#48 【ケイコ 目を澄ませて】鑑賞。
きのうの今日である。そう、見に行けたのだ。
「きみの鳥はうたえる」の三宅唱監督が「愛がなんだ」の岸井ゆきのを主演に迎え、耳が聞こえないボクサーの実話をもとに描いた人間ドラマ。元プロボクサー・小笠原恵子の自伝「負けないで!」を原案に、様々な感情の間で揺れ動きながらもひたむきに生きる主人公と、彼女に寄り添う人々の姿を丁寧に描き出す。
生まれつきの聴覚障害で両耳とも聞こえないケイコは、再開発が進む下町の小さなボクシングジムで鍛錬を重ね、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。嘘がつけず愛想笑いも苦手な彼女には悩みが尽きず、言葉にできない思いが心の中に溜まっていく。ジムの会長宛てに休会を願う手紙を綴るも、出すことができない。そんなある日、ケイコはジムが閉鎖されることを知る。
主人公ケイコを見守るジムの会長を三浦友和が演じる。
年末から見たかった映画だ。
日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞に選ばれてより見たくなったところで近所で上映が開始となった。
日本アカデミー賞でも話されていたが本当にコンビネーションミットが上手だった、リズムも身体も目も心もボクサーだった。耳の聞こえないボクサーにしか見えなかった。
差別や抑圧や不自由さ、なんだろう、とにかくケイコはいろんなことに悩んでイライラして塞ぎ込んで爆発してぶち殴ってまた悩んで... な子だった。障害がありながら生きてきたこと、良くも悪くも周りから思われてきたこと、言われてきたこと、思われていたであろうと勝手に考えていたこと、、、いろんなものに苛まれているように見えた。
そんなケイコを周りは "強い" と思って、皆ちがった愛でケイコを支えていた。でもケイコは、人は皆ひとりだと思って "自分は強くない" と思って尖ってた。
そのアンバランスが妙にリアルで。ケイコもケイコで根っからのいいやつってわけではないから。壮大なストーリーというよりはドキュメンタリーに近いような、誰もが繰り返す仕事行って帰っての日常のような人間ドラマな感じがした。
弟がいいやつで。彼女もいい。会長になんか泣かされた。
16ミリフィルムの独特の絵や、あえて音楽を無しにして生活音だけにフィーチャーする世界観も良かった。これはサブスクでは味わえない。
感想は正解だろうか?難しかったなー。
でも、明日もケイコはボクシングをしている。