他者の才能に寛大な人たち
今、クラシック音楽というと、多くの人がベートベンやバッハを思い浮かべると思います。
でもですね、1800年代の初め、ベートーベンやバッハは演奏されることがない「過去の」作家だったのです。
当時はロッシーニのオペラなんかが相当の人気だったようです。
そこに「そんなのおかしいよ」と言って、陽を当てたのがシューマンです。
シューマンは当時は作曲家としての評価はさほど高くなく、死んでから評価された人。
作曲家にはそういう人がたくさんいます。
が、雑誌編集者・音楽批評ライターとしては、かなり有名な存在でした。
彼が書いたものは今も残っていて、岩波文庫で本にもなっています。
同じライターとしては、興味深いです。
とにかく筆まめな人で、日記や手紙も大量に残っています。
ショパンやブラームスを「発見」
彼はベートーベンやバッハの再宣伝をしただけではないのです。
・無名だったショパンの才能を見抜き(「諸君、天才だ」と紹介)
・無名だったベルリオーズをドイツに紹介し
・無名だったブラームスを「天才だ」と言って宣伝し
・シューベルトの「グレイト」の草稿を発見して出版
などなどなど、この人(とクララ)がいなかったら今のクラシック音楽どうなってた? という活躍ぶりなのです。
本人はあまり自分が評価されないことに悩み(妻のクララの方が評価されていた)、最後は精神を病んでしまうのですが、自分はさておき、他人を助けるスタイルの方だったようです(評価されたのは、死後にクララ・シューマンが演奏しまくった功績が大きいようです)。
寛大で親切な人格で知られますが、小物な私は「そこに嫉妬はなかったのか?」 って思ってしまいます。
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