果てに行く旅 鹿児島
鹿児島県枕崎市まで「果ての鉄道展」に行く旅に出た。直前に切符を取ることになったが世間では盆休みの初日,新幹線も飛行機も予約でいっぱい。空いていた飛行機で前乗りして初めて行く鹿児島の鉄道の撮影旅を計画した。先月の「村上悠太さんと巡る九州の列車撮影の旅」で体得したはずの撮影技法を用いて鉄道風景写真を狙う。
鹿児島空港に降り立つので周辺の肥薩線,日豊本線,鹿児島本線,指宿枕崎線の撮影地を探してダイヤを編成した。が,出発前日に台風6号が九州を横断し鉄道は全面ウヤ。飛行機も遅れ天気も雨時々曇りと計画は初っ端から破綻した。
1日目 鹿児島中央に飛ぶ
先月の長崎へはジェットスターを使ったので神戸空港を初利用した。今回はピーチアビエーションにしたので関空第2ターミナルを初利用することになった。関空でタラップから搭乗するなんて思いもしなかったがこれも楽しい。LCCに搭乗する環境は神戸空港の方が良いという事か。
関空へは最近できたばかりのうめきた新駅から関空特急はるかや,関空快速を使うと楽に行けるが,乗ったことがなかったラピートにした。スーパーシートはとても快適。
たまたまプリキュアとコラボの特別塗装機に当たった。大阪はとても天気が良かった。出発こそ遅れたものの順調に暗雲立ち込める鹿児島空港に着陸した。ここから肥薩線に向かおうかと思っていたがウヤの為諦めてバスで鹿児島中央に向かった。
中央駅に到着,観覧車が見える。ここはHEPか?
昼食に黒豚を食べた後,どこにも行けないのでホテルにチェックインして部屋にあった観光案内を見ていると桜島にすぐ行ける事がわかり,運行していた鹿児島市電と桜島フェリーで桜島に向かった。少しの時間でも思いがけず桜島に上陸できてよかった。しかし異国の地で列車がウヤになると少し寂しい。
2日目 枕崎・果ての鉄道展
この日は始発から一部運転を再開したもののまだダイヤ通りとはいかなかった。さらに乗車を予定していた指宿枕崎線は山川から枕崎までが依然ウヤの為,宿のある鹿児島市内から枕崎まではバスで向かった。2時間ほどかかる行程なのでどんなバスが来るのかと楽しみにしていたら,30年程前に地元でよく乗った型の路線バスであった。山越えをするので道中桜島が良く見えるヶ所がありバス旅も楽しめた。
枕崎駅にほぼ定刻で到着した後は,目的の「久野知美さんと川西康之さんと展示会場を一緒に旅する会」オープン初日記念トークショーまで1時間ほどあったので,本土最南端の始発・終着駅のJR枕崎駅と周辺を散策した。
駅にはずっと列車が止まっており,ほとんどだれも来ないので列車を含めた駅舎の写真が撮影し放題であった。
廃線の危機と言われているが一部はPC枕木に交換されており,きれいなバラストと相まって新線のようにも見える。
ところで先月の撮影ツアーで教わった偏光フィルター(PLフィルター)を早速購入し使ってみた。今までは水面等の反射を抑えるためのものという思い込みで使っていなかったが木々の緑や空の青が美しく見えるようになった。
南溟館に入館するとまず見覚えがある気がするドアステッカーに出迎えられる。本物の業者に作ってもらっているらしく,本物であり偽物というギャグ。車外側と車内側で異なる表記まで再現されているのか見るのを忘れた。
予約不要のツアーは結構な参加者があった。まずは世界の果てを巡る。それぞれの方向に向かって線路を模したテープが敷かれている。
かつては枕崎から南薩鉄道が出ていた。車両や駅舎の写真と共に当時の様子を振り返る。貨物輸送もあって,黒豚さんが東京まで運ばれる間に5匹ほどは脱出したとか。
沿線にあるラサール高校の生徒たちが考えた指宿枕崎線のあるべき姿。旅客数が激減する指宿から枕崎の間は保存鉄道としてSLなどの観光列車を運行。旅客数の多い指宿から中央駅間は,例えば谷山駅に隣接と言っても遠い市電を駅前まで延伸。それぞれが模型で表現されている。指宿枕崎線に高架駅が二駅もある事に驚く。
30分予定のイベントは1時間近く開催された。帰りのバスの時刻が迫っていたので久野知美さんへの挨拶は省略して中央駅に戻り,桜島を背景に日豊本線を走る列車の撮影に重富駅に向かった。夕方の遅い時間帯になったのできりしま1本のみ撮影できた。
3日目 指宿枕崎線に乗車
この日は始発から指宿枕崎線が全線で運転を再開したのでJR最南端の駅の西大山駅に行く事にした。鉄道写真Rで当選したカレンダーの8月の写真のような,駅前のひまわりと開聞岳と列車を合わせて撮影する事が目的。そして初日にウヤで乗れなかった指宿のたまて箱も切符が取れたので乗車する事にした。
JR最南端の駅・西大山
私鉄最大の駅はよく行くが最南端とか最北端とかの駅には初めて訪れた。開聞岳と列車を撮影する際順光になるのは午前中で列車の本数も少ないので,早起きしてホテルの朝食も取らずに出発した。次に列車が通るまで30分ほどあったので周辺も少し散策した。
ポストがあっても投函するはがき等を持っていなかったので写真を撮るだけになる。ここは無人駅なので販売所もなく,最南端の駅の訪問記念切符もここでは買えない。近くの有人駅の指宿駅で売られている。指宿駅も訪れてお土産は買ったが肝心の記念切符を買うは忘れた。
最南端の駅を訪れることはついでで,目的は駅前のひまわりと列車と開聞岳を入れた写真を撮影する事。楽しみにしていたが台風の影響かひまわりはすべて倒れてしまっていた。でもせっかく来たので撮影した。来年にまた挑戦してみたい。
久野知美さんに出会う
上の写真を撮影する際,列車から降りてきた人に見覚えがあった。この距離でも所作から久野知美さんとわかった。おなじみの自撮りに難儀されていたので僭越ながら撮影させて頂いた。
ここの写真はほとんど望遠レンズ,一部標準レンズで撮影しているので人物が小さくなってしまった。広角レンズが欲しい。立ち位置等もっと気を付ければよかった点も多数あって,ポートレートは普段撮らないのでなかなかうまくいかない。でも一人旅にもかかわらずこのような美しい女性と最高のひと時を過ごせた事は幸せ。
平川駅付近の有名撮影地へ
指宿方面へ向かう列車が到着したところで久野知美さんと別れて有名な撮影地のある平川駅に向かった。10時頃に到着。この時間帯は中央駅方面と指宿駅方面が交互にだいたい10分おきに通るので結構忙しい。駅から撮影地まで徒歩10分ほど。撮影地で指宿のたまて箱を撮影すると列車に乗れなくなるので,いぶたまだけは撮影地までの道中で撮影した。
指宿のたまて箱で再会
平川駅から指宿駅に戻りいぶたまに乗車した。すると久野知美さんと再会,車内散策ついでに写真も撮影させて頂いた。指宿で白側から乗車し鹿児島中央で白側に降車。ここは黒側から乗車して白側に降車したいところ。ミストは見ておかなければならない。中央駅でも撮影させて頂いた。
ここで本当にお別れし帰宅した。今回の旅では予定していた半分の列車も撮影できなかったが,最終日には快晴の天気に恵まれて指宿枕崎線の列車を撮影でき,いぶたまにも乗車できたのは良かった。そして思いがけず久野知美さんとお話しできてとても楽しい旅になった。
果ての鉄道展の展示はじっくり見る時間を取れなかったのでもう1回訪れてみたい。そして指宿枕崎線の西大山から枕崎の未乗区間にも乗車したい。
※果ての鉄道展は令和5年8月11日から10月31日まで開催