アリンコキッドについて語る
こんばんは。
今回は本のことではなく、私がずっと好きなアンパンマンのキャラクター・アリンコキッドについて語らせてください。
超長いし、妄想も含むし、普通に過去放送されたアンパンマンのアニメのネタバレあります。
アリンコキッドについて
見た目・銃・相棒について文章で書いていきますが、よく分からないと思うので、画像検索からご確認いただけると幸いです。
見た目
アリンコキッドは、アンパンマンに登場するキャラクターです。
アンパンマンの手のひらや鼻の上に乗ってしまえるような大きさで、体の色は黒。
青色の複眼(たぶん)。
紫色のハットからは触覚が出ています。
同じ色のベスト、中には緑に格子柄の長袖。
ジーンズ、ブーツと、二丁拳銃のホルスターつきベルト。
そして、赤色のスカーフ。
西部劇っぽいような雰囲気があります。
銃と相棒について
銃は『アリンコ銃』と呼ばれていて、
・赤はものを小さくする
・青は小さくしたものを元に戻す
という機能があります。
回によって、液体(アリンコ酸・モドースアルカリ)入りの弾だったり、光線だったりします。
相棒はバッタさんです。
喋ることはなく、アリンコキッドを乗せて移動してくれます。
声優さん
アリンコキッドのCVは、山口健さん、そして山口キヨヒロさんです。
山口健さんは、男塾の富樫源次、北斗の拳のアイン、ライジンオーのオセッカイザー、DQダイの大冒険のフレイザードなど、渋めの声の役が多めな方です。
更に、トランスフォーマー2010では早口なブラー、ソニックXではデコー(名古屋弁で早口気味なロボット)を演じたりもしていて、少し高めの早口も得意な方です。
アリンコキッドの声は、ちょうどその間くらいの感じで、少し高めだけどキザでカッコつけな雰囲気もあって。
2011年に、山口健さんは亡くなられており、2代目は、山口健さんの息子さん、山口キヨヒロさんになりました。
キヨヒロさんのアリンコキッドは、ハードボイルドさが少し抜け、お兄さんぽい雰囲気です。
それはそれでイケボ…。
そして親子だなって言うのも分かるんですよね、何となくですが。
キヨヒロさんは、舞台俳優やカードゲームイベントのMCなどもされていて多彩な方です。
アリンコキッド推しになるまで
アンパンマンにハマる
ハマったのは中学生くらいの頃です。
最遊記だとかドラゴンボールを見ながら、何かふと思い出してアンパンマンを見たんでしょうね。
そこから何となく色んなキャラを調べて、最初は、アンパンマンやばいきんまんなどのメインキャラ、そしてゲストキャラの中でも有名なやきそばパンマンやハンバーガーキッド、ナガネギマンなどを好きになりました(もちろん、今も好きです)。
西部劇っぽいキャラたち
やきそばパンマンやハンバーガーキッドは、西部劇っぽいキャラクターです。
ハンバーガーキッドは初期からおり、せいぶのまちを守る保安官的な存在。声は三ツ矢雄二さん。
やきそばパンマンは少し経って2000年頃からの登場です。せいぶのまちを拠点に、旅をしながら人助けをしています。声は小杉十郎太さん。
そんなウエスタンな2人の回を追いかけていたら、ついに見つけたのがアリンコキッドの存在…。
私はアンパンマンで気になるキャラができると、登場回のDVDをいろいろレンタルしてきて見まくるタイプです。
アリンコキッドももれなくで、抜けた巻や特別な巻以外のものはほぼ見ているはずです。
彼は先に紹介したやきそばパンマンやハンバーガーキッドほど西部っぽくない(せいぶのまちにいないので)、食べ物ではなく虫のキャラ。
要素に近いものはあるけれど、ちょっと違うな?と思いました。
アリンコキッドは成長したのでは?
(※注:私の解釈であり、作中では成長しているとか言われていません。1話完結型ですから…)
アンパンマンのアニメ全体に言えますが、初期の頃と最近では、話の展開とか一部のキャラの喋り方や設定など、変わっているところもあります。時代の流れもありますので…。
中でもアリンコキッドの初期が面白いので、私の解釈や考察も交えながら紹介していきます。
アンパンマンでは「何のために生まれたのか」というのがしばしばテーマになります。
アリンコキッドは作中ではっきりとそれを言ったり聞かれたりしていないような気がしますが、各話見ていくにつれ、なんとなくわかるような気がします。
アリンコキッド 初登場
初登場は当然、『アンパンマンとアリンコキッド』です。
アンパンマンの数多いるキャラの中でも珍しい方かなと思うのですが、アリンコキッドは初登場回で「悪→正義」へと変わっています。
ちゃんと明確に、「悪のお助けマン」です。
勘違いやばいきんまんに騙されてアンパンマンと敵対→仲直りはよくある(ハンバーガーキッドとか)んですが、アリンコキッドははっきり悪。
あらすじとしては、
・ばいきんまんが、悪のお助けマンであるアリンコキッドにアンパンマンをやっつけてほしいと依頼する。
・アリンコキッドは角砂糖100個でそれを請負い、アンパンマンに決闘を仕掛ける。
・途中まで上手くいくが、結局アンパンマンに負け、ばいきんまんが街で暴れようとしていることを伝える。
・ばいきんまんをやっつけたあと、パン工場アンパンマンに謝罪。悪事をアンパンマンに伝えたことで、正義の心に目覚めたので、これからは正義のお助けマンになろうかな。
と言う感じです。
悪のお助けマンを始めたきっかけは語られませんが、「小さい」と言われるとすごく怒るので、体の大きさにコンプレックスがあり、馬鹿にされるのが嫌なのかもしれない。
『アンパンマンとなかゆび姫』
次に鍵となる回が『アンパンマンとなかゆび姫』。
30分で1話の、ちょっと力の入った回ですね(いつもは15分ずつくらいで2話)。
タイトルにアリンコキッドは含まれませんが、めちゃめちゃメインです。
この回では、眠っているなかゆび姫にナンパシュミレーションをするキザな様子や、それがバレて無礼者扱いされ口喧嘩、なかゆび姫のピンチを2回助けるなどありますが…。
注目したいのは、なかゆび姫がクモの巣にかかり蜘蛛に襲われそうになるシーン。
アリンコキッドは「助けないと」という気持ちはあるものの、すぐにその勇気が出せない。
もたついていたら、偶然にも蜘蛛の糸を引っ張っちゃって、結果的に助かり、姫にもお礼を言われます。
さらにそのあと、姫と二人きりになるのですが、アリンコキッドが何かを言おうとしたところで、探しに来たアンパンマンにさえぎられてしまいます。
このシーンのアリンコキッドは、何か決めたような、それでも言いにくそうな雰囲気で…。
私としては、前述の蜘蛛の巣の時のこと、「助けたかったけどすぐに勇気を出せなかった。助けられたのは偶然だったんだ」というようなことを正直に話そうとしたのかな?もしくは告白か…?
そして、物語最後の秋祭りのシーンで、物陰から様子を見ながら、「たまにはこういうにぎやかなのも悪くないな」みたいなことを言うんですね。
ただのかっこつけセリフかもしれませんが、元悪だったことを考えると、明るいイベントとかを避けてきたのかもしれません。
なかゆび姫に「お友達になって」って言われた時も、少し戸惑っていたし。
『アリンコキッドとハンバーガーキッド』
さらにそのあとの回、『アリンコキッドとハンバーガーキッド』。
これは普通の長さなんですが、かなりお気に入りです。
荒野のゴーストタウン?で、アリンコキッドとハンバーガーキッドが決闘をするんですが、ばいきんまんがバタコさんを誘拐してきて立てこもり、さらにはアリンコ銃も奪われ…取返し助けるために、一時的に協力し合う。
冒頭で、ハンバーガーキッドが「きみのことを小さい小さいって言っただけで決闘を申し込むなんて野蛮じゃないか?」と言うんですが、昔のハンバーガーキッドってちょっと嫌味で皮肉屋なところもあったんですよね。
アリンコキッドは小さいと馬鹿にされるのが嫌いなので、ここでブチ切れて赤い銃を撃ち、ハンバーガーキッドを小さくしてしまう。
ずっと口悪く言い合いをしながらも、バタコさんを見つけて助けようとしたり、ばいきんまんにうまくやり返したりと悪くないコンビネーション。
ハンバーガーキッドは小さくなりながらも正義の心を忘れず、場を打開しようとしていて、アリンコキッドはそれをどう見ていたのか。
アリンコキッドと同じ大きさにされたハンバーガーキッドは、小さいと馬鹿にしたことをどう思ったのか。
最後に行われた決闘の結果は「引き分け」。
1年後にまた決闘をする約束をして別れる…。
この約束は、それまでめんどくさがりで、元は悪のお助けマンだったアリンコキッドの目標としてとてもよかったんじゃないかと思います。
『りんりん谷』回と『アリンコの国』回
そのあとのアリンコキッドの出番は、小さな生き物…虫たちが暮らす場所に関わるお話です。
『アリンコキッドとりんりん谷』は、冬ごもりのために引っ越しをするすずむしの姉弟を、アリンコキッドとアンパンマンが手伝うというお話です。
すずむしの姉弟の家の中を見ると、空き缶や切手、ボタンなどで家具や装飾を作っていて面白い。
小さい生き物たちは工夫して暮らしてるんだなあというのと、
(虫側から見たら)大きな生き物であるばいきんまんたちが、踏みつぶそうとしたり、家の中のものを奪おうとすることがどれだけひどいのか。
アリンコキッドにはアリンコ銃もバッタさんもいて戦うすべがありますが、すずむし姉弟にはありません。
それでも工夫して協力して暮らしているわけで、それをよく知るアリンコキッドが、小さいことを馬鹿にされるのを嫌がるのは当然なんだろうな、と思いました。
続く『アンパンマンとアリンコの国』は、嵐で水浸しになってしまったアリンコの国からSOSを受けたアリンコキッドが、パン工場のみんなと手助けに行きます。そのときの「宝物が危ない」という言葉を聞きつけて、ばいきんまんたちも、アリンコ銃をこっそり奪い、アリンコの国に潜入…。
アリンコの国が故郷や出身地であるかどうかは言われていませんが、同族なので彼も放ってはおけなかったのでしょう。
このころにはしっかりと正義の心があるように思いますし。
宝物というのは光る玉で、たまごです。お姫様が生まれるという終わりですね。
これもまた、小さいながら国民たちは協力して暮らしているのがよくわかる回です。
出身地だとしたら余計に、「虫たちだってこんな一生懸命に生きて、力を合わせて暮らしているのに、『小さい』と馬鹿にするなんて」という気持ちになるでしょうね。
それでぐれて悪堕ちしちゃったのかなあ。
『SLマンとアリンコキッド』
アリンコキッドのアリンコ銃がばいきんまんに盗まれ、SLマンと乗っていた子どもたちが小さくなってしまう。
ばいきんまんたちにいたずらされるのを逃げ惑うところを、アンパンマンが助けに来るが…。
(ところで、よく盗まれてんのは事実なんですけど、「また盗まれてる、取り上げろよ」みたいなマジレスは嫌いです。)
この回は、まあ、盗まれてしまってるんで前半かっこいいところはそんなにないんですが、最後のシーンが印象的で好きです。
ばいきんまんとドキンちゃんが小さくされ、アリンコキッドが見張る中、ちらかしたごみを片付けさせる。
「小さいものの気持ちもわかるだろ」
「おいらも急ぐ旅じゃないし、付き合うよ」
的なセリフがあります。
だいぶ最初のころのギラギラした感じはなくなっています。
そして、「やっとけよ」って放っておかずに、見張る・見守るような優しさと厳しさある対応をしています。
成長していると思う点
正義になりたての頃は、すぐに助ける勇気が出なかったり、馬鹿にされてすぐ噛みつくような感じでした。
小さいことの大変さ、工夫して暮らしていることを分かってもらおうとする、小さい仲間も大きい仲間も助ける、小さいことを楽しむ。
悪のお助けマンの頃、そして正義になりたての頃はうまくできなかったのでしょう。
でも、SLマンの回では、なんというか。ちゃんとできてる、正義として。
放っておかずに見守ってる。必要以上に怒ったり、口悪く嚙みついたりしない。
成長したって言ってもいいんじゃないだろうか?
アリンコキッドの「何のために生まれて、何をして生きるのか」が、見つかったんじゃないだろうか。
1話完結型なので、ここまでの話が時系列通りなのか、同じ世界線なのかはわかりません。
公式さんもそこまで考えていないと思う。
それでもなんとなく、この回が私の中の区切りになっています。
アンパンマンは深い
この見出しのような言葉は、本当に、いろんなところでいろんな人が言っていて、今更感があるんですけども…。
アンパンマンの、中でもちょいマイナーなキャラ推しからもそう思えています。
アリンコキッドでさえいろいろな見方ができるわけなので、当然ほかのキャラも、深堀りできるし、映画なんかも入れるとすごいですよ。
全体において考察をしている方々や、各話やキャラクターの情報をめっちゃまとめている方などもいて、大人を惹きつける魅力だってあるんだと思っています。
やなせ先生は本当にすごい。大好きです。ありがとう。
まとめ
アリンコキッドの件だけで長々とすみません。
このオタク語りを読んだところで生活の役に立つことはあまりないとは思いますが、ここまで見てくださってありがとうございます。
今も現役でアンパンマンのアニメは放映中です!
ポータルサイトです。
キャラ情報とかQ&Aとか面白いです。
ぜひ、色々見てみてくださいな。
今もアニメで時々アリンコキッドでていますよん。
そして、新作映画も公開中です。
こんなに長々と語っておいて、まだ見に行っていないので行きたい。
映画館、ちょっと遠いからなあ。
と思いながら、子どものとき、アンパンマンが好きすぎて一人称が「ぼく」だったという母の昔語りを思い出しました。
そして、これを書くきっかけの一つは、オモコロチャンネルさんの動画でもアンパンマンが取り上げられたからです。
ほんと面白かった!
アリンコキッドは出てこないのですが、アンパンマンオタクの私めちゃくちゃ笑っていました。
ありがとうございました。
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