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とにかく色を集めたい私

思わず情景が瞼に浮かぶ表現が好き。色があればなおさら。『青空ちくわ』の名前も、そんな私のスキが詰まっている。

金色のちひさき鳥のかたちして
銀杏ちるなり夕日の岡に

与謝野晶子『恋衣』より


最初に国語の教科書で、この短歌を知った時の衝撃は忘れられない。色色色。

頭に浮かぶ色も、もちろんのこと『いてふ』ではなく『銀杏』と書いて金と銀にしたところに、とにかく感動して、もう与謝野晶子さんを知りたくて知りたくて仕方ない。

表現で惚れさせる人がいることを実感する。まさに言葉の魔術師。彼女の言葉を傍に置きたくて、与謝野晶子の歌集を買った。


春過ぎて 夏来たるらし 白妙の
衣干してふ 天の香具山

持統天皇『万葉集』より

次に学校の教科書で知って「うはー」と思ったのがコチラ。こちらも色色色。新緑の緑に揺れる白。爽やかな風まで感じられちゃう。もう夢中。

もっともっと歌に色を感じたくて万葉集の本を買った。


雲は白リンゴは赤

aiko2006年シングルCDより

ヨダレが出る。何がすごいって、この題名見ただけで季節が浮かぶこと。

雲が白くてリンゴが赤。このコントラストを瞼に浮かべれば、後ろの青が自然と出てくる。題名に書いていないのに夏の歌だって分かる。

aikoの曲はどれも好きだけれど、私はこの曲が一番好き。

リンゴの赤 水風船が割れた
こぼれ落ちた水にまぎれ泣いた

aiko『雲は白リンゴは赤』より


アップテンポで、明るい曲なのに失恋ソングで。子供がお絵描帳に書くような表現が並ぶのに大人の恋心(黒い部分)を表現してる。それなのに、とにかくどこまでも爽やか。

そんな矛盾がさらに最高。普段アルバムしか買わないけれど、色を集めたくてシングルで買った。


数年前。子供が「塗り絵をしたい」と言うので色鉛筆を買った。息子と娘は多分、百均とかの手頃な物を想像していたはずだ。でも、私の衝動は抑えられなかった。

見てコレ。グラデーションー!!

想像以上の色に娘は固まった

娘に「緑で塗って」言われれば、
・アクアグリーン
・ライトジェイドグリーン
・ミドルイエロウィッシュグリーン
・モスグリーン
・リーフグリーン
・ミント
・フォレストグリーン

「どれで塗ろうか?」と若干引き気味の娘を気にせず私は言う。大好物の色が大渋滞している。

これらが引き出しに入っていると想像するだけで機嫌が良くなる。たぶん、鼻の穴が数ミリ大きくなってると思う。

みんな引いてない?大丈夫?笑

私の投稿記事サムネイルも色がいっぱい。最近気づいたけれど。

noouchiさんのイラストが好き


そして私の色好きと本好きをダブルで刺激するものがある。それが新潮文庫のプレミアムカバー。その年ごとに名作が素敵なカバーで登場する。


本棚がカラフルになっていく

読んだことあっても、持っていてもこのカバーは改めて欲しくなる…はず。共感してくれる人はいるかな?

2024年は全8冊。どの名作が何色か、是非書店でチェックしてみてね!!

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