番傘なくさず大事に使う/遠野雑記帳
番傘&こうもり傘(05年5月20日) 小さいころ、こうもり傘は貴重品だった。当時は番傘が主流でみな大事に使った。傘をなくしたり、忘れることはほとんどなかった。
中学校の廊下の壁に100本ほどの置き傘があった。急に雨が降った時はそれを借りて下校した。今時の中学校にも置き傘があるのだろうか。
番傘は油紙なので、専門の人に名前を入れてもらった。中学校の番傘には校名が書いてある。番傘を広げて歩いていると、誰なの分かった。
「雨 雨 ふれふれ 母さんが …ピチピチ チャプチャプ ランランラン」。雨が降っても億劫ではなかった。そして今、友人は毎日、折り畳み傘をバッグに入れている。
最近の人はこうもり傘をなくしてもなんとも思わなくなった。電車内での忘れ物で一番多いのは雨具だという。