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義父のハーフパンツ

ある夏の日、洗濯物の中に見慣れぬスウェットのハーフパンツが紛れていた。
我が家は4世代完全同居家族なので、洗濯物が紛失したりどこかに紛れ込んでしまうことが多々ある。
「夫の?」
聞くと夫は首を振る。
「多分違う」
多分ってどういうことよ。
心の中で呟きながら、おそらく祖母の手によってきれいに畳まれたハーフパンツを広げて見る。
男物のようなので夫のものか、そうでなければ義父のものだろう。

それにしても見れば見るほど着心地の良さそうな素材、デザインもそこはかとなくおしゃれである。

「うーーーん…」
目の前でハーフパンツを広げたまま私は熟考する。
私の愛用している夏物の短パンは数日前に洗濯に出しているのだが戻りが遅く、未だ手元に帰ってきていない。

「うーーーん…」
そのため、今私が身に着けているのはあまり気に入っていない安物の短パンだ。見た目は可愛いのだが素材が暑苦しく、丈も短すぎる。

「うーーーん…」
などと唸りながら、いつの間にか私は誰のものとも知れないハーフパンツに足を通していた。

誰のものとも知れない、などと言って自分をごまかしているが、夫が多分自分のものではないと言った以上それはほぼ間違いなく義父のハーフパンツだ。

ちなみに、夫も義父もミニサイズなのでハーフパンツは私にぴったり馴染み、まるで最初から私のものであったかのようであった。

その日から、行方不明になっていた私の短パンが戻ってくるまで平然と履き続けた、誰のものだか分からない(義父の)ハーフパンツ。

自分(義父)のハーフパンツを着用して何食わぬ顔をして生活する嫁を見て義父が何を思ったのか、私には知る由もない。



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たいたい
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