コーチと選手の関係性について
私が、野球部のコーチとして勤務をさせていただいた際に、毎日生徒の側にいて心がけていたことについて話をしたいと思います。
大学生の時に、教育学部の授業で、優れた何十人にもなる教師たちの授業のビデオを2、3分の短い動画に編集した動画を見ました。どのように時間を管理し、フィードバックを与え、人間関係を築いているかなど、あげればキリが無いくらいたくさんの小さな特徴がありました。
しかし、この講義では、これらの教師たちに共通する大きな特徴をまとめなさいというテーマでした。大学生の頃の私には、共通するものを見つけることができず、大変悩みました。
すると、教授が、「100%の解決策はなく、1%の解決策が100個あるだけだ」とおっしゃいました。もっと訳がわからなったことを覚えています(笑)
ですが、いろんな人から教えていただき、
「生徒それぞれが抱えている問題を解決することができる万能薬は存在しないし、問題を一気に解決する特効薬も存在しない。毎日少しずつ少しずつ解決していくこと(小さな改善を積み重ねていくこと)で問題解決につながっていくよ」ということです。
小さな改善を繰り返していくことで、大きな問題を解決することができるということです。ジェームズ・クリアの著書「Atomic Habits」では 「小さな利益の力は(マージナルゲイン曲線)時間と共に複利で増えていく。毎日1%改善することができれば1年後には37倍も良くなっている」とあります。
ただ、多くの小さいことをマスターするには、勤勉さと集中力が必要です。突然うまくなるということがないので、やりたがらない人がいます。簡単で、シンプルで、楽な解決策であるにも関わらず、あまり魅力的ではないアイデアに集中し続けようとはしないのかもしれません。
だから、「偉いコーチにはならない。常に側にいるコーチになろう」
勤勉さと集中力が持続し続け、そして1日1%の改善をするためのフィードバックを行えるように、距離を置き、一方的に話をする指導者ではなく、身近にいて話をしながら一緒に頑張れるコーチでいようと思いました。
実際に、そのような関係性で指導を続けていて、すべての生徒に上手くいったとは思いませんが、多くの生徒の成長を間近で見てきました。中には、大人と距離を作りたがる生徒もいましたが、自分から歩み寄るようにしていくと徐々に心を開いて自分から話しかけてくれることも度々ありました。
そのようにして毎日の何気ない会話からフィードバックを行うことを心がけていました。
でもどのように信頼関係を築くのかには大変苦労した。次回その話をしていきたいと思う。