか〉
きっかけはファミリーサポートという
子育てのサポートをしてほしい人と
したい人が地域でお互いに助け合う
システムの説明会に参加したことでした。
それ以前からも
子育ての支援がしたいと思ってはいたものの
具体的に何をしたらいいかわからず
ここ1~2年くすぶっていました。
すぐにでも支援を始めたくて
意気込んで参加したのですが
そこに『壁』があることを知りました。
一つ目は
このシステムにおいて支援をしたい人は
研修を受講しなければならない
ということでした。
よく調べればわかったことなのですが
知りませんでした。
受講するのは勉強にもなりますから
まったく抵抗はないのですが
2年前に別の目的で申し込み
抽選にはずれて受講できなかったため
「また抽選にはずれるのでは?」
「いつになったら子育て支援できる?」
と思っていたのです。
よく調べてみると
2年前に私が受講できなかったのは
県が主催する外部委託の研修で
それも年度内に数回実施されていますし
市が主催する研修も年に一度あるそうです。
※自治体によって異なります。
説明会に参加したときは
まだ研修の申し込みも始まっていなかったので
気持ちだけが焦ってしまっていました。
二つ目は
私の住んでいる自治体では
システムを利用できるのが「生後57日以上」
というしばりがあることです。
赤ちゃんが生まれて退院してから
およそ2か月の間は利用できないのです。
この57日というのは
産後休業が8週間まで取得できることに
由来しているのでしょうけど
お母さんが身体を休めて回復することと
赤ちゃんのお世話に加えて
家事や上の子のお世話などを考えれば
この期間こそ大切にしてほしいのです。
最近ではほとんど行われていないと思いますが
実は私「床上げ」の風習って
とても大切だと思っているのです。
いずれ記事にまとめたいと思っていますが
そういう大切な期間にこそ
助産師に頼ってほしいのです。
そんなことを思いながら
研修を受講できるまで
ほかに何かできることはないか検索していると
歩いて10分くらいの距離にある
助産院でのイベント情報を目にしました。
お母さん向けのイベントかな?
私なんかがお邪魔して大丈夫かな?と思い
事前に助産院に連絡したところ
「どうぞお待ちしております」
とお返事をいただけたので出かけてきました。
〈元助産師と国家資格と〉
助産院のイベントに
お邪魔したのは良かったのですが
初めて行く場所で知ってる人もおらず
どなたが院長先生なのかもわからずウロウロ。
住宅街にある普通のお宅に
大人だけでも20人くらい集まっていて
あちこちのお部屋に自由にばらばらと。
みなさんお子さん連れですから
大人一人で参加した私は気後れしてしまい
勝手もわからず困惑し通しで
滞在1~2分で帰ろうかと思ってしまいました。
でもせめて院長先生にご挨拶して
つながっておきたいと思い
赤ちゃんがいた畳の部屋に
思い切って入ってみました。
どうぞどうぞと言われ部屋に入ったものの
針仕事教室が開かれていて
そこにいる人たちで互いに話をしていて
馴染めずに赤ちゃんを眺めていたら
「ここでお産したんですか?」
と話しかけられました。
「近所に住んでいる元助産師です」
と答える私に教室の先生がこう仰ったのです。
『助産師さんって今やってなくたって
ずっと活かせる国家資格なんだから
産後ケアとかやればいいじゃない』
この時の私の心の声
「え??そうなの???」
資格を活かせていないし経験も多くないから
これまで「元助産師です」
「一応資格は持ってます」
「助産師やってました」って
ずっと言ってきました。
でもそれは私が思っているだけで
前にやってたとか今やってないっていうのは
周りからみればどうでもいいことで
堂々と「助産師です」って名乗っていいんだ!
そんなふうに思えたのです。
その先生に言われたときは
あまり感じていなかったのですが
1~2日経つとじわじわと効いてきて
そんな気持ちが芽生え
私の産婆魂が覚醒したのです。
そうだ助産院、開業しよう。
〈助産師として伝えたいこと〉
ほかにもフリー助産師より開業助産師の方が
社会的な信頼が得られやすいとか
新生児訪問や訪問型母子ケア
産後ケアホテルでのお仕事などは
開業助産師に業務委託をする場合が多い
という情報があったことも
開業への後押しとなりました。
私が助産師として
お母さんをはじめお父さんやご家族
そして世の中にお伝えしたいのは
「赤ちゃん・子どもはかわいい
慈しむべき存在である」ということ。
ただそれだけです。
〈あとがき〉
開設届を出したので
このあとは開業届を提出します。
そしてベビーシッターの届出や
助産所の指針も作成しなければなりません。
ほかの方の出張専門での開業の経験談には
指針のことなど書かれていませんでしたし
屋号がつけられなかったことや
提出書類の違いなど戸惑うこともたくさんありました。
本当に日々勉強だなと
つくづく感じます。
近所の助産院の院長先生には
メールを送りましたが埋もれているようで
針仕事教室の先生は
インスタで見つけることができたので
メッセージを送りました。
いずれあらためて助産院を
訪れたいと思っています。