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2023春・鉄道旅1日目②:観光編(長野・善光寺)

2023 年 3 月 7 日、火曜日。

前回の記事では「移動編」ということで、群馬県の横川駅周辺でプチ観光をしたり、バスで碓氷峠を越えたりして長野県の長野駅にやってくるところまでをご紹介しました。
前回の記事のリンクを以下に示します。

この記事では「観光編」ということで長野駅周辺の観光について書いていきます。

長野駅は実に立派

前回の記事でも紹介しましたが、長野駅の善光寺口はこんな感じになっています。

図 1 長野駅善光寺口

日本一の門前町を謳っている長野市は善光寺を中心に発展してきたそうです。
まず駅舎に感動しました。

そしてそこそこ人も多いです。
やっぱり県庁所在地の駅ってこれくらい栄えているものなのですかね。明らかに山形とかより人が多いです。本当に平日の昼間か?! と思いました。

さて、善光寺に行きましょう。

とその前に、少しだけ私個人の宗教観について。
私は普段、心霊的なものは一切信じていません。
しかし、寺社仏閣などの宗教施設に来た時は別で、その中ではそれらのものを信じようと思っています。郷に入っては郷に従え、というやつです。

善光寺まで徒歩。

図 2 善光寺までの距離

長野駅から善光寺はけっこう離れています。図 2 は長野駅から少し歩いてきたところの標識です。

長野駅と善光寺の距離は十八丁。十八というのは善光寺にとって演技の良い数字らしく、長野駅を作るときに善光寺から十八丁の場所に作ることにしたそうです。1 丁はおよそ 109 m らしいのでおよそ 2 km

正直、歩くには遠いです。

普通はバスで行くらしいですが私は長野の町歩きもしてみたかったので徒歩で行こうと思います。小中学校の 9 年間片道 2 km の通学路を歩いていた私ですから、2 km ぐらい余裕なはずです……よね?

図 3 十八丁碑

長野駅と善光寺の間には、一丁ごとに石碑が建っています。
これは善光寺からの距離になりますから、あと十四丁で善光寺だそうです。遠い……

図 4 挑戦的なビル

善光寺までの道のりは、旧北国街道であるらしく、昔ながらの建物が多く建っています。そんな中図 4 のようなビルもありました。下だけは伝統的建築っぽくなっていて、一応みんなに合わせてる感があって面白いです。

図 5 坂になっていることがわかる

このような街並みでした。善光寺へ続く参道は坂になっていて、善光寺は思ったより高いところにあります。

図 6 仁王門

ようやく善光寺周辺です。仁王門がありましたが、仁王様の筋肉に見とれて門全体の写真を取り忘れました。

図 7 仁王様の足

足の血管太っ!
この足の指の質感がすごいですね。美しさと逞しさが共存しているこの感じ。

いざ、善光寺!

図 8 善光寺山門

ついに来ました。新幹線に連れられて善光寺。
善光寺の山門(三門)です。圧倒的な存在感。
でもこれはあくまで門。この後ろに本命が控えています。

図 9 善光寺本堂

荘厳な佇まい。

国宝の善光寺本堂です。
ここまで立派なお寺はそうそうありません。

図 10 善光寺側面

図 10 は図 9 から左側に回り込んで撮影したものです。意外と奥に長い本堂になっています。
神社は参拝殿と本殿が別になっていたりしますがこれはお寺なのでひとつの建物にまとまっている感じです。

本堂の中に入ると券売機がありそこで自分が見たいところの参拝・見学券を購入します。
私はとりあえず全部見たいので「善光寺参拝セット券」というものを 1200 円で購入しました。これは本堂、ご戒壇めぐり、資料館、経蔵、山門の見学ができる善光寺フルセット券になります。初めて来たならこれ買っとけば間違いないやつです。

本堂:いざ、見学

ここからはほとんど撮影禁止でしたので、ほとんど文章になります。

まず本堂の奥に入り、内陣というところを見ました。
そこでは関係者らしきおじさんがもっと奥にある(観光客は立ち入れない)内々陣についての説明をしてくださいました。
ここは日本に仏教が入ってきた頃につくられた寺(建物は 1707 年に再建)であり、当時の人も仏教についてよく知らなかったため、普通の家の居間の部分と仏様がいる部分があります。これからあなたたちはそこにお邪魔するわけです。などの内容でした。

ちなみに、善光寺のご本尊は絶対の秘仏となっていて一般人はおろか寺の関係者も見ることはできないそうです。箱に入っているらしいのですが、その中に実際にあるのかすらもよくわかっていないそう。
少しだけ理系な私は量子力学を思い出しました。箱の中に入っていて存在がわからないもの、シュレディンガーの仏といったところでしょうか。

ご戒壇めぐり:スピリチュアル体験

次に、ご戒壇めぐりというものをしました。本堂の中に地下へ続く階段があり、真っ暗な地下通路を手探りで進んでいきます。
この地下通路の中には、「極楽の錠前」というものがあり、これを触るのが目的です。

正直、これが一番刺激的な体験でした。
先述したように普段私は霊のみならず神すらも信じていませんが、それでもスピリチュアルなものってこういう感じなんだな、と実感させられました。

腰の高さの壁を右手でつたいながら、本当に何も見えない中を進んでいきます。
私のときは前後に誰も人がおらず、完全に独りで行きました。

はっきりとした恐怖を感じました。この壁から離れてしまったら、この世から切り離されてしまうような、そんな気がしました。

入り口付近には足元に明かりがありましたが、もう完全な真っ暗。
自分の形すらわからなくなってしまうのではないかと思いました。

ガチャ。右手が何か、金属製のものに当たります。これが錠前か。

臨死体験というのでしょうか。死後の世界に近いところの感覚がしました。
また右手で壁をつたい、明るい現世へ帰ります。

明るい場所の安心感。
ご戒壇めぐり、お化け屋敷とかよりも怖いと思います。でもどこか神秘的で、貴重な体験をしました。お金を払う価値があります。

史料館:普通に史料館

続いて、史料館に行きました。史料館には本堂に安置されていた仏像などがありました。

経蔵:功徳は(物理的に)重い。

次は経蔵です。
簡単に表すと、仏教の経典が大量に納められている建物です。

仏教経典の全てを網羅した「一切経」が納められており、 5000 冊? ぐらいあるそうです。

そしてそれらは全て輪蔵と呼ばれるコマのような形をした書庫に納められており、回せます。

仏教あるあるの、「回したら読んだのと同じ」理論が登場です。

この 5 トンあるコマを 1 周回すと一切経を読んだのと同じ功徳が得られるといわれています。
私も回してみましたが、ぴくりとも動かず……
なにせ 5 トンですからね。

結局、説明をしてくれたおじさんも手伝ってくださいました。

1 周、回しました。功徳、得られたかな?
半分くらいは得られたのではないでしょうか。ありがたや。

山門:高所恐怖症にはきつい

最後は山門です。山門では、上にあがって景色を見ることができます。
ほぼ垂直の急な階段をのぼり、上にあがります。

山門では、建物内は撮影禁止でしたが外の景色だけは撮って良いそうだったのでありがたく撮らせてもらいました。

図 11 山門からの景色

長野市の景色です。長野市はそこまで高いビルがないので大都会という感じはしないのですが、街が広範囲に広がっていて田舎感は感じません。

景色は良いのですが、私は高所恐怖症ですので写真を撮ってすぐに退散してきました。撮った写真をこうやって家で眺めて景色を楽しむぐらいが丁度いいです。

長野の地下鉄……?

長野に来るまでに横川でけっこう歩いておりましたので疲れました。
長野駅周辺のホテルに宿泊することになっていますので、長野駅を目指します。

さすがにもう歩いて帰るのは無理だと思いまして、交通機関で帰ることにしました。
善光寺から 500 m ほど歩いたところに、長野電鉄という私鉄の駅があるらしいのです。

善光寺の仲見世通りから外れて坂を下ります。
こんな景色ですよ。

図 12 駅までの道

絶景。善光寺平とその奥に広がる山々。ただの町なかで、こんな絶景が見られるとは思いませんでした。

この日は霞もなく遠くまで見渡せる日でしたから、山が綺麗に見えました。
平地には雪がなく、山の上の方には雪がある。山がいちばん綺麗な時季に、山が綺麗な街に来られた喜び。

私は平野に住む人間ですから、盆地とかいう暑くて寒くて雪の降る場所になんで住むんだと普段思っていました。でもこんな景色が見られるのなら、住む価値は大いにあるな、そう思っていると、駅に着きました。

図 13 長野電鉄 善光寺下駅

善光寺駅。地図上で見た時はなんでそんな名前なんだと思っていましたが、その名の通り「下」ですね。けっこう坂を下りました。

見てください、この駅のルックス。そうなんです、地下駅なんです。

長野電鉄は長野駅から数駅は地下区間を走ります。そのため、長野には地下鉄があるとかいわれたりするそうです。

図 14 善光寺下駅構内

駅の中は薄汚くて怖いです。改札機はなく、無人の有人改札です。切符を購入したらそのまま入ります。

図 15 長野電鉄の切符 

切符は硬券っぽい感じで、裏が白いものでした。自動改札機というシステムが無いっぽいですね。
(先のネタバレをすると長野駅では人のいる有人改札だったのですが、切符を箱にそのまま入れていくタイプでした)

図 16 善光寺下駅 ホーム

ホームはこんな感じ。怖いです。
そしてもっと怖かったのが何のアナウンスもなく電車が来たこと。

電車内は学生が多く、普通の地下鉄のような雰囲気でした。

電車の写真は撮り忘れました。すみません。

宿泊:東横INN 長野駅善光寺口

図 17 ホテルの部屋

1 日目の宿泊は東横 INN にしました。部屋は普通のビジネスホテルといった感じ。
ちなみに宿泊費用は 5600 円ですが、全国旅行支援の地域共通クーポン 2000 円分がつくため実質的には 3000 円台で宿泊できています。お得。

と思っていたのですが、地域共通クーポンをもらうためには 3 回目以上のワクチン接種証明書が必要なんですね。私は知らなかったので、証明書は持っていませんでした。ワクチンは 4 回打ってるのに……
証明書は写真でも可とのことでしたので、仙台の家にいる家族に証明書の写真を送ってもらい、無事もらうことができました。身分証明書も必要でしたので、お気をつけください!

自分の部屋に重たいリュックを下ろし、軽装で長野の街へと繰り出しました。
もらった地域共通クーポンで、夕食を食べようと思ったのです。

ところが、クーポンを使える飲食店はチェーン店ばかり。疲れてもう歩きたくない私は長野駅の駅ビルにあったはなまるうどんで 1300 円分豪遊し、満腹でホテルへと帰りました。

Apple Watch が記録した情報によると、この日私は約 26000 歩、距離にして 16.86 km 歩いたそうです。それも重いリュックを背負って。
若いとはいえ万年文化部の私にはきつい行程でした。

ホテル特有の空調の音が響く部屋の中で横になりながら、私は思いました。
この行程組んだの誰だよ……もちろん私です。

自分の若さを過信してはいけない……でもこんな旅は若いときにしかできないと思っているので、疲労を楽しもう、とも思いました。

翌日はもっと過酷な行程が待ち受けています。内容はおよそ 1400 km の鉄道による移動。果たして私は無事にこの旅を終えることができるのか……?
次回をお楽しみに。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

次回の記事が投稿されましたら、この下にリンクを追加します。


更新履歴

2022/3/18:記事のサムネイル画像を変更しました。

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