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ニュータイプの相談援助職のための読書会開催しました!~生命科学的思考~

こんばんは。レタススタッフの三宅です。
6月27日、ニュータイプの相談援助職のための読書会を開催しました。ご参加いただいた方々、ありがとうございました!

ビジネス、社会、生き方を生命科学の視点で捉え直す

今回読んだ本は、高橋祥子 著『ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考』。

チェックインでは、①自己紹介、②『生命科学的思考』を読もうと思った理由、③普段「生命」「細胞」「遺伝子」について意識することはありますか?という3点について話してもらいました。

特に③については、医療機関に勤めていたら遺伝子疾患やがん患者さんと関わることはありますが、そうでないとどんな時に意識するだろうという疑問から聞いてみました。すると、愛犬に対して長生きしてほしいと思ったり、遺伝子解析で体質改善(ダイエット)にも役立つこと、TVで著者の高橋さんの話を聞いて興味を持ったなど、いろんな意見が挙がりました。

次に、『生命科学的思考』を読んで印象に残った箇所について。
・感情が遺伝子レベルで影響されるとは驚いた。
・生命科学の流れを知ると腹落ち感があった。
・視野を広く持つようにとはよく言われる(聞く)が、「視野を広くも狭くも自由に設定できる能力」が重要という点
・性が3種類以上の増殖方法が出てくる可能性があること
・遺伝子的に優秀な人はいないと知って安心した

後半は対話の時間。


Q:視点を自由に切り替えて思考するきっかけは何だろうか

本の中では、空間的視野と時間的視野、過去と未来の時間軸、現実的な思考枠と理想を追う思考枠など、いろんな視点が書かれている。

視点を切り替えるには、自分からだけではなく、予期せぬきっかけなど偶然切り替えられることもあるのではないか。
専門領域だけだと伸びしろが少なく、専門職の縛り(会議のルール等)を感じることがある。1人で考えるだけでは限界もあり、視野狭窄に陥りがち。だから、新たな切り口を探すためにも、専門外の領域に足を踏み入れることも必要。この読書会もその1つの選択肢。


この『生命科学的思考』ではミクロ視点とマクロ視点を切り替えることで捉え直すことができる。職場の中で「自分は劣っているな…」と感じても、宇宙レベルだと「人間ってちっぽけだな」「全部優れている人は生命科学的にはいない」ことに気付くことができて、勇気づけられる考え方。これを知って、楽になる人は多いのではないかと思う。

Q:「〇〇的思考」を持つことの良さ・意義とはなんだろうか

この本のタイトルのように、最近ではデザイン思考やアート思考など「〇〇的思考」という考え方のフレームが次々と出ている。

「〇〇的思考」はわかりやすい一方で、同じような結論になって危険な一面もある。仕事でも、利用者の状態や困りごとはそれぞれ違うのに対応は同じような流れになっていることはよく見られる。

とは言え、思考プロセスをいくつか持っておくことは、仕事や物事を考える上で重要。全員が少し違った視点を持てると多様性の高い組織が保たれるのだと思う。


Q:カオスな環境(居心地の悪い環境)に勇気をもって身を置くにはどうしたらいいだろうか


本では、主観が見つからなければカオスに身を置くことが書かれている。

自分の中で考えることが多いけれども、意図せずカオスな環境を体験したことで、誰かに言って言語化することも必要だと気付くことができた。自分の中だけで考えているとモヤモヤが残ってしまう。でも主観を言葉にすることに躊躇いもある…。
外圧から主観を持たざるを得ない時と、内発的に生じる時とある。特に同じ環境に居続けると、その環境に慣れてしまって理想との差分が生まれにくくなる。そうならないために、主観を持ち続けるためには「カオスな環境」が必要?

「今回の読書会参加も勇気がいった」という意見も。緊張感や不安があるような「カオスな場」で話すという体験が、不安より楽しさが上回ると身を置きやすくなるのではないか。

自分にとって丁度いい「カオスさ」を見つけてみる。そうはいっても、カオスばかりではしんどくなる…。安心して戻れるHOMEがあると「カオスな環境」にも行きやすいのでは?安心できる所とカオスな所、そのちょうど良いバランスを見つけられたらいいのかもしれない。


まとめ:状況や仕事の取り組み方を「カオスな環境」に置いて、視点を切り替える

いくつかの問いについて話していきましたが、どの問いも繋がりがありました。

「カオスな環境」を作るきっかけとして、例えば、仕事で一緒に行くメンバーを変えてみたり、見慣れないやり方で整理してみたり。ちょっとした工夫で「カオス」を作り、視点を切り替えることができそう

自分の中の引き出しが少ないと、捉え方にバイアスがかかってしまう。ベテランになればなるほど経験に頼りがちな傾向もある。unlearn(学び直し)が必要。
若手でも誰でも人には失敗する権利があるものの、失敗した時のこと、リスクを懸念しすぎている。ほかの人を尊重するという意味で無関心さも必要
メディアアーティストの落合陽一さんが「みんな違ってみんなどうでもいい」と言われていましたが、まさにこの一言に尽きると思いました。


明日からのFirst Action

納得するところが満載の本から、対話の時間では気付きも多くてとても面白かったです!
最後に、明日からのFirst Actionを話してチェックアウトとしました。
・行き詰った時、視点を立ち戻るために読みたいと思う
・周りにも自分の気付きを伝えたい
・普段関わる利用者や支援者はしんどいんだなと思った。自分なりに咀嚼して考えようと思う。
・視野が広がった。カオスな環境にも身を置いてみようかな。

余談ですが、高橋祥子さんのTED動画、わかりやすくて頷くところが沢山の内容です。本の理解に役立つと思います。


次回のお知らせ

次回の読書会は、7月25日(日)10:00~12:00 オンライン開催です。

次回読む本は、宇野常寛 著『遅いインターネット』

「インターネット・SNSとの付き合い方を捉え直す」というテーマです。

対象は、相談援助職として働いている方、人文・社会領域に関心のある方です。たとえば、臨床心理士・公認心理師・キャリアコンサルタント・社会福祉士・精神保健福祉士・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー・児童福祉司など。また、これらの職種を目指す学生さんや、人文社会領域を学び、別の領域で活動中の方も歓迎です。皆様のご参加をお待ちしております!





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