分かった気になるという加害者性は世の中に溢れている
こんにちは!レタススタッフの三宅です。
昨年まで専門職を対象にしていた「ニュータイプの相談援助職のための読書会」をアップデートして、「Relearnする読書会」と名前を変えてリスタートしています。
ご参加いただいた方、ありがとうございました!
今回読んだ本は、信田さよ子 著『家族と国家は共謀する』
『サバイバルからレジスタンスへ』という副題に因んで、「最近抵抗したことは何ですか?」という質問を交えてチェックインをした後、感想を共有しました。
感想だけでも学びの多い時間でしたが、対話の時間にうつります。
今回は、以下2つの問いを関連付けながら話しました。
特に印象に残ったのは、共通の言葉が作られることで生じる認識の差です。
「虐待」という言葉だけ聞いても、自分が持っているイメージを補って”変換”して捉えています。具体的な説明を聞かない限り感情移入できないし、言葉が作られたことでラベリングの機能が強まる場合もあります。それによって(個人も社会も)分かった気になっているのではないか?という意見がありました。
言葉がつくられることで、当事者にとっては自分の現状を認識する・振り返るためのツールとして機能するものの、当事者以外の人にとっては「自分とは関係ない」と距離を置くものとして使ってしまいます。そこが、社会が変わらない要因の1つではないかという視点は、確かにそうだなと思いました。
そして「具体的な説明」をしてもらう時、加害者性のある人にはありふれたセリフではなく、自分が何をしたのか、何が悪いと思っているのかを詳細に説明しないと、相手には紐づかない事例も挙がりました。
自分たちに置き換えると、”研修会フェチ”のように「とりあえず話が聞けて良かった」で終わらず、「じゃあ自分は何をするのか?」と自分の言葉で語り直すことを続けたいと改めて感じました。
次回のお知らせ
日時 :2023年5月28日(日)10:00~12:00 @オンライン
本 :鈴木健 『なめらかな社会とその敵』
➤詳細・お申し込みはこちら
2023年のスケジュール
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?