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母親の戒名は「鶴壽…」/遠野雑記帳
七夕の日(09 年7月10日) 母の戒名は「鶴壽妙観禅大姉」。5日午前5時45分永眠、98歳だった。入院3日目。看護師が午前4時に巡回した時、異常はなかったという。(うろ覚えです)
母は4年前の3月、余命2週間と宣告された。奇跡的に助かり、元気になった。長生きした分、苦労も多かったはずだが、米寿の記念写真の遺影は黙して語らない。
「おばあちゃん、聞こえますか…」。お別れのあいさつは24歳のひ孫。「私もやる時はやるでしょう?」と、彼女が胸を張ったとおり、慈愛に満ちた別れの言葉は、参列者の涙を誘った。
7日朝の出棺前、生後間もない三つ子の牛を見た。1頭だけ離れて立っていた。火葬、葬儀、忌明け後、見に行くと、今度は3頭仲良く遊んでおり、何故かホッとした。
生と死。母に最後に会ったのは6月14日。花巻温泉からの帰りに立ち寄る。常々「焼かれるのはいやだなあ」と言っていたが…、納骨を済ませたのは7日、七夕の日。命日は忘れても、この日を忘れることはないだろう。