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ソ連時代の「空飛ぶ棺桶」の街に行ってきた

さて、ちょっと前ですが、ジョージアのチアトゥラに行ってきました。
かつてスターリンの時代に炭鉱で栄えた街で、「空飛ぶ棺桶」と呼ばれるケーブルカーが一部で話題になったり、「カツヒの柱」と呼ばれる奇岩の上に建てられた修道院がある場所なんです。

コーカサスの国、ジョージアの第二の都市、クタイシから少しドライブしたところにあります。
切り立った山に囲まれている盆地のようなところに小さな町があります。

面白いのは、その山に向かって、方々にケーブルカーが出ていること。一体何本あるんだろう?
そして、山のてっぺんに古いソ連時代のアパートがあるのです。

ここにも


ここにも

そして有名なのが「空飛ぶ棺桶」とあだ名されるソ連時代の古いケーブルカーです。
なんでかというと、多分古すぎて危ないから?

ここはマンガンの鉱山で、ソ連時代には炭鉱に労働者たちを運ぶためにこのケーブルカーが大活躍していたそうです。そのため、山のてっぺんに労働者のためのアパートが建設されました。

スターリンの名前をつけた「スターリン鉱山」も存在しています。

しかしマンガン鉱山の採掘が下火になると、この街はどんどん廃れて行きました。

一方で、このソ連時代のケーブルカーを見ようと、物好きな観光客が集まってきて、知る人ぞ知る観光地として、チアトゥラは人気を高めていきます。

が、しかし!!!!

なんと当局は、ケーブルカーをピカピカのものに変更してしまいました。
ガイドのギオルギさんは「政府はStupid(アホ)だ!」と言ってましたが……。

なので、今は古いケーブルカー、使われてないみたいなのです。
現地の人にとっては、「まさかソ連時代のあんな古ぼけたものが好きな奴がいるなんて信じられない」という感じみたいですが、中にいる人の方が、自分の持っている魅力に気づきません。

そこで、ピカピカのケーブルカーに乗って、山に登ってみました。
山のてっぺんに建てられた集合住宅は非常に奇妙な感じがしました。
また、ソ連時代に子どもたちを教育するために作られた施設の名残があったりします。

山の上にはこんなものが。そしてジョージア名物の犬と牛

ガイドさんによれば、この街は炭鉱で栄えたために労働者が多く、そのため、ジョージアにおける共産主義革命はこの町から始まったと言ってましたね。

身近にみたソ連時代の山の上のアパート。今も使われてる

Katskhi Column(カツヒの柱)

チアトゥラのすぐそばにある「Katskhi Column カツヒの柱」は切り立った天然岩です。

ギョッとするのは、この上になぜか、なぜか、修道院があるのです。

この修道院はもともと謎に満ちていたそうですが、調べたところ中世初期(9世紀あたり)のものらしく、修復され、最近まである方が住んでいたそうです。(今は誰も住んでいない)

一体どういう生活をしていたのかと思いますが、麓まで行ってみると、ちゃんとハシゴがあって登れるようになっていました(現在、一般客は登ることができません)。

ジョージアには、全土にこういう「山のてっぺんに教会がある!」のパターンが非常に多く、まさかこんなところに、と思うようなところに存在してたりします。トビリシも盆地なので、見渡すとあちこちにありますね。

そういえば、チアトゥラで乗ったケーブルカーの反対側の山の上にも洞窟を利用した古い教会があったんですよね。

いやー、面白い場所でした。ジョージアは面白い場所が多いけど、クタイシとこのチアトゥラは特に見るものが多い。

もし足をのばすことがあればおすすめです。

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