「創作広場をつくりたい」create model けい の活動方針まとめ
初めまして。
関東で役者をしています、
地域密着型一人演劇ユニット『赤キノコ山と蒸したお酢』代表、
創作広場「けい」作家部・俳優部のオガワジョージです。
今回は、今まで掲載してきたcreate model けい 関連の記事をおさらいし、今後の活動方針をまとめていきます。
このnoteマガジンはブランディングの一つとして、地域に向けての活動記録を公開し、経験を共有することを目的に行っています。地域への表現活動に関心のあるクリエイターさんに見ていただけたら嬉しいです。
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「けい」のおさらい
今までのcreate model けいに関する記事は以下のものでした。
最初の方はごちゃごちゃしていましたが、活動を通じてやりたいことが明確になりつつあり、名前もそれに合わせて変化してきました。
これらの内容を今一度おさらいして、もっと分かりやすく方針を示したいなというのが今回の記事になります。
読み返すと、成長を感じます……。
2022年は主にこんな活動をしてきました。
・1月 地域密着型展示会「人間賛歌」企画書を作成
・2月 (小劇場)演劇界の実態意見交換会を開催
・3月~10月 世田谷区経堂にて「人間賛歌」を開催
これらを行ってみて、リアルタイム構築演劇ビジネスモデル「けい」改め、create model けい の概要はこういうものな気がしてきました。
※今までは〈演劇ユニット『赤キノコ山と蒸したお酢』が行う創作企画〉という位置取りでしたが、それよりも大きな枠の活動方針となります。
表現のコミュニティとは、音楽・映像・美術など、さまざまな分野の表現をしている人の集まりをひとくくりにしたものです。
その内に、音楽なら音楽コミュニティ、映像なら映像コミュニティがあります。演劇もその一つに含まれます。
※今までは演劇「界隈」という言葉を使ってきましたが、変更しました。
「界隈」では「そのあたり一帯のエリア」のような意味合いになって、人がいることをあまり感じられないなと思ったためです。
今後、この活動方針をもとにオガワがさまざまな分野のコミュニティにいるクリエイターの方々とつながり、一緒にやりたい表現をすることを想定しています。
また、オガワ以外のクリエイター同士もつながり合うことで、それぞれが表現しているコミュニティの内外へと表現の輪を広げていくことも考えられます。
この方針を共有したクリエイター同士の輪を創作広場「けい」とします。
劇団や会社とは異なり、フリーランスで活動するクリエイターの共同体のイメージです。
図で例えると、
強い強制力のあるつながりではなく、「表現」という関心のみで緩くつながる関心共同体を目指したいです。
※今までは創作”集団”「けい」としてきましたが、”集団に所属する”ことで生まれる組織の上下関係をつくらないために、広場としました。
創作広場「けい」
この広場は、普段表現を行っているクリエイターだけでなく、表現に関心のある一般職の方も参加できるようにします。このような人たちを「参加者」とまとめます。
先ほどの方針に沿い、参加者にとってこんな場になることを目指したいです。
・参加者は、「表現」という関心をもとに、さまざまな人とつながれる。
・参加者は、やりたいことを気軽に共同し、持続した活動を行える。
・参加者は、普段の活動では情報を届けられない、自身のコミュニティの内外の人たちに、互いに情報を届けられる。
・参加者は、参加者の芸名(氏名)とやりたいことをHPにまとめて掲載でき、自身のコミュニティの内外に知ってもらう機会を増やせる。
・参加者は、各クリエイターブランドのブランディングを支援する取り組みを行える。
【どうして立ち上げるのか、目的】
オガワは演劇コミュニティにいる一若手俳優です。
演劇コミュニティはその中でのみお金や情報が巡る”閉じた”状況になっていると感じます。
その状況を変えるために、別々の表現分野のコミュニティの人たちが集まる”開かれた場”をつくりたいと考えました。
俳優は、基本的には舞台の上でしか見られない人たちです。
演劇コミュニティ内で、俳優は見られる機会を増やそうとします。
例としては、ポートレート写真の掲載や自主企画の制作、YouTubeの動画投稿などのような活動です。
しかし、外のつながりが薄くその人自身が”閉じている”ことが多いため、コミュニティ内で情報がとどまってしまう印象です。
結果的に、コミュニティの内にいる人たちには情報を届けられるものの、それ以外の人には届けられない状況という感じです。
お金に関しても(若手)俳優はギャランティが低いです。
団体によって差はあるものの、それだけで月の収入が十分になることはほとんどありません。
社員やアルバイトとして、社会で働きながら続ける人が多い印象です。
そして働いて得た収入は、観劇などで演劇コミュニティ内に巡ります。
劇団の立場から考えると、演劇という表現手段はお金がかかります。
そのため、補助金や助成金に頼って公演をする団体がほとんどです。
公演で集客をするときは、外とのつながりが薄く劇団や俳優が”閉じている”ことが多いです。
観に来る人たちは演劇コミュニティ内の人でほとんど固定化している印象です。
演劇コミュニティの内にいる人たちが、外側で得た収入を、内側で巡らせるという状況になっています。
こういった状況は、
俳優自身が外とのつながりを増やそうとしていない一個人の問題、
劇団の知名度が伴っていないから外側の人が来ない一集団の問題、
ではなく、
「演劇」がそもそも”閉じやすい”性質のものであり、それによって”閉じてしまっている”から起きる仕組みの問題
なのではないかと考えます。
そして、こういった状況は他の表現コミュニティでもありえるようです。
クリエイター自身の「やりたいこと」が、コミュニティ内で完結することだったら問題はありません。
しかしそれが「コミュニティ外の人たちに届けたいこと」だとしたら、一人の力では難しい。その場合、外とのつながりが必要で、外とのつながりをつくれる”開かれた場”が必要だと思います。
”開かれた場”をつくることで、さまざまな分野のコミュニティにいる人たちが、内外で得たお金や情報を、内外で巡らせる状況にできるのではないかと思います。
考えた根拠はこちらのレポートでまとめています。
創作広場「けい」のルール
「表現」の関心のみで緩くつながる関心共同体ですが、このようなルールをつくりたいです。
1.広場全体の運営委員会をおき、何かの意思決定をするときは運営の人たちで検討する。
2.創作広場「けい」内のハラスメント対策ガイドラインを策定し、全員で予防と措置に努める。
(定期的な講習会や勉強会など、学びの場も設ける)
3.参加者間の無償の仕事の依頼はせず、少額でも必ず有償にする。
(話し合いののちに、お互いの合意で無償にするのであれば問題なし)
4.契約書や請求書、領収書をきちんと発行し、トラブルを防ぐ。
5.何かトラブルがあった場合の相談先となる第三者委員会をおき、運営委員会とは別でトラブルに対処する。
参加者一人ひとりを会社やお店として考えてみます。
さまざまなお店が立ち並ぶひとつの街が創作広場「けい」です。
お店同士で協力しながら、街を全員で盛り上げ、街の内外からお客さんを呼び込みます。
街をまとめるところが運営です。
お店同士のトラブルを防ぐためのルールが以上の5つにあたります。
来年から創作広場「けい」を試験的に動かしていき、このモデルが成り立つのか検証していきたいです。
オガワジョージのやりたいこと
現在創作広場「けい」に参加しているクリエイターはオガワジョージのみとしています。僕のやりたいことは、
です。
これを達成するために、
各地域にある創作の場所とつながりながら、
3つの開く活動を行います。
オガワの活動その1 「継」
です。
【どうして行うのか、目的】
演劇コミュニティは内部情報の記録公開・共有をされることが少ないと感じます。そのため、次の世代が自身のやりたいことをしている先人を見つけにくいです。
また、ハラスメントが起きたとしても隠される傾向にあると考えます。
活動を行うごとに記録・共有をすることで「その人がそのとき、どんなことを考えながら制作をして、どんな積み重ねをしてそこに至ったのか」が分かると考えます。
それによって次の世代はさらに効率よく積み重ねを行えると思います。
やりたいことの活動記録を積み重ねることで、結果的に自身のブランディングにもつながると考えます。
さらに、常に開く立場をとることで、オガワ自身がハラスメントを起こす可能性を予防できるのではないかと考えます。
【メインターゲット】
この活動のメインターゲットは、次世代の「演劇を開いていきたい」と考える人たちです。
【内容】
〇noteでの活動の記録・共有。
オガワの活動その2 「稽」
です。
【どうして行うのか、目的】
演劇コミュニティは関わる人が固定化されていると感じます。そのため、内側でお金や情報が巡り、コミュニティの外にいる人たちに出ていかない/入ってこない傾向にあると考えます。
積極的に他のクリエイターとつながり、共同して企画を行うことで、コミュニティ間のやり取りを増やし、お金や情報の巡りをつくれると思います。
【メインターゲット】
この活動のメインターゲットは、他の表現分野のコミュニティにいる「演劇的な創作に興味をもっている」人たちです。
【内容】
〇共同創作ワークショップ
・俳優×参加者 シアターゲームワークショップ「Chaos.」
・俳優×写真家 撮影ワークショップ「Flash.」
・俳優×哲学者 本読み会「Walk.」(予定)
・俳優×画家 ドローイングワークショップ「Draw.」(予定)
・俳優×ダンサー 身体ワークショップ「Chyper.」(予定)
〇さまざまな表現を取り入れた小規模公演やコラボイベント
オガワの活動その3 「憩」
です。
【どうして行うのか、目的】
演劇コミュニティは地域に開かれておらず、あまり知られていない表現分野だと感じます。
そのため、演劇が敷居の高いものに感じられ、チケット料金の高さや劇場に通う手間をおっくうに思い、観たことない人が「演劇を生で観たい」と足を運ぶことが少ない傾向にあると考えます。
演劇について知るきっかけとなる「演劇的な場」を「地域の場所」につくり、身近な表現活動として体験してもらいます。
先入観をなるべくなくし、演劇を生で観たいと考えてもらえるようになると思います。
【メインターゲット】
この活動のメインターゲットは、さまざまな地域にいる「演劇に興味があるけど、参加しにくい」と感じている人たちです。
【内容】
〇地域密着型展示会「人間賛歌」
〇1日ポップアップカフェ交流会
〇市民劇団の設立
「憩」各地域にある創作の場所とつながる
「憩」では、オガワの企画は一個人が行える、小規模の「演劇的な場」をつくる活動を続けます。劇場での大規模な公演などは行わない予定です。
各地域にもともとある創作の場所(アトリエ、ギャラリー、展示などを行えるカフェ・空間のある場所)とつながるようにします。
そこが地域の方々に愛され、活用されている場所ならなお良いです。
「演劇的な場」を「地域の場所」に開くすることで、その地域に住んでいる人や、地域の外から訪れる人がその場所を知るきっかけとなります。
そういった場所をホームに活動し、人や街との交流をし続けていきます。
2022年3月~10月、地域密着型展示会「人間賛歌」を開催しました。
こちらの総まとめをnoteに投稿していますので、もしご興味ありましたら。
まとめ
今後やっていくこと
・創作広場「けい」の運営を試験的に行う。
・試験的な運営に協力していただける参加者を探す。
・「稽」の項で記載した”コミュニティ間のやり取りを増やし、お金や情報の巡りをつくる”仕組みについて、別の記事にまとめる。
・ハラスメント対策ガイドラインを作成する。
・場づくりやコミュニケーションについての学びを怠らず、アップグレードしていく。
2年前から考えていたことをひとまずの形ではありますが、まとめられたのではないかと思います。
ぜひ、こちらの記事を読まれた方はnoteのコメント、TwitterのDMなどでご意見・ご感想をお聞かせいただけたら幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。